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第六章16 影の者

「――来るぞッ!」


 空が藍色に染まる頃、航大たち一行は南を目指して進み続けていた。


 田舎街・レントを出発してからこれまでにいくつかの街を発見したが、そこに住まう人の姿はなかった。それというのも、既に炎獄の女神・アスカによって滅ぼされた痕であり、業炎によって焼き尽くされた街での生存者は絶望的であると言わざるを得なかった。


 見つける街、見つける街の全てが既に壊滅させられた後であり、為す術もなく命を落とすことになった人々の残骸を見る度に航大たちの気は沈んでいくのであった。


「なんだよ、アレッ!」


「分かんねぇ……けど、歓迎されてないのは確かだぜ……」


 南の果てには炎獄の女神・アスカが待っている。


 かつて世界を救った女神の凶行を止めるべく、航大たち一行は進まなくてはならない。

 新たな街を視界に捉えた航大たちは、道の途中で異形の存在を対峙することになった。


「人、なのか……?」


「それにしては黒すぎる。日焼けってレベルじゃないぜ。影みたいな奴だ」


 地竜を進める航大たちの前に突如として姿を現したのは、全身を黒に染めた人間だった。


 しかしその姿は影のように全身が『黒』で覆われており、男女の区別はもちろん、表情の判別すらできない。二本足で立ち、二つの腕を持っている。そして人間サイズの頭部を持っている。これだけの情報で人間である、人間に酷似した何かであることが推測することができる。


「…………」


 影はただその唇を歪ませる。

 歪んだ唇が血のように赤く染まり、そこだけが色を持っている。


「笑ってやがるぜ、コイツ……人間の言葉が通じると思うか?」


「やってみるといいんじゃないか?」


「……どうやら無駄みたいだな」


 人の姿をした影は一つじゃない。

 航大たちが乗る地竜を取り囲むようにして、次々に姿を現していく。


 影がある場所に一つ。また一つ。


 日も沈み、周囲が闇に飲まれようとする中で、影の者たちはこれからは自分たちの時間であると言わんばかりにその数を増やしていく。


「航大、ライガ……これは?」


「リエルか。よく分からねぇ。人の形をしてるけど、言葉が通じるような相手には見えないな」


 異常を察してリエル、シルヴィア、ユイの三人が客車から飛び出してくる。

 そして航大たちを取り囲む影の者を見て、その表情を曇らせる。


「……なんか嫌な感じがする」


「この感じ……魔獣なの……?」


「あんな形の魔獣、見たことあるか?」


 口元を歪ませる影の者は、その身体から忌々しい魔力を発している。それは魔獣と対峙した時に感じるものであり、だからこそシルヴィアは魔獣が襲ってきたのだと理解した。


 しかし、ここまで精巧に人間の姿を模した魔獣というのはこれまでに聞いたことはない。


「どうやら、おしゃべりはこの辺みたいじゃの」


「――全員、構えるんだ」


 互いに動向を探る時間は不意に終わりを迎えた。


 完全に日が沈むのと同時に、影の者たちは全員が一步を踏み出す。その片手にはいつの間にか両刃剣が握られており、敵意を微塵も隠そうとしていない。


「――――ッ!」


 影の者たちが跳躍する。

 コンマ数秒遅れて航大たちも飛び出していく。


「全員散れッ、死ぬなよ!」


「ライガこそ、簡単にやられるんじゃないわよッ!」


 全方面を囲まれた状態での戦い。


 影の者たちは無数に姿を現しており、背後を取られないように航大たちは全員が散り散りになって戦う道を選択する。互いが互いを信頼しているからこその戦法であり、飛び出していく航大たち一行は闇夜の戦いへと身を投じていく。


