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デートの始まり


「なに、休みがほしいですって? ミリィ、昨日あんなに叱ってあげたことを忘れたの?」


 シーズン中におけるロンドンに滞在する貴族の朝は遅い。サフィアとミセス・ルビーも例外ではない。

 そんな中、ミリィに起こされたサフィアは機嫌が悪かった。昨日、ミリィが使用人の待合室にいなかったことも、ミセス・ルビーと共にたっぷり叱ったのだが、全く反省の色がないミリィに、サフィアは苛ついている。


「忘れてはいません。でも、今日はお休みがほしいんです。誰かを呪ってでも」


 サフィアの顔色が一瞬で青くなる。

 世間で、契約獣は呪うことができると言われているが、それはごく一部の契約獣だけだ。現にミリィのクリュスはそんな力を持っていない。これは、どうしても要望を通したい時だけの最終抵抗手段として、ミリィは昔から扱っている。


「なら、今日は休みなさい。誰も呪わないでちょうだいね」


 サフィアはそう言うと、布団の中に隠れた。



 サフィアが中々、起きなかったせいでミリィは既に三十分ほど遅刻している。一番早い移動手段としてクリュスの背に乗り、空を駆ける。

 持っているドレスの中でも、一番上等なものを選び、髪はできるだけ綺麗に整えた。これで大丈夫だろうか、変に思われないだろうか、とラルフのことばかりがミリィの頭を占領している。

 彼女がやきもきしている間に、ハイドパーク上空に着いたので、クリュスに一目が少ない所で降ろしてもらい、約束のマーブル・アーチに急ぐ。


 ミリィがラルフを探していると、彼はすぐに現れた。昨日の夜会服も似合っていたが、今日の服装は大柄な彼の鍛えられた筋肉を引き立たせていて、力強い男性らしさを表していた。


「こんにちは、ミリィ。来てくれて、ありがとう」



すみません、ラルフの口調を変えました。

閲覧ありがとうございます。

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