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第六章58 終末へのカウントダウン

「うッ……ここ、は……?」


 眩い光を感じて航大は目を覚ます。


 生暖かい心地良い風が髪を撫で、薄っすらと開かれた瞳が映す視界は太陽の光によって支配されており、あまりの眩しさに航大はうめき声を上げながら再び瞼を閉じる。脳がまだ完全に覚醒をしていない。自分がどこにいるのか、どうして気を失っていたのか、ごちゃ混ぜになっている意識と記憶を整理していくと、次第に自分が置かれている状況を思い出す。


「そうだ、俺は……リエルッ!?」


 眩しいなんて言っている場合ではない。

 ハイラント王国において、世界においてとても良くない事が起こったはずである。


 気を失う直前の記憶を取り戻し、航大は勢いよく目を開くと上半身を起こして、自分と共に存在していた少女の名前を呼ぶ。


 航大が気を失っている間、リエルは一人で異常事態に立ち向かっていたはずであり、自分の身体を心配するよりも先に彼女の安否を確かめるのは当然のことであった。


「リエル、大丈夫かッ!?」


「…………」


 身体を起こして周囲を確認する。

 すると、航大から僅かに離れた場所で倒れ伏す少女の姿があった。


 瑠璃色の髪を土埃で汚し、ピクリとも身動きを取らないリエルを見つけるなり、航大は心臓が否応にも早鐘を打っていることに気付く。まさかリエルの身に何かが起きたのではないか、そう考えると心臓が痛いくらいに強い鼓動を刻んでおり、居ても立ってもいられないといった様子で航大はリエルへと駆け寄っていく。


「リエルッ、リエルッ、大丈夫なのか……ッ!?」


「うっ、くっ……」


「目が覚めたか……リエル、無事か……?」


「あぁ……儂は大丈夫じゃ……しかし、ちょっと……疲れてしまった……」


「身体にどこか異常はないんだな?」


「うむ……大丈夫じゃ……安心せぇ、主様……」


 その言葉を最後にリエルはゆっくりと目を閉じた。

 呼吸が乱れていることもない、規則正しい寝息が聞こえてきて、航大はほっと安堵のため息を漏らす。


「ここ、ハイラント王国……で、いいんだよな……?」


 リエルが無事であることが分かり、ようやく周囲に関して注意を向けることが出来た航大。自分の脳裏にある記憶と、周囲が見せる光景が全く一致していない。


 まず、自分は異変を探って地下に潜っていたはずである。


 ハイラント王国という王城を構成する建造物の一つ、名も知らぬ塔にはかつて世界に厄災を招いた魔竜が封印されていた。突如、何らかの理由により魔竜の封印が解かれようとしている中で、航大たちはその原因を突き止めるために行動していた。


 塔の内部には地下へと通じる螺旋階段のみが存在しており、魔竜が放つ濃厚な魔力を頼りに航大とリエルの二人は地下深くを目指していたはずである。


 しかし今、航大は巨大なクレーターの中心に存在しており、どこにも自分が立ち入った塔の姿はなかった。地面が抉れるようにして凹んでいることから、魔竜の封印を解こうとした人物が何かしらの行動をした結果、塔は消滅し、魔竜すらも姿をくらました。


「くそ……俺が気を失ってさえいなければ……」


 実際に塔が消失した瞬間を航大は見ていない。

 魔竜がどうなったのか。


 どうしてリエルは倒れ伏していたのか。

 知りたいことは山のようにあるのだが、その事実を知っているのはリエルだけである。


「…………」


 あんなにも美しく、あんなにも平和だった日々は一瞬にして崩壊した。

 魔竜を失うという最悪な展開に目を覆いたくなるのだが、立ち止まっている暇はない。


「航大ッ!」


「……シルヴィア?」


 天を仰ぎ、何も出来なかった自分に対する苛立ちを隠せずにいると、自分の名前を呼ぶ存在がやってくることに気付く。それは酷く見慣れた人物であり、その声音が鼓膜を震わせた時、航大の心は幾分か落ち着きを取り戻すことが出来た。


