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ミリィの主張


「一生だ、一生かけて償う!」


 アーロンはラルフの殺気に怯え、歯が噛み合わない。

 キャメロンがラルフの前に進み出ると、なぜブライアンを呪ったのか聞く。

 ブライアンの名前を聞いたアリスは、アーロンを睨み付けた。


「アリスがあいつと仲が良くて嫉妬してしまったんです。男ならよくあることでしょう? 今年のシーズンでもアリスがとられると思って、出てこなくさせようとしただけなんです」


「嫉妬で殺される方もたまったものではないな。しかし、一年前から呪うのは度が過ぎる」


 アーロンの弁明に、ラルフは思わず笑ったが、キャメロンはそうはいかなかった。


「誰がお前のような男に娘をまかせるか! お前の紋章は剥奪だ!」


 紋章を剥奪することは、当主だけに許される権限だ。一度、紋章を剥奪されれば、もう二度と契約獣を召喚し使うことはできなくなる。


「いえ彼は、一年もの間、契約獣の力を神話世界からこちら側に干渉させることができました。その力はいずれグレイ家を救うでしょう。一から、グレイ卿が紋章貴族としての心構えを説いた方が、紋章貴族全体に有益になると思いますよ。彼には自分が言った通り、一生をかけて償ってもらいましょう」


 ラルフは悪どい笑みを浮かべる。キャメロンも、その提案は確かに紋章剥奪よりも有益だと溜飲を飲み込む。


 アーロンは助かったと胸を撫で下ろすが、アリスに頬をぶたれる。


「私が、ブライアン様と、仲がよかったからですって! 急に避けられ始めたのは、あなたのせいだったのね! 絶対、許さないんだから!」


 アリスはブライアンが好きで、前回のシーズンでは結婚を申し込まれると思っていた。その期待は裏切られたが、理由が彼だとは思っていなかった。むしろアーロンを、アリスを慰めてくれた優しい従兄だと思っていたのだ。


「すまない、アリス。僕はずっと前から、君のことを……」


「好きだからって、なんでもしていいわけないです。好きだからこそ、相手を思いやる心を持つべきです」


 急に喋りだしたミリィに皆の注目が集まる。でしゃばってしまったとミリィは、お辞儀をして後ろに下がる。

 ラルフは虚をつかれたが、ミリィに拍手する。


「ミリィの言う通りさ。全く、彼女は立派なレディなのさ」

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