バニラクラッシュ4
廊下ですれ違う生徒たちに挨拶をしながらやっと2年S組の教室に入り俺が「おはようございますぅ。」と可愛い声であいさつすると、回りの男子(数名は変な顔をしたが)も「おはよう。蓮ちゃん」「今日さ、一緒にご飯食べない?」等々、返ってきた。俺の可愛い姿に多くの男子は魅了されているのだ。うん。
自分の席の方に行くと既に取り巻き連中が俺の到着を待っていた。
「おはよぅ。蓮ちゃん」今、話しかけてきたのが同じクラスの一色ソナタ。
ソナタは同じクラスで生徒会会長親衛隊の隊員だ。ソナタは黒髪を肩まで伸ばした大和撫子風の可愛い子ちゃんで俺と違って清楚を素でいっている子だ。
「蓮ちゃん、今日の放課後、ヒマ?」「うん!僕、今日の親衛隊会議の後に時間あるよ!」ソナタは蓮からその返事を聞くと、嬉しそうにほほえんだ。
お昼飯時間になり、会計方親衛隊隊長の松風 明彦が俺を迎えに来ていた。
明彦は生徒会会計である二宮悠一郎様を崇拝しており、彼は熱心に会計様の元に足繁く通っている。
俺にしてみれば、彼の親衛隊は熱狂的で会計が命令したら有言実行するから、あまりお付き合いしたくないところだ。しかし、親衛隊隊長達はお互いが監視するという暗黙の了解があるため、大体、二人以上でご飯を食べなければならないのだ。
そのため、今日は会計方の隊長とご飯を食べる事になっていた。明彦の場合は、必ずお昼ご飯は食堂で食べることが決まっており、今日も俺の教室まで来ていた。
「ふふふ、れーん!今日は私と一緒にご飯を食べる約束でしょ?来ちゃった。」「相変わらずだね。ゆうちゃん。ゆうちゃんは早く会計様のお姿を見たいんだね?」