「良かった、無事なんだなッ!」


 シルヴィアから少し遅れてライガもやってきた。

 二人とも姿を消した航大とリエルを迎えに来たのだろう。


「シャーリーは無事か?」


「うん、王女様は私たちが見てたから大丈夫……でも、航大たちは……」


「この有様だよ……リエルが居なかったら、もっと被害は拡大していたかもしれない」


「リエルは……大丈夫なの?」


「あぁ、今は少し眠っているだけだ。じきに目を覚ます」


「とにかく、二人とも無事で良かった……今、王城は忙しないけど、航大とリエルは休んで」


「いや、休んでる暇はない。魔竜が連れ去られたんだ。他の魔竜も危ない」


「おい、航大……それ、本当かよ……」


 航大とシルヴィアが話をしている中、少し遅れてやってきたライガが目を見開いて驚いている。航大の口から漏れた『魔竜』という単語が持つ意味をライガも少しは理解しているつもりだ。


 その魔竜を狙う動きが存在し、ハイラント王国がその標的になったことを知って、ライガも無視できない事実に表情を険しくさせる。


「航大、とりあえずシャーリー様と話をしよう」


「でも、ライガ……王女様は……」


「魔竜が関係しているなら、こっちの方が最優先だ。世界が危ないんだぞ」


「う、うん……」


「よし、それじゃまずは謁見の間に急ごう。シルヴィア、王女様への連絡は頼んだぞ」


「分かった。先に行くねッ!」


「航大も大丈夫か?」


「あぁ、俺は大丈夫。まずリエルを部屋に運んでもいいか?」


「リエルを寝かせたら謁見の間に急ごう」


 王女・シャーリーと話をする場を設けるためシルヴィアが一足先に駆け出す。


 その後、リエルを背負った航大とライガはこれからの行動に関して認識を合わせると、その足を踏み出していく。


◆◆◆◆◆


「むッ……なんか揺れておる……」


「お、リエル、目を覚ましたか」


「主様……? どうして、儂は……」


「疲れて寝てたんだよ。とりあえず、部屋まで連れて行くからもう少し待ってくれ」


「いや、大丈夫じゃ。少し寝たら回復したぞい」


「え、いや、でも……かなり疲れてるんだし、無理はしなくてもいいぞ?」


 航大とライガ、そしてリエルの三人は慌ただしい王城の廊下を歩いていた。


 王城が襲撃された事実は瞬く間の内に広まり、王城関係者たちはこれからの対策について奔走している。まだ正確な情報は伝わっておらず、憶測が憶測を呼びハイラント王国は混乱を極めている。


「そうだぜ、リエル。今は無理をしなくても……」


 目を覚ましたリエルは体調が優れない様子を見せながらも、航大たちに付いていこうとする。そんな彼女を航大とライガの二人は休むようにと伝えるのだが、リエルも頑なにそれを拒否する。


「王女へと報告するのじゃろう? それなら、儂が居たほうがいい。主様が気を失っている間のことは、儂だけが知っている」


「確かに、それはそうだけど……」


「ふっ、主様。儂は怪我がある訳ではない。少し話をするくらいなんら問題はないぞ」


「……分かった。それなら少しの間、付き合ってくれるか?」


「任されたッ!」


 航大の言葉に元気よく答えると、リエルは背中からぴょんと飛び降りると身体を僅かにふらつかせながらも自らの足でしっかりと歩き出す。額には薄っすらと汗が浮かび、足取りもおぼつかない様子からリエルが無理をしているのは一目瞭然であり、しかし彼女だけが知っている事実があることも事実である。


