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朝食時

20分ほどして


いい匂いがする


私 (肉のやける匂い?)


椅子に座ったまま考える


私 (肉って買ったっけ?)


あまり肉は買わないようにしている


管理が大変であり


調理する際に慎重にならなければならないから


アンナ 「ご飯出来ましたよ」


しばらくするとアンナがご飯を持ってくる


私 「ありがとう」


椅子から立ち上がる


少しふらついたが何とか動けた


私 「あ、なるほど」


パンと目玉焼きとハムがさらに並んでいた


アンナ 「え?」


アンナはテーブルに皿を置く際


驚いたようにこちらを見る


私 「あ、ごめんこっちの考え事」


アンナ 「何考えてたんですか?」


私 「冷蔵庫に肉なかったよなって思ってて」


コハク 「あー、私昨日散歩ついでに買ってきたんだよね」


スーツ姿のコハクが風呂場から出てくる


私 「あー お金は?」


そういうとコハクは目を逸らす


私 「コハク?」


コハク 「ゴメンナサイ」


目を逸らしたまま気をつけの姿勢をとる


私 「私の財布から出した?」


コハク 「ハイ」


コハクはカタコトで言う


私 「まぁ、盗んだり偽札使ったりしてないからまだいいけど」


アンナ 「いや、私たち流石にそこまではしませんよ?」


アンナとコハクは机の前に座る


私 「さすがに犯罪行為されたら困るからね」


私は話しながら箸を並べる


コハク 「お小遣い欲しいー」


ねだるような声でこっちを見る


私 「バイト3人でする?」


コハク 「あり!」


アンナ 「いいですけどご主人と一緒がいいです」


コハク 「あ、私も」


私 「またムズいことを」


食事の準備が終わる


私 「とりあえず食べようか」


コハク 「うん」


私、アンナ、コハク「いただきます」


手を合わせてから食べ始める


ハムと目玉焼きをパンに乗せて食べる


私 (うま)


めちゃくちゃ美味しかった


私 「美味しいわ」


アンナ 「良かったです」


コハク 「意外にアンナって家事できるんだよね」


アンナ 「いや、コハクもできますよね?」


コハク 「私たまに焦がしたりとか色々やらかすからね」


私 (私はそもそも家事能力がないんだよな)


黙っておく


アンナ 「今日は大学の後は買い出しですか?」


私 「そうだねさすがに物が足りないから行こうかな」


私 (金いくら飛ぶかな)


コハク 「私たちどのくらい小物買っていい?」


私 「んー」


私 (どうしようかな)


最低限揃えるのは今買えばいい


しかし2人を完全に養うのは不可能だ


金が足りないしこれからの費用も足りない


私 (私がバイトするのは確定って考えたら)


私 「とりあえず暫くは最低限かな」


コハク 「なら、お兄さんにこれ欲しいってメールで送って許可制にする?」


私 「そうだね」


アンナ 「さすがに下着とか女性物に関しては」


私 「それは任せる」


私 (さすがにそこに干渉はできないしな)


コハク 「というか今日だけで荷物やばそう」


コハクはむーっとした表情をする


私 「今回の買い出しはしょうがないよ」


私 (さすがに宅配使えそうなら使うか?いや、それならネット通販で買えばいいしな)


朝食を食べながら考える


アンナ 「大学そろそろですよね?」


私 「うん」


アンナ 「なら私着替えてきますね」


アンナは一足先に食べ終えて風呂場に行く


私 「ていうかスーツって昨日洗ったの?」


コハク 「あー、予備ないし少し力を使ったよ」


私 「なるほど なんでも出来るんだ」


コハク 「まぁ、一応?」


朝食を食べ終わる


私 「ご馳走様でした」


コハク 「お粗末さまでした」


私 「皿洗ってくるね」


コハク 「私も行く」


私とコハクは立ち上がる


そして2人で食器を持ってキッチンに向かう


コハク 「美味しかったでしょ」


私 「ちゃんと美味しかったわ」


食器を洗う私にコハクは話す


コハク 「本当は塩コショウあったら良かったんだけどね」


私 「調味料揃えてないからなー」


コハク 「あ、今日揃えるから平気だよ」


私 「んー」


コハク 「買うからね」


後ろから強く言われる


私 「わかったよ」


私 (今日何万飛ぶのかな)


心の中で涙を流す


コハク 「あ、お兄さんこれ泡流しきれてない」


食器置き場に置いた食器を再び渡される


私 「あ、ごめん」


コハク 「謝んなくていいよ?」


受け取って再び流す


私 (洗い物とかこれまでやんなかったな)


たまにやるが途中でだるくなる


そして紙コップや紙皿に手を出していた時もある


私 (まぁ、アンナとコハクにそれをするわけにいかないか)