「お前の相手は俺だッ!」


 まず最初に接敵したのはライガだった。


 その両手には神剣・ボルカニカが握られており、自らの背丈よりも巨大な剣をライガは軽々と扱っていく。


 対峙する影の者もまた怯むことなく一直線に跳躍を続けている。自らと同じ漆黒の剣を振り上げると、迷いなく全力でライガへと叩き込んでいく。


「――――ッ!」


 静かな夜の草原に剣戟の音が響き渡る。


「……結構、力あるじゃねぇか」


「…………」


 渾身の力で振り下ろされた神剣・ボルカニカ。影の者は回避する素振りを見せることなく、自らが持つ剣でライガが放つ一撃を受け止めていた。


「くそッ、次は右かよッ!」


 剣と剣が重なり、ライガと影の者による力比べが始まろうとしていた時だった。音もなく姿を現した新たな影がライガに襲い掛かってくる。


 影の者たちは無数に存在している。

 その数は数十にも達しようとしており、影の者たちは数の多さを生かした戦いを展開していく。


「ちッ……面倒くせぇッ……」


 舌打ちを漏らし、ライガは一旦後方へと飛ぶ。


 影の者たちは声を発することもなく、足音すら響かせることなく、ただライガたちを殺す。その目的を果たすためだけに跳躍を続ける。


 ライガの視界には十は越える影の者たちが捉えられている。



「神速、暴風、風を纏いし、戦う――風装神鬼ッ!」



 無数に迫ってくる影の者に対して、ライガは自らの攻撃速度を引き上げ、全ての敵を薙ぎ払おうとする。影の者たちを大幅に上回る移動速度を手に入れたライガは、その顔に笑みを浮かべて飛ぶ。


「おらおらぁッ!」


 風を切り裂き、地面を抉りながら跳躍を繰り返す。

 迫る影の者たちを一人、また一人と神剣・ボルカニカで斬り伏せていく。


 戦いはライガの圧倒的な優位で推移している。傍から見てもそれは間違いないのだが、しかし敵の数は減るどころか増えていく一方である。


「数が多すぎる……倒しても倒してもキリがねぇ……ッ!」


 気付けば戦いを始めた時よりも影の者たちはその総数を増やしていた。


「きゃああぁーーーッ!?」


 徐々に劣勢へと追いやられそうになっているライガの元に、そんな叫び声と共に一人の少女が吹き飛ばされてくる。見慣れたハイラント王国の騎士服に身を包み、両手に『緋剣』と『蒼剣』を持ったシルヴィアは、全身を土埃で汚しながら立ち上がる。


「シルヴィア、大丈夫かッ!?」


「けほ、けほッ……これが大丈夫に見える?」


「あの影にやられたのか?」


「それ以外にないでしょ……アイツら、どんどん数を増やしてる……」


 吹き飛ばされてきたシルヴィアはすぐさま体勢を立て直すと、ライガの隣に立って周囲を取り囲む影の者たちを睨みつける。


「そっちでもか……こっちも、さっきと比べたらめちゃくちゃ増えてるぜ」


「どういうこと……どうして、アイツらは数を増やしてるの……?」


 ライガとシルヴィアを取り囲む影の者たちは、時間の経過と共にその数を増やしている。自由に増えることが出来るのならば、今この瞬間にも数を増やせばいい。しかし、影の者たちはそれをしない。