 断腸の思いではあるが、航大はリエルの言葉に甘えることとした。 


 彼女が語る真実。

 それが今、この状況において最も必要なものであることは間違いないのだから。


◆◆◆◆◆


「航大さん、ご無事でなによりです……」


「いえ、俺は何もしてないです。その言葉はリエルに掛けてやってください」


「……リエルさん、貴方も無事で本当に良かった」


 航大、ライガ、リエル、そして先行していたシルヴィアの四人はハイラント王国の王城に存在する謁見の間へと集合していた。此度の襲撃によって王城は未だに大混乱へと陥っており、それを少しでも早く解消するために航大たちは王女・シャーリーへと事の顛末を説明する必要があった。


「そんなお言葉、儂には勿体無い……」


「ライガ、シルヴィア。貴方たちも私を守ってくださり、ありがとうございます」


「王国の騎士たる者、王女を命に変えても守るのが仕事ですから……」


「はい。王女が無事で何よりです……」


 ライガとシルヴィアは片膝を付き、頭を垂れることで王女への絶対の服従を表現する。


 それが騎士である二人が取るべき姿であり、普段とは違った様子に、航大は二人が自分とは決定的に違う身分にあるのだと改めて理解する。


「それで航大さん……この度、我が王国を襲った悲劇について教えてくださりますか?」


「あ、はい。それじゃ、俺が説明できるところまではお任せください」


 それぞれにねぎらいの言葉を投げかけた後、王女・シャーリーは表情を正すと航大に問いかける。


 王国を襲った悲劇の全容を、動き出した世界の末端で起こった真実の物語を――。


「ハイラント王国が揺れて、俺とリエルの二人は揺れの原因を突き止めるために走りました」


 そして航大は語る。

 自らの目で見た事実を。

 名も知らぬ塔に封印された魔竜のことも包み隠さず全てを打ち明ける。


「そんなことが……まさか、あの塔に目をつけるなんて……」


「まさかあんな場所に魔竜が封印されていたなんて。でも、あんな場所にありながら、これまで誰も襲撃して来なかったなんて……」


「……あの場所に魔竜が封印されていること、それは代々の王族のみに伝えられてきました」


 航大の話を聞いて、シャーリーは静かに目を閉じると語る。

 王族のみに伝えられたハイラント王国における魔竜の措置についてである。


「そして、あの塔には強力な守護結界が展開されていたはずでした……」


「守護結界……?」


「はい。塔の全てに認識阻害の守護魔法がありました。あんなにも目立つように設置されていながら、誰の意識にも捉えることが出来ない。魔竜が封印されてから永き間、その結界は破られることがありませんでした」


「……なるほど、だから俺たちも初めて見た感覚があったのか」


「あの塔を視認できるのは王族のみであったはずです。これまでも魔竜を狙った動きはありました。しかし、それでも侵入者たちは誰にでも見える位置にあるはずの塔を認識することが出来なかったのです」


 ハイラント王国の王城を形成する無数の建造物。


 その中でも魔竜が封印されていた塔はどの建造物よりも天高く聳え立っており、城下町の端に居てもその先端が見えるほどである。そんな塔がこれまでの間、侵入者を全く許さなかったのは事実である。


「でも、王族にしか見えないってことは……まさか、それを破ったのは……」


「王族であるのではないか。航大さんはそう言いたいのですね?」


「考えたくはないけど、これまでの話を聞くとそうなるかなって……」


「確かに王族であれば、あの塔を常に視認することが出来るでしょう。しかしそれは困難であると言わざるを得ません。何故ならば、ハイラント王国の王族と呼ばれる人間が私しか残されていないからです」


「…………」


 シャーリーのどこか悲しげな表情が印象的だった。

 航大はシャーリーの父親のことを知らない。母親のことも当然知らない。

 王女として生きる彼女が何歳の頃に両親が他界したのか、それを航大が知る由もないことである。


「…………」


 シャーリーが漏らした声音にシルヴィアの身体がピクリと反応する。


 金色の髪が印象的な少女は僅かに身体を反応させるだけで、何か言葉を発することはない。その様子を航大は視界の隅で捉えていたが、シャーリーの言葉を遮るようなことはしなかった。


