【ソーセージ mari & mari】 〜#9 過去話披露バトル⁈
【長い夜はお酒を共に 過去話披露バトル⁈】
同居中の2人、みずたまりとごみたまりは
夜、部屋でたわいも無い話しながらお酒をちびりちびり
やるのが恒例になっていた。
ごみたは梅酒のロックをひと口含んだ後、こんなエピソードを
話し始めた。
「むかし、アンデスの高地を旅してた時、村の女たちは
ナイキのシューズ履いてiPod片手に畑仕事に汗を流してたワ。
エクセレントカンパニーの商品展開力と流通力の幅広さを
実感したワ〜」
ちなみにこの時のごみたまりは父親から形見にもらった
男物スーツ上下とジェラルミンケース姿だ。アンデスの山奥でも。
そんな過去話を聞いて、負けん気の強いみずたまりは黙って
いられなかった。
「まったまったまった!
あ、あたしだってこないだ高円寺で袴姿で刀差して歩いてた
金髪外人見たわよ。すごいと思わない⁈」
「みずた、無理すること無いのよ、勝ち負けじゃ無いんだから」
「キッチリ写メだって撮ったんだから、音鳴ってバレる前に
逃げたわよ!」
意地っ張りっ。
ごみたは呆れてチョッピリ苦くなったお酒を口にしながら、
「あたし写真は撮らなかったわ。みずたまり、あなたの勝ちね‥‥‥」
へへんだ、と勝ち誇りつつもなんとなくバツの悪い、
相手の方が上とは認めたく無い、みずたまり24歳だった。