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私の空

夢を見る


高い高いところから逃げるために小さな小鳥の羽を集め、より合わせ


大きな羽を作り、それを糸と近くにあったろうそくで一つの翼を作った。


どうしても一つしか作れず、私は涙を流した。


「ああ、小鳥さん。どうか私にあなたの羽をいただけませんか?」


どこからかやってくる小鳥さんに頼んでは少しずつ集めた。


そして、とうとう私は二対の翼を手に入れた。


私は意気揚々と空へと踏み出した。


初めて飛ぶ空はとても広く孤独だった。


そして、私の周りには羽をくれたたくさんの小鳥たちがいた。


どこまでもとべそうな温かさと風の冷たさが心に沁みる


私はもっと高く高く飛ぶ。


すると上から私と同じように羽と糸とろうそくでできた翼を持った人がゆっくり落ちてくる。


その人の翼はひどく歪み、ろうは変形し固まっていた。


その人が私を見る目がなぜか後悔と嫉妬に見えた。


その人が落ちていき小鳥たちも数羽追いかけていく。


私はその姿に恐怖と興奮を覚えていた。


あの人はどこまで飛んだのだろうか?


私はあの太陽に触れることが出来るのか、それだけが心を満たした。


そして結局、私は太陽に届きはしなかった。


あきらめたのだ。


あの人のようになることが


挑戦することが


努力することが


どうしてもできなかったのだ


そして、私は永遠に飛び続ける


小鳥たちも同じ翼をもつ人たちも


私の翼が折れるまで









そして、私は今日も目覚めた。


頬につたう、涙に気付くことなく

小鳥がくれた羽は「知識」「経験」「愛情」そして「夢」「希望」など

糸は自分の生きてきた時間

ロウソクはみずからの意思や信念


羽は気付かないうちに無くしたり、摩耗していく

糸は生きてるかぎり

ロウソクは心の持ちようで変わる。


常に新しい羽を求め、古い羽を慈しみ。

長い糸を紡ぎ

とけることのないロウソクであなたには空を飛び

私はあきらめてしまった太陽に触れて欲しい

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