 気付けば増えているのだが、注意深く観察していると今この瞬間には新たな影が生まれてはいない。


「こりゃ、増えるのには何かカラクリがあるな……」


「これまでの状況を分析すると、私たちの攻撃か……それとも戦いを続けることで増える……?」


 戦いが始まってからまだそれほどの時間は経過していない。

 ここまでの状況を詳細に分析することで、ライガとシルヴィアは何かの答えに辿り着こうとする。


「シルヴィア、ライガ……そっちはどうじゃ……?」


 二人が膠着状態に陥る中、少し離れていた場所で戦っていたリエルが合流する。その表情は険しく歪んでおり、ライガたちと同じ状況に後退を余儀なくされていた。


「こっちは見ての通りだ。リエルも敵の数に押された感じか?」


「ふむ……今回の敵は少々厄介じゃな……いくらなんでも数が増えすぎている……」


 無数の影を引き連れて合流を果たしたリエル。

 一人で戦うことは得策ではないと判断しての合流なのであろう。


「航大とユイは?」


「……戦っている気配はする。二人も合流させた方がいいかもしれん。コヤツらには何か秘密がある」


「このまま数を増やされたら……さすがに手に負えないぜ……」


 ライガ、シルヴィア、リエルを取り囲む影の者たちは、最初に比べればその数を倍以上に増やしている。影の者たちはその唇を歪ませ、自ら仕掛けてくることなく静寂を保っている。


「どうするの、ライガ……?」


「どうするって言われてもな……コイツらがなんで増えてるのか、それが分からないとどうしようもない」


 突如として姿を現した影の者たち。


 全身を漆黒に染め、言葉を発することなく嗤い続けるその存在を前にして、ライガたちは予想外の苦戦を強いられてしまうのであった。


◆◆◆◆◆


「シュナ、カガリ……力を貸してくれるか?」


 ライガたちが苦戦を強いられる少し前。

 航大は彼らと近いが違う場所で影の者たちとの戦いに挑もうとしていた。


『今回は僕の力を使うといいよ。数が多い敵を相手にするなら、僕の風魔法で全てを切り刻んじゃえばいい』


「なるほど。よし、カガリ……力を貸してくれ」


『あははッ、そのために僕はここに居るんだよ』


 航大の中には氷獄と暴風の女神が存在している。


 女神たちをその身に宿すことで普通の人間では考えられない力を行使することが出来る。これまでの戦いでも女神たちの力は幾度となく航大たちを救ってきた。



「――英霊憑依・風神」



 その言葉は女神をその身宿すためのトリガーである。


 目を閉じ精神を統一させ、トリガーとなる言葉を発することで内に眠る女神たちの力を一時的に極限にまで高めていく。溢れんばかりの力は航大の内から溢れ出すと、その華奢な身体に膨大な魔力の鎧を纏わせる。


「…………」


 女神とのシンクロは、その力が膨大であるが故に航大の外見すらも変えてしまう。


 茶髪だった髪色は鮮緑に色を変え、更に髪の長さすらも変えてしまう。短髪だった髪は背中にまで伸びる長髪へと変化し、毛先をゴムで纏めている。


 その華奢な身体には深緑をした魔法のローブマントを羽織っている。氷獄の女神・シュナとシンクロした時と同じではあるのだが、ローブマントの丈が違う。上半身は二の腕が露出する半袖タイプであり、下半身は膝から下が露出しているハーフパンツ。


 魔法のローブを纏うという点では一致していても、女神によってその衣装は変化している。


「……まぁ、動きやすいけどさ」


 風神となった航大は変化した自らの身体を見て小さくため息を漏らす。


『なんだい、航大くん。その格好の方がカッコイイとは思わないかな?』


「いや、戦いにカッコよさは求めてないだろ……」


 衣装の変化も女神それぞれの特徴を生かしている形であり、暴風の女神・カガリは近接攻撃により特化した形であると言える。いつの間にか両手に握られている片刃の剣がそれを証明している。


