バニラクラッシュ7
一緒に廊下に出て別の棟にある食堂に向かうため歩いていると
突然、彼方が思い出したかのように
「そういえば、二宮、お前の所の隊長いるだろう?松風っていう男子生徒が。」「うん、アッキーね。チョーかわいいんだよ。特に夜とかがね♪僕の大事な所を愛おしく呑み込むんだ。ふふふ」
「・・・・おまえの所の親衛隊隊長がここ最近いろんな男に手を出しているらしいが、この松風に対して、様々な親衛隊から苦情が来ているのを知っているか?」「へー、そうなんだ~?そういえば、ここ1か月アッキーと会ってないかも。どんな苦情?」
悠一郎はふと表情を消して無言で続きを促した
「まだ不確定情報だがなんでも、松風に興味が向かない男に媚薬のようなものを使いムリヤリその気にさせるらしい。しかも、この媚薬の副作用が強く、行為に対しての快楽を無理やり引き出すとのことだ。だから、一度この媚薬を使うとふつうでは物足りなくなるからこの媚薬の出所を突き止めて禁止してもらいたいらしい。」
「でもさぁ~、親衛隊が言っているだけでしょ、彼らって生徒会とか風紀にかまってほしいだけなんじゃん?本当に、かなたって真面目さんなんだから♪」
と悠一郎は先ほど、見せた表情とは異なりすぐにいつもの顔に戻って何事もないかのように別の話題に変えた。
世間話をしている間に、二人は食堂の入り口に着いた。
「悠一郎、彼方、珍しい組み合わせだな?一緒に食べていいか?」と背後から野太い声が聞こえた。この声は・・・と振り返ってみるとやはり、風紀委員会、副委員長の西条颯太がスキンヘッドに似合わない顔で小さく腕を振っていた。
彼方が「あれ?そうちゃん1人なんだ~。珍しい。だってさ、いつもいいんちょーと一緒じゃん?」「いつも一緒って分けでもないが、うちの委員長が今朝から連絡取れねんだよ。何してるかわかんねからな。とりあえず食堂に来た。」
話しているうちに人が集まってきて、この三人の会話姿を見ようと立ち止まっている人が多いため、混雑してしまった。そのため三人は急いで食堂内に入った。