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バニラクラッシュ1

白い壁、白いベッドそして鼻につく消毒の匂い。


僕の弟、高木北斗たかぎほくとが学校の屋上から転落したと聞いて、僕は授業を早退し保健室の先生と一緒に北斗が緊急搬送された病院に駆け込んだ。






僕の通っている東雲学園は少し特殊な学校で、小・中・高の一貫教育をうたっており大学進学もほぼ100%。無駄のない学習、効率のよいカリキュラムが受けているらしい。

またこの学園に入学してくるものは、政治家、財閥、華族など他の学校とは異なり上流階級のご子息ばかりなのだ。おのずと学園の寄付金が上乗せされているようだ。しかしながら、この学園の設立は大正時代までさかのぼることができ、昔からの伝統に従い入学が男子のみしか、許されないのだ。

まぁ、保護者からしてみれば、在学中に異性と遊んで、へんな虫がつくよりかはまし。だという意見から、このままなのだろう。このような環境下、学園には自然と可愛い系、カッコイイ系など同性を崇拝するやからが多いのだ。不細工よりもカッコイイほうがこの学園で生き抜くうえで大事なことなのだ。




学園から市内の病院まで車で4時間。授業を早退したといっても、病院に着いたのは夕方6時。北斗の顔は青白く、痛々しいほど包帯が巻かれていた。北斗は僕と似て、体格が小さくよく周りからちょっかいをだされていた。でも、それは小動物を可愛がるのに似ているものだと思っていた。僕は小等部6年でありましてや、北斗はまだ小等部4年だ。

僕は、もっと、弟の顔を近くで見ようと顔を近づけた瞬間、バニラのようなムスクの不思議な匂いがした。

いつもはこんな匂いなんてしないのにと僕は疑問に思いながらも、後で来た母親と一緒に北斗の容体に関してに医者の話を聞いていた。



後で思えば、この匂いについて医者や母親に話せばといつも後悔している。




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