招かれる者
マンションの前
私 (さて)
後ろを見る
2匹の猫はさと当然かのように後ろを着いてきていた
私 (本当にどうしようか)
二匹の猫はこちらをじっと見ている
私「本当に来る?」
言葉が通じるわけが無い
それでも聞く
猫は鳴かずこちらを見続けていた
私 (来たらそれはそれでか)
前を向いてエレベーターに乗る
2匹の猫はやはり着いてきていた
部屋の前に着く
私 「やっぱ来たか」
扉の前で着いてきていた二匹に向かってしゃがむ
私 (どうしようかな…)
黒猫 「ニャ」
私「本当に来るのか?」
私 (ただでさえ今ゴミ部屋なのに)
そう聞くと黒猫はこちらを見続け白猫は扉をカリカリと爪とぎするかのように擦る
私 (腹くくるか)
私「今ゴミ部屋だしなんも無いから」
そう言って扉を開ける
私 (さすがに今日は掃除の日だな)
黒猫と白猫は私が部屋に入ると同じように部屋に入る
私 (買い物の前に最低限買い出しするか)
キッチンに向かう
私 (あと冷蔵庫に猫たちのミルクとか入れるスペース作らなきゃだしやること増えたな)
冷蔵庫に買い出しをしたものを入れる
私 (ん?考えが飼う前提になってるな)
冷蔵庫にミルクを入れて冷蔵庫を閉める
私 (この二匹は本当にここに居たいのかな)
リビングに向かう
二匹は机の上で毛繕いをしていた
私 (少し試してみるか)
黒猫に両手を伸ばす
黒猫はこちらをじっと見る
私 「少し抱っこさせてね」
黒猫を抱き抱える
黒猫は暴れることなくあっさり抱き抱えられる
私 (もし出ていったらその時はその時で)
玄関に向かう
白猫も私の後ろに着いてくる
玄関の扉を開けて黒猫を外に置く
私「どこにいてもいいんだよ」
通じるわけのない問いを投げかける
そう言うと黒猫は部屋に戻ってくる
私「そっか」
私 (腹くくるか)
玄関を閉めて二匹の前でしゃがむ
私 「ここに住む?」
黒猫、白猫「ニャ」
問いかけるとまるで通じてるかのように二匹が一緒に鳴く
私 (まるで会話ができてるようだな)
自然と口角が上がる
私 「とりあえずここにいるならお風呂に入らないとね」
浴室まで行く
二匹は着いてくる
ここまで喋ったのはいつぶりだろうか
最低限しかこれまで喋ってこなかった
私の今日の口数はいつにもなく多くて
それがなんだか気持ちよかった