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ミリィの家族


「なんでこんなことをするの、ブライアン!」


 頭に血が上がったメアリーは、ブライアンの頬を叩こうとした。

 しかしブライアンはその手を掴み、力を込める。


「僕にはすぐにわかりました。母さんと父さんが何かしたんですよね。何があったか知りませんが、ミリィの人生を狂わせました。それは許されることはないでしょう」


「あなたは両親を疑うっていうの?」


 ブライアンは嫌そうに首を振る。


「僕がライト家との因縁に気がつかないほどの馬鹿だと思っていたんですか? 二人には言ってませんでしたが、キースは僕の親友なんです」


 メアリーの顔は、一瞬で青くなる。


「ミリィはライト家に帰ります。その後のことは、ライト卿に任せます。早く部屋から出ていってください、僕もこの家から出ていきますから」


 愛しい息子の失望した瞳に、メアリーは悲しみ、部屋を出ていく。



 ラルフはブライアンの手紙を持って、ライト家に戻ってきた。

 ライト家は下から上への大騒ぎだった。そしてライト家の当主夫妻、長男が集まり、ミリィを囲っている。

 ラルフの姿を見たミリィは、輪から子犬のように転がりでると、ラルフの手を握る。


「全部あなたのおかげです。本当にありがとうございます」


 喜びの涙で煌めく瞳に、ラルフは喉の奥で唸る。これほどまでの信頼と感謝の念を、間近で感じることはなかったため、言葉も出なかった。

 見つめあう二人の間に、甘い空気が流れる。


「すまないな、ラルフ。妹のお目付け役は俺なんだ。ミセス・キースと呼んでも構わない。いたいけな子犬を守るのも、兄犬の役目だ」


 キースは二人の間に割って入ると、睨み付けるラルフにウインクした。


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