今はまだいい


私 (疲れた時が怖いな)


どこかで飽きたり折れて


できなくなった時


そういう時にコハクとアンナは何を思うか


私 (失望かな)


悪い考えが浮かぶ


頭の中でぐるぐると回る


コハク 「お兄さん」


私 「ん?」


コハクは後ろから顔を覗き込む


コハク 「今ダメなこと考えてたでしょ」


コハクはこちらを見て言う


私 「少しね」


目を逸らして答える


コハク 「そかそか」


コハクはまた少し後ろに立つ


私 「バレてた?」


コハク 「顔が落ち込んでるというか死んでたからね」


私 「そんなに顔に出てた?」


スポンジを水で洗う


洗い物を終えた


コハク 「わかりやすいよ?」


コハクは食器置き場を見てから隣に立つ


私 「なんかたまに不安になってね」


冷蔵庫からお茶を取り出す


コハク 「うん」


私 「多分まだ怖いんだと思う」


コハク 「怖いか」


コハクはコップを2個差し出す


私 「コハクとアンナはどの立場にいたい?」


コハク 「立場?」


コップを受け取ってお茶を入れる


私 「いや、コハクとアンナなら私を言い方難しいけど無理やり抑えることもできるのにご主人とか立場を下にする時もあるしわがまま言う時もあるし」


コハク 「あー」


私とコハクはお茶を飲む


私 「なんというか歪というか変だなーって」


コハク 「んー 歪だね」


私 「歪か」


コハク 「多分私たちもわかんない」


コハクは微笑みながら話す


コハク 「お兄さんに甘えたいし甘えられたいし昨日みたいにお兄さんをドキドキさせたいしドキドキさせられるのもいいしお兄さんをダメにして甘やかしたいし自立というか自分でできるように生きて欲しいし」


早口で話す


コハク 「救われたいし救いたいし私たちもわかんないんだよね」


私 「わかんないか」


コハク 「あ、でも私たちは逃げないし逃げられたくはないかな それははっきりしてる」


コハクは力が入った声で話す


両手でコップを持って可愛らしいポーズ


しかしコハクの目は鋭く


しっかりと私を見て言う


コハク 「結局お兄さんに救われて一緒にいたいかなーって思う」


私 「そっか」


返す言葉が分からない


だから短く返す


カラン


コップの中の氷が溶けた音が鳴る


コハク 「まぁ、受け入れられたのが始めてて私たちも戸惑ってるのはあるかも だからお兄さんに逃げられないように色々してるし」


私 「逃げたとて逃げ切れる自信が無いけどね」


コハク 「そう?多分お兄さんが本気で拒絶したら私たちは引き下がるよ?」


私 「拒絶なー」


拒絶をする


それは貰った何かが空っぽになる


また前に戻ってしまうことを意味している


私 「嫌だな」


ポロッと口から出る


私 「あ」


口を塞ぐ


コハクは目を細めてニヤッと笑う


その目は少し鋭く


微笑ましくものを見るようにも


獲物を捉える狩人の目にも見えた


コハク 「良かった」


私 「あー うん」


目を再び逸らす


私 「少なくともコハクとアンナがいて良かったというか離れるのは嫌だなって今は思うよ」


コハク 「なら色々した甲斐が有るよ」


私 「ただ、金くすねたのはもうやだかな」


コハク 「それはごめん」


コップをキッチン台に置く


コハクも同じように


コハク 「お兄さん」


私 「ん?」


コハクはこちらを見て言う


コハク 「私たちお兄さんに救われてよかったよ?だから」


抱きつかれる


そして耳元で


コハク 「何回も言うけど私たちは逃げないし逃がさないから覚悟してね」


コハクの言葉が耳の中で反響する


少し低い声で


はっきりと頭の中に残すように言う


ゾワゾワとした感覚が体に走る


コハク 「大学行こっか」


コハクは私を離す


私 「うん」


顔が再び暑くなる


私 (慣れないな本当に)


リビングに向かう


アンナ 「おかえりなさい」


リビングでは黒スーツ姿のアンナがテレビを見ていた


コハク 「ただいまー」


アンナ 「長々と話してましたね」


コハク 「お兄さんと話すの楽しいからね」


アンナ 「分かりますけど本当に時間やばいですよ?」


私 「そろそろ行こうか」


アンナ 「ですね」


教材とスマホと財布をカバンに入れて玄関に向かう


アンナ 「というかカバンボロボロですね」


私 「昔から使ってるからね」


カバンを見る


中学から使っていたからかなりボロボロだ


アンナ 「買い換えよ?私たち選ぶよ」


私 「まぁ、値段次第かな」


靴を履いて玄関を出る


そして話しながら大学に3人で向かった


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