「ハイラント王国を襲撃した人物、それについては航大さんたちに心当たりがあるんですよね?」


「ここからは儂が話そう。この中で唯一、襲撃した人物を見たからな」


 シャーリーの問いかけに応えたのはリエルだった。


 やはりまだ本調子といった様子ではないが、彼女はその瞳に強い輝きを灯すと堂々とした様子で名乗り出る。


「お願いしてもいいですか?」


「うむ。まず、結論から話すとこの騒動を引き起こしたのは、帝国ガリアの騎士じゃ」


「――――」


 その言葉に謁見の間に強い緊張感が走り抜ける。

 危惧していたことが事実となった語られることで、航大たちの表情は僅かに曇る。

 王女・シャーリーもまた最悪の展開が的中し、彼女の表情もまた悲しげに歪む。


「そう、ですか……やはり、帝国ガリアが……」


「薄暗い中でしっかりと顔を見ることは出来なかったが、儂と対峙したのは少女じゃった」


「少女……?」


「自らを帝国ガリアの騎士と名乗り、そして暴食のグリモワールを所有しているとも言っていた」


「グリモワール……ッ!?」


 その言葉に反応を示すのは航大であった。


 彼もまた異形の力を有したグリモワールに選ばれた存在であり、その単語が持つ意味を誰よりもよく理解している。帝国ガリアの騎士が本格的に動き出した。リエルの報告はそれを如実に物語るものであった。


「名を名乗ることはなかったので、名前までは分からぬが……それでも、これまで見てきた帝国ガリアの騎士とは一線を画する存在であったと言える」


「これまでの帝国騎士とも違うのか?」


「うむ。どこまでが真実かは分からぬが、その者は全てのグリモワールが持つ力を使うことが出来ると言っていた」


「…………」


 その言葉が持つ意味を理解できる者は強い絶望感に包まれた。

 帝国騎士はその一人だけでも桁違いの実力を持っている。


 全てのグリモワールを使役することが出来る。

 そんな存在が居るという事実は、航大たちに絶望を与えるにはあまりにも簡単であった。


「それでもやるしかねぇだろ。帝国ガリアは魔竜を復活させようとしている。事実、ハイラント王国の魔竜が持ち出されちまった……」


 リエルの言葉に続くような形でライガが悔しげに言い放つ。

 帝国ガリアが本格的に動きを見せてきた。

 そして、保有する圧倒的な戦力を使うことで確実に結果を出そうとしている。


「そうだな。帝国ガリアの思うようにはさせない……」


「もちろん私も同じ考えッ! この世界を守るためなら何だってするッ!」


 ライガの言葉に触発されるような形で航大とシルヴィアも士気を高めていく。

 相手がどんな力を持っていようが関係はない。

 自分たちがすべきことはハッキリとしているので、航大たち一行は成すべきことを成すだけである。


「……航大さん、リエルさん、ライガ、シルヴィア。今、この世界を救うことが出来るのは貴方たちだけなのかもしれません」


 玉座から立ち上がるシャーリーは、航大たち一人ひとりの名前を呼び、そして静かに言葉を紡ぐ。


「これまでも数多の戦いを経て、そして結果を残してきた貴方たちにしか、きっと世界を救うことは出来ないでしょう。私は無力です。貴方たちが戦っている間も、私はこうして安全な場所で待っていることしか出来ない」


