バニラクラッシュ3
「蓮さま。おはようございます」「連様、今日のご予定はなんですか?」「連さま、今日も可愛いですね。」
透き通るような白い肌、ハニーブラウンの髪に、茶色の大きい目。それを囲むようにびっしり生えているまつげ。まるで雑誌のアイドルのような女の子が彼ら1人1人に返事を返し、優雅に教室に向かっていた。
「はぁ、やっぱり蓮ちゃんいい匂いするな」「本当にね、あれで男だぜ?信じられん」
桜舞う4月、俺、高木蓮が高等部二年に上がり、俺は自身のコンプレックスであった容姿を逆手にとり、見事に外見をこの学園のレベルに持ってくることができたのだ。この4年間、ひたすら弟のその原因を解明すべく外見、性格をゆっくり、しかし、確実に変化させ、謎を追っていた。そんな俺も今年、生徒会会長方親衛隊隊長の座を勝ち取った。
まず、親衛隊というものを紹介したいと思う。
親衛隊とはこの学園独自のシステムであり、崇拝する人間を見守り、そしてときに害を与える人間に注意を与えることができる役職だ。許可をとれば、一人からでも作ることが可能であり、とくに生徒会の各役職の親衛隊は規模が大きく、学園の裏情報が一気に流れこんでくる。それに目を付けた俺は、ひたすら、生徒会会長方の隊長を目指し、努力した。
親衛隊は単なる性欲処理だと勘違いされることが多いが、実際には違う。俺の場合は男同士というものに抵抗があったし、誘われても、会長一筋と言えば、ほとんどの男は諦めてくれた。
そんな中で親衛隊隊長になるためには、もちろん、知力、財力、才能など高いレベルが必須だがそれと同時に対人能力、情報戦略など様々な能力が要求される。俺はそれらを見事パスし、先輩から隊長に指名されるのだ。