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短編「ドアマットヒロイン、復讐の前菜」の世界観を膨らませ、後日談も含めた連載です。
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短編はダイジェスト版という感じなので、読まなくても大丈夫です。
スピード感がある方が良い場合は、短編へ。
二百年前に現地民を征服して建てた国がありました。
征服者たちは魔力という強大な武力を持ち、元から土地に住んでいた者たちは初めて見る魔法に圧倒されたのです。
当時の王族は皆殺し、先住民の貴族たちは平民か奴隷に落とされました。
そうして、平民が貴族になるのは御法度とされました。
平民を貴族の養子にするなど、もってのほか。国家反逆罪とまで言われてしまいます。
支配する者と支配される者が、絶対に逆転しないように。
征服者たちは細心の注意を払って、奪い取った権益を守ろうとしています。
そもそも、この土地を征服したのは、別の大陸の王族でした。
側室が生んだ第一王子と正室が生んだ第二王子の間で、後継者争いが激化します。
敗れた第二王子の派閥は、揃って国を飛び出しました。
追い出されたのか、逃げ出したのか、国を見捨てたのか……正史には残されていません。
ただ、正室の血筋であり「正当な王」であるという矜持が、絶対の価値観としてこの王家を支えていました。
この国の貴族はパシャと呼ばれています。
上位貴族が「三尾のパシャ」、中位貴族が「二尾のパシャ」、下位貴族が「一尾のパシャ」。
馬が名誉と財産を表すため、尻尾の数が多いほど良いのです。
そんな状況ではありますが、月日が経てば建国の理念など薄れていくもので……。




