第一話 異世界初遭遇は女神でした
初投稿です、よろしくお願いします!
たぶんヒロインは次くらいに出ると思います。
目が覚めると俺は⋯いつもの通り、電気ケトルに水を入れて沸くのを待ちながらノートパソコンを起動。
SNSのタイムラインを漁っていればそのうち沸騰したお湯でパックの紅茶をいれ、優雅に過ごす。
それがこの春晴れてニート浪人生となった俺、大門京介のここ数日のお昼の過ごし方だ。
こんな時間に起きれば予備校に行く時間もないだろう?うん、ハナからそんなやる気はない。
どうせ文句を言う両親にも先立たれてるしな。今じゃこの家は俺の城だもの。
「はあ、こんな生活続けても意味無いな⋯。」
残された金だけはある。ならいっそ⋯、、、と色々思いを巡らせていたその時だった。
いきなり真っ白な光に包まれてーーー
ーーーそう、俺は確かに自室にいたはずだった。
いや、光に包まれたあとも俺の部屋だったわけだが、、、つい先刻までいなかったはずのヒラヒラしたどっかの女神みたいなコスプレの女性が座布団にちょこんと座っていた。
「えっ、、、アンタ誰?不法侵入??」
「いえいえ~、わたくしは怪しいものじゃありませんわ~。女神ヨグソトースと申します。」
「不審者だったか⋯」
「ヨグソトースですわ~(ほんわか)
え~ダイモン・ケースケ様、いきなりでびっくり仰天かもしれませんがあなたはこの世界そのものであり、主神でもあるアザトースによりチキュウ?から呼ばせていただきました。」
なんで俺の名前を⋯待て、呼ばせていただいた???
ヨグソトースに目で追われながら俺は窓を開け放ち外を見渡す、いつもなら公園とコンビニが目の前にあるはずなのに
「無い⋯何にもない」
そこに見えたのは夏の香りも漂ってきそうな美しい草原と奥に広がる大きな大きな海だった。
そう、俺の住んでいた一軒家は一瞬で日本から異世界アザトースの大海に面した丘の上に転移してしまっていたのだった⋯うそん。
「あらあら~もう分かっていただけましたのね~?さすが賢者の方は違いますわね~。」
「賢者?それになんで俺の名前を知って⋯そうか、アザトースとやらが俺を指名して呼んだからか⋯。」
「ええ、わたくしと主神アザトースが話し合って呼ばせていただきました~」
そして女神と名乗るヨグソトースから聞いたあらましはこうだ。(そのまま会話が続くとやたら長いので)
・俺が召喚されたのは異世界アザトースという、ほとんどが魔力と呼ばれる力で構成された地球とは全く異なる性質の世界である。
・それが原因不明の魔力減衰により数百年前から徐々に外縁から崩れつつある(この世界は地球平面説のような形で、アザトースは世界を下から支えているらしい)
・そして俺が呼ばれた理由は⋯
「ズバリ、魔力をわけていただくためですよ~」
ヨグソトース曰く、地球に住む者は誰もが軒並み潤沢な魔力を持つ、この世界から見れば喉から手が出るほどの希少な存在なのだという。しかし残念ながら地球にいる限りはそれを使う機会はほぼ無く、稀にいたとしても超能力者程度の力しか持たないとのこと。ゴメンよ、俺今までみんなペテン師だと思ってたわ。
「そしてダイモン様が選ばれたのはチキュウに一人しかいなかった存在、【使っても使っても無くならないほどの魔力】を持つすっごい方なのです!」
「⋯つまり無尽蔵ってこと?」
「チキュウではそのように言うのですね~またひとつ賢くなったようです~」
カリカリ
どこからが取り出したメモ帳に【むじんぞう】と綴る女神。
「⋯地球ではって、アンタも普通に日本語話してるぞ?」
「あらあらあら?ああ、そうでした~ダイモン様のお言葉はこちらの世界の言葉に勝手に変わるんですよ~」
「⋯自動的にってことか」
「まあ!そのようなお言葉もあるのですね~(カリカリカリカリ)」
⋯なんか嫌な予感がしてきた、そういやこの人と話してるとお互い日本語で方言使ってる訳でもないのに違和感感じてたんだよな、まさか⋯。
この世界は魔力よりなにより【語彙力】に欠けてるんじゃないのか?!
「え~と、【じどうてき】でしたわね♪」