『ようやく僕の番って訳だ。航大くん、その力……存分に使ってくれたまえッ!』


「言われなくてもそうするつもりだよ……ッ!」


 身体が膨大な魔力で包まれている。内から溢れる力で身体が熱を持っている。戦いを求めて全身の血が騒いでいる。


「――――ッ!」


 影の者たちが動き出す。


 自らを射抜く航大の眼光が鋭さを増し、その身体から放たれる濃厚な魔力に影の者たちは唇を更に歪ませると跳躍を開始する。


「いくぜ、カガリッ!」


 対する航大もまた地面を蹴って跳躍する。その速度は影の者たちを遥かに凌駕するものであった。


「まずは一人ッ!」


 影の跳躍は凡人の域を脱しない。


 戦いの基礎的な知識を得たばかりの一般人といっても過言ではなく、対する航大は風を司る女神とシンクロを果たしている。その速度は一歩目から『神速』の域へと達している。


 草原に一陣の風が吹き抜ける。

 次の瞬間、暴風を纏った少年と影が交錯して、その直後に影の身体は真っ二つに切り裂かれる。


『航大くん、右から二人、あと上から三人ッ!』


「了解ッ!」


 脳内にカガリの声音が響く。

 彼女の指示があるからこそ、航大は全方面からの敵を察知することが出来る。


 カガリの声音に導かれるようにして地面へ着地するなり、すぐさま次の行動へと移る。風と一体化する航大を、影の者たちはその視界に捉えることすらできない。


 気付いた時には彼の刃が自らの身体を切り刻んでおり、その瞬間に影は胴体を上半身と下半身の二つに両断される。一人、また一人と航大の力によって無力化されていく。


『えっとね、次は後ろから五人、左から八人、その後に右から十人ッ!』


「……おい、何か間違ってないか?」


 カガリから送られてくる情報に間違いがないことは承知している。

 しかし、それでも数を増していく状況に首を傾げてしまう。


『うーん、でも僕の目にはそう映ってるんだよね。戦わないとやられちゃうよ?』


「いや、そうなんだけど……くそ、やるしかねぇか……ッ!」


 カガリの指示通りにそちらへ視線を向ければ、確かに彼女の情報が正しいことを知ることとなる。闇夜を暗躍する影が蠢いており、その全てが唇を歪ませて航大の命を刈り取ろうとしている。


「遅いんだよッ!」


 数が増えたとしても、影の者たちの戦闘力が向上している訳ではない。

 再び空へと駆け出して航大が振るう二本の剣が影を斬り裂いていく。


『何かおかしいよ、航大くんッ』


「おかしいって何がッ!?」


『やっぱりこの影、さっきからずっと数を増やしてる……』


「どういうことだよ……どこから増えてるってんだよ……ッ!」


 航大が影を切り裂く度にそれらは数を減らすどころか増やしている。


 既に数えることすら億劫なほどに影は量産を完了させており、数の有利を生かした怒涛の攻撃を展開している。このままではいずれ航大でも対処しきれなくなることは明白である。


『うーん、これは……一旦、攻撃するのを止めた方がいいかもしれないね』


「はっ? 攻撃するのを止めるってどういうことだよ……ッ!」


『僕たちの攻撃が何かのトリガーになってる可能性が高いよ、コレは』


「攻撃がトリガーって……コイツらが増えてるのは、俺が攻撃しているからってことか……?」


『その可能性が高いってこと。このまま攻撃をしてたら……本当に数で押し負けるよ』


「くっそぉッ……そしたら、他のみんなも……」


『同じような状況に陥ってる可能性が高いね。ここから一番近いのは……』


「ユイだッ! 急ごうッ……!」


 今、航大が戦っている場所から一番近くに存在しているのはユイである。再び英霊をその身に宿した彼女がこの事実を知らないのだとすれば、その戦況は最悪な方向へと転んでしまっているかもしれない。


「……主ッ!」


「ブリュンヒルデッ! 大丈夫か?」


 今まさに移動を開始しようとした瞬間、こちらへ飛んでくる存在を確認することができた。白銀の甲冑ドレスに白髪をポニーテールにした彼女は、その表情を僅かに歪ませて戦線を離脱して来たのだ。理由はおそらく航大と同じような状況に陥ったためだと推測される。


