もう、うんざりだ
悲しい程に切ない話
今日、テストが返ってきた。クラスのみんなは、ガヤガヤと点数を見せ合っている。僕は点数を見る事さえ出来なかった。いや、見るまでもなかった。
クラスメートが、僕の点数を聞いてくる。言えない、言いたくない僕の答案用紙を無理矢理奪い取った。
「お前……。このままじゃ、進学どころか進級すらも危ういんじゃねぇ?」
心ないクラスメートが追い討ちをかける。僕は黙ったまま、俯く事しか出来なかった。
下校の途中で大きな下り坂がある。僕は……自転車のハンドルから手を離すと……目を閉じた。
「みんな……バイバイ………」
もっと違った未来が、もっと違った選択が、僕には……あったのだろうか………。