第八話 それはただの蹂躙でした
やっとバトル回が!でもこんなんでバトルだなんて言うのも烏滸がましい気はします。
昨日は充実した1日だった⋯みんなで俺の魔法の練習に付き合ってくれてみんなで稽古して汗だくになって二人分のお風呂シーンも⋯ゲフンゲフン。
さーて、今日はどうするかな⋯。
「旦那さま!それでしたら冒険者らしくクエストを受けてみては?受けられるランクもまだ低いですがレベルアップにも繋がりますよー!」
「そうか冒険者といえばクエストか!やっばり最初は採集クエ?」
「アタシは討伐クエがいいなーお金も貰えて肉も食べれるぞ!」
じゃあ庭でBBQするか!と俺たちは都市へ移動、ギルドの例のノリにまた面食らいながらも適正ランクの【角ウサギ討伐】を受注して意気揚々と海とは反対の方角にある森林地帯へ。
「ああ、まっくら森のホーンラビットだな!ちょうどこれから夏だからエサをたっぷり食べて太ったやつが採れるぞ!」
「⋯まっくら森?ずいぶんファンシーな名前だな?」
「お昼になっても上の方が暗くて見えないからまっくら森ですわね。」
「正式名称!?」
「正しい名前ですわよ?ほらこの通り。」
とモスタが取り出した依頼書には『まっくら森にて角ウサギ退治。討伐証明は角か魔石を合計20個です。報酬は銀貨で20枚。追加報酬あり 千尋の谷より』と書いてあった。
⋯もしかして子供向けなのかこのクエスト?
ちなみに貨幣価値というやつは金貨一枚で十万、銀貨は千円ほどで銅貨は百円くらいだそう。それ以上もあるらしいがよほどでない限り使い道も無さそうだ。
「角ウサギってどんなやつなんだ?」
「魔物と呼ばれる種族のウサギですね、魔石と呼ばれる魔力の固まりが体の中にある動物が魔物です。魔族さまの手先だとかではありませんわ。」
なるほどわかりやすい。魔力の媒介が体内にあるから動物よりも強くて凶暴なのね。
「あとは~ホントにたま~にボスモンスターと呼ばれる群れのリーダー格の魔物が出ることもありますがEランクでは相手になりませんから逃げるがガチですわ。」
「⋯ダイモン、アタシ知ってるぞ⋯こういうのってフラグって言うんだよな。」
「すっかりテレビやインターネットに毒されやがって⋯正解だよ。」
すでに森に入って数十分経つ、こんなに魔物が出ないのはおかしいですわね~とモスタが二度目のフラグを立てたとき。
ドドドドドド⋯!!
けたたましい音を立てて森の奥から何かやってくる⋯!
「ちなみにボスが出てくる確率は?!」
「1万匹に一匹程度ですわよー!!!」
『きゅっ!』
可愛らしい鳴き声に似つかわしくない巨体⋯うん、うさぎだね。この場合は兎詐欺だけどな!!
全身傷だらけの熊より大きな身体からなんというか黒いオーラみたいなものが吹き出してるように見えるぞアレ⋯!
「⋯オーガホーンですわ⋯!依頼ランクならB級です!」
「仕方ない、やるぞ!」
「ならアタシの出番かなー」
そういやアクセはストレーナに着いてからクエストに行く前まで別行動してたな⋯何そのでっかい剣。
「あたしンちから持ってきた喋る剣だぞ!家のお宝だ!」
『⋯お嬢様、私はカラドボルグですとおっしゃいますに。初めまして御二方、私はインテリジェンスソードのカラドボルグと申します。魔剣の一振でございます。』
⋯おお、本当に喋るとビックリするなこれ。しかも語彙力高いぞ?低いのは生物だけなのか?
「よーし、これくらいの魔物ならアタシに任せとけー!」
ぱかーん。
勢い良く斬り付けたアクセだが横から飛び出してきた他の角ウサギに弾き飛ばされて転がってしまう。
なるほど、群れを操るのかこいつは。
「あわわ、大丈夫ですかアクセさーん!」
「モスタ!糸でウサギの足止めできないか!?」
「や、やったみますー!」
ひょろろろろ⋯
アラクネであるモスタの両手からは細い糸が手前に落ちていくだけだった。
「わ、私小さい頃から人族に育てられたおかげでアラクネのスキルつかえないんですぅーー!!」
「こんな時まであざとくなくていいわ!!」
参った、二人とも使えないとは⋯仕方ないな。
《魔法並列起動》!
そして森の中だし、《氷撃槍×50》!!
こんなもんか⋯?
ズガガガガガガガガガガガガガガガガ!!!!!!
⋯え。
俺の放ったアイスランサーはガトリング砲の一斉射撃のように強力で⋯。
オーガホーンはもとより、森にまで過大なダメージをあたえてしまったのだった⋯仕方ない、森に魔力を与えて帰ろう⋯たしかに両手を地面に当てて気合を入れるんだっけ?そいっと。
結果、角は取れなかったが魔石はなんとか回収。魔物はたとえ燃やし尽くされても何故か魔石はあとに残るらしい。
「流石だんな様ですわ⋯まさかあれほど強いだなんて⋯(うっとり)」
「すごいすごい!!なんであんなにいっぱい魔法撃てるんだ??」
お肉はなんとかストレージに入れて持ち帰れました。(解体とかはモスタがやってくれた)
貨幣価値は世界観設定に追記しておきます。