 王女・シャーリーの言葉が謁見の間に響く。

 その言葉を航大たちはただ無言で聞き遂げる。


「また私は、貴方たちにお願いをしたいと思っています。しかも、今回はこれまでと違って最も過酷な運命を押し付けるものとなるかもしれません」


「…………」


「お願いします。世界を救ってください」


 シャーリーの瞳に迷いはなかった。


 航大たちならば必ず成し遂げてくれる。そう強い確信があるからこそ、彼女の言葉には一切の迷いが存在しないのだ。


「帝国の手から世界を救い、そして再びこの世界に平穏をもたらしてください」


 航大、リエル、ライガ、シルヴィア。

 ハイラント王国の王女であるシャーリーという少女は四人の少年少女に世界の未来を託そうとしていた。


 そして、その言葉は確かに航大たちの胸に届いていた。


「あぁ、任せてくれ、シャーリー……俺もこの世界が好きだ。絶対に守りたいって思ってる」


「儂も主様と同じじゃ。女神である姉様が守ったこの世界、必ずや儂たちが守り抜く」


「俺は王国を守る騎士だが、何も自分が守るのは王国だけじゃねぇ。この国が世界を守ろうって言うのなら、俺だって世界を守る義務がある。それを果たすだけだ」


「私に出来ることがあるのか分からない。だけど、私だってこの世界を守りたい。大切な人が居て、大切な人が守ろうとするこの世界を……私も守りたい」


 航大。

 リエル。

 ライガ。

 シルヴィア。


 それぞれの想いが交差して一つの大きな力を生む。

 全員がそれぞれの認識を共有したことで、一行がやるべきことが確定する。


「貴方たちならそう言ってくれると思っていました。きっと、世界は元の平和な姿を――」


 航大たちの言葉を聞き、安堵したシャーリーがようやくその顔に笑みを灯そうとしたその瞬間だった。


「王女様ッ! 今、サンディ大陸から伝書鳩がやってきましたッ!」


「何事ですッ!?」


「伝書鳩が伝えるには……サンディ大陸のバーツ公国が……壊滅しました……」


「……は?」


 慌ただしい様子で謁見の間へと立ち入ってきたのは王城の関係者であった。


 顔に皺が目立ち始めてきた中年男性といった男は表情を青ざめながら、伝えられた事実を報告する。しかし、その報告はにわかに信じ難い内容となっており、謁見の間に存在する全ての人間が呆気にとられてしまう。


「……それは事実なのですか?」


「この目で確かめた訳ではないので、確実とは言い難いですが……我が国を襲ったようなことがバーツ公国でも起こったのだとしたら……」


「…………」


 帝国ガリアの騎士たちの行動は、航大たちの予測よりも悪い方向で進行していた。


 魔竜を手中に収めるため、帝国ガリアは自らが持つ騎士たちを各大陸へと派遣していたのだ。そして、騎士たちが持つ圧倒的なまでの力は一つの国をいとも容易く滅ぼした。


「航大、急ごう。このままだとコハナ大陸も危ない」


「あぁ、そうだな……」


「でも、コハナ大陸だけじゃないかもしれない……ルーラ大陸だって、危ないんじゃ……」


「可能性は高いじゃろうな。帝国ガリアは同時多発的に魔竜を狙っているのかもしれぬ」


 希望を託す謁見の間に重苦しい空気が漂い始める。


 帝国ガリアの騎士は既に行動を開始している。

 そして、既に成果を手に入れようとしているのだ。


 このままでは全ての魔竜が騎士たちの手に落ちるのは時間の問題である。


「行こう。まだコハナ大陸とルーラ大陸が残ってる。今すぐに俺たちで向かおう」


 どんよりとした空気を払拭したのは航大の言葉だった。


 このまま黙っていても埒が明かない。

 どんな絶望も打ち砕かなくてはならない。

 そうしなければ、世界を救うことは出来ないのだから。


「そうだな、今すぐに準備をしよう」


「おっけーッ! 世界を救うことが出来るのは私たちだけなんだしねッ!」


「そうと決まれば早速出発じゃッ!」


 航大の言葉に続く形でライガ、シルヴィア、リエルたちが揃って声を上げる。


 一行が歩む道は決して平坦ではない。

 世界の危機が確実に迫る中において、終末への物語は急展開を見せようとしているのであった。

桜葉です。

次回もよろしくお願いします。

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