バニラクラッシュ6
たった三人なのに、食堂に現れると迫力がすごくて、まぁ俺にとっては別になんともないのだが、、、横に座っている二宮信者は感極まった顔でずっと彼の顔を見ていた。
「はぁー、カッコイイね。会計様達」と俺が言うと「当り前ですよ。彼は至上の存在なのですよ、二宮様以外の役員様は小粒ですからね。」
おお、彼はやはり、二宮以外に敬意を払わない主義みたいだ。
親衛隊は常に優雅でなければならい。ゆえに、常に他人の目を気にしなければならないのだ。例え、昼にお腹がすいていても沢山食べてはいけない。今日の献立はスパゲッティにサラダ、そしてコーヒーだけ。
本当にありえない。ありえないが、ここでは親衛隊はがつがつ食べて品を落とすべからずという不条理な約束が代々伝わっている。
俺たちと生徒会の輩が座っている席は隣同士。隣同士といってもかなり距離が空いているが、俺は、回りの人たちにばれないように、生徒会の人間の食べている様子を恍惚に見ているようなフリをしつつ完食した。他の連中はぜんぜん、食べていない。ずーと彼ら,役員の食べ終わるのを待っている。本当に役職持ちは、こういう時だけは同情するぜ。
生徒会側
「なぁ、かなた、お腹すいたー。」ここは、学園内の最上階であり、権力の中枢をにぎる生徒会の部屋。この豪華絢爛の部屋は、まるでどこかの大企業の応接間のように広々としており、パーティーも行えそうなくらい大きい。そこにクラシック調の家具がセンス良く配置されている。
彼方と呼ばれた男子は振り向き「ああ、そうだな。二宮、食堂に行くか?」と眉を顰めながら返事を返した。「相変わらず、かなたって食堂嫌いだよな~。まぁ、気持ちもわかるへどさぁ~。ハハハ。」とどこか軽い口調で二宮悠一郎は受け答えた。
食堂には多くの飢えた女男学生が多く、周囲は常に自分たちを監視し一挙一動に悲鳴が響き、あまり役員は行きたがらないのだが、この二宮悠一郎は性格が他の役員たちと異なり、積極的に公の場に出る事を好むのだ。彼の性格をよく知る役員たちにとって彼は曲者だと認識されている。
(本当に二宮は変な奴だが、会長と比べるとまだ、顔に出やすく扱いやすいからな。ここは一緒に食堂に行くか、、、、)
「二宮、行こう。会長たちにはメモ書きを置いていこう。」
現在、他の役員は会議や授業の関係上出払っており生徒会室には会計と書記しかおらず、二人で昼ご飯を食べに生徒会室を後にした。