首を突っ込む男
路地裏に入る
人が横に4人並びで歩けるくらいの広さの道だった
私 (まだいるよな)
路地裏を進む
私 (これだけ買って無駄足ならさすがにキレるぞ全く)
30秒ほど歩いた時に足元から声がする
猫「ニャー」
私 (いたか)
2匹ともそこにいた
私 「とりあえず飲め」
皿に猫用ミルクと餌をそれぞれ入れて置く
2匹はヨタヨタと力無く皿の方に歩いてミルクを飲む
私 (とりあえず飲む気力はあったか)
猫を見る
1匹は真っ黒の猫でもう1匹は毛の色は白に見えるが汚れやすすなどで汚らしい色になっていた
私 (ずっとここにいたのかな)
2匹の猫は一心不乱にミルクを飲んでいる
私 (餌はまだ体力的に無理かな)
路地裏に座って色々調べる
私 (この二匹は捨て猫なのかな)
辺りを見回す
ダンボールなどはなかった
私 「ふぁあ」
あくびが出る
私 (つーか私飯食ってねぇじゃん)
「ニャー」「ニャー」
私 (ん?)
2匹の猫の鳴き声でスマホから目を離す
私 (まじか)
ミルクと餌がすっからかんになっていた
私 (あんだけやられてたのによくここまで食べれたな)
黒猫「ニャー」
黒猫がミルクの入っていた器を叩く
私「おかわりはないよ」
黒猫「ニャー」
黒猫は変わらず器を叩く
私 (食い意地張ってるな)
私 「はぁ 今買ってくるから待ってな」
立ち上がってコンビニに向かう
黒猫、白猫「ニャー」
コンビニに向かって歩くと2匹は後ろを着いてくる
私 「ここで待っててな」
後ろを向いて2匹に言ってから再び向かう
黒猫、白猫 「ニャー」
歩いて後ろをむく
2匹はやはり着いてきていた
私 (どうしよ)
2匹の方を見るとこちらを見ていた
私 (コンビニって猫ダメだよな…)
私「はぁ」
ため息をついてコンビニに向かう
黒猫、白猫「ニャー」
コンビニに着いて入る
「いらっしゃ…」
店員がこちらを向いて目を見開く
「お客様すいません、ペットはちょっと…」
私 (やっぱ着いてくるか)
後ろを見る
2匹はコンビニに入っても着いてきていた
私「あー、すいません。ちょっとどうしても着いてきちゃってて」
「そうですか ですがペットはやはり」
私「あー、外で待ってるのでもし良かったら店員さんが買ってくれませんか?本当に申し訳ないです」
そう言うと店員は怪訝そうな顔をする
「まあ…それなら」
私「申し訳ないです これお金と欲しいものです」
現金と手早く猫用品、食料をスマホのメモアプリに打ち込みスマホを店員に渡す
「これですね 少々お待ちください」
私「本当に申し訳ないです」
何度謝ったか分からないが再び謝る
コンビニの横に行き、しゃがんで2匹の猫の方を向く
私「コンビニに君らのせいで入れなかったんだけど」
言葉は通じるわけないが怒りの矛先を向ける
黒猫「ニャー」
黒猫は何の気なしに鳴き、白猫は毛繕いをしている
私 「はぁ」
私 (生意気な子達だ)
ため息をついて立ち上がる
私 (無事でなによりではあるけど本当にどうしようか)
2匹の猫を見る
首輪などはなく、飼い猫では無いと考える
私 (飼い猫ならあんなになるまで痩せこけるわけないし野良か捨て猫か)
白猫は足元で毛繕いして黒猫はその場で佇んでいた
私 (人間慣れしてるのかな)
「お客様ー」
しばらく観察していると店員の声とガサガサという袋の音が聞こえる
私 「すいません助かりました」
「こちら商品とお釣りとスマホです」
店員に預けていたものを返してもらう
私 「ありがとうございます助かりました」
「いえいえ にしても随分人懐っこい子ですね」
私「あー」
私 (なんて言おうか考えてなかったな)
私「親戚の猫を飼うことになってなので人間慣れしてるのかもですね」
「なるほどだから人懐っこいんですね」
私「ですね ではこの辺で」
私 (このままいたら悪いことしてないけどぼろでそう)
「では」
店員がコンビニに戻る
私 (とりあえず路地裏でまた餌やりするか)
路地裏に向かって歩き出す
2匹の猫は私の後ろを着いて歩く