「そっちも同じか……」


「……私の方よりも数が多いな」


 航大と合流したブリュンヒルデは周囲を確認すると、その眉をより一層険しいものへと変える。


「このまま戦っても不利になるだけだ……ここは一旦、引くしかないな……」


「ふむ、私もそれが正しい選択であると判断する」


「ライガたちと合流するぞ」


「目の前の敵はどうする?」


 ライガたちとの距離はそこまで離れてはいない。

 しかし、航大たちの前には無数の影たちが蠢いている。


「――もちろん突破する」


「承知」


 短い言葉のやり取りを終えて互いにすべきことを再認識する。


 地面を蹴って直進する。


 影たちが航大とブリュンヒルデを討つために周囲全方面から一斉に飛びかかってくる。あっという間に航大たちの視界は影に覆い尽くされるのだが、それでも足は止めない。足を止めれば、影が放つ剣の串刺しになってしまうからだ。


 振るわれる剣の切っ先を寸前で躱し、確実に身体を捉える刃はその全てを自らが持つ得物で迎撃していく。


「主、左だッ!」


「ブリュンヒルデ、右から気をつけろッ!」


 互いに助言を与え、混戦と化した戦場を着実に進んでいく。


 目の前を影の剣が通り抜ける、あと一步でも前に進んでいたら剣は航大の脳天を貫いていただろう。一瞬でも気を抜けばそれは『死』へと直結する、そんな緊張感が航大とブリュンヒルデのボルテージを際限なく高めていく。


「切り伏せるッ!」


「私の前を塞ぐなぁッ!」


 自らの道を切り開くために必要最低限の剣を振るう。


 振るう剣は影を切り裂いて道を作る。しかし、それも瞬時に新たな影によって埋め尽くされてしまう。しかし、航大たちの進撃を止めるまでには至らない。


「ライガ、リエルッ、シルヴィアッ!」


「こ、航大ッ!?」


 襲い掛かってくる影たちをやり過ごしながら進むこと少し。

 すぐさまライガたちの姿を発見することが出来た。


 三人もまた航大たちと同じように数多の影に囲まれてしまっている。


「細かい説明は後だッ、地竜を出せるかッ!?」


「当たり前だッ、むしろお前たちを待ってたんだよッ!」


 問いかけに対してライガは航大が最も欲しがっていた答えを返してくれる。


「よし、全員乗り込めぇッ!」


 影たちは更にその数を増やしている。


 満天の星空を埋め尽くす影たちを蹴散らしながら航大たちは地竜と客車へとそれぞれ乗り込んでいく。そして全員が乗り込んだことを確認して、地竜が咆哮を上げるのと同時に猛スピードで夜の草原を駆け出していく。


「うげッ……まだ追ってくるよッ!」


 草原を走りだした航大たちだが、影たちも簡単に見送ってはくれない。

 右から左から、更に上からとあらゆる方向から航大たちを逃さないと飛びかかってくる。



「美しき氷の華、凍てつく世界に咲き誇れ――氷雪結界ッ!」



 迫ってくる無数の影たちに対して魔法を唱えたのは北方の賢者・リエルだった。彼女は両手を合わせて詠唱を終えると、自らを中心としたドーム状の氷結界を展開する。結界の内部はあらゆるものを凍結させるフィールドであり、漆黒の影たちは為す術もなく結界の餌食になる。


「飛ばせ、ライガッ!」


「分かってるよッ!」


 前方の影は地竜が蹴散らし、その他の方向からの敵はリエルの魔法によって撃退する。予想外に総力戦となった戦いであったが、航大たちはなんとか影たちが支配する領域を脱することが出来た。


「このまま南方へ向かうか?」


「いや、あの街に急ごう。影も追っては来ない」


「了解ッ!」


 航大の指示通りに地竜は遥か前方に見える街を目指して進む。

 その街には何も残っていないとしても、やはり航大たちはそこを素通りすることはできなかった。


 しかし、その判断は致命的なまでに間違っていた。

 航大たちはその変えようのない事実をこの後すぐに知ることとなるのであった。

桜葉です。

次回もよろしくお願いします

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