緻密に、大胆に
アイスを食べ終わって
私はパソコンとにらめっこをしていた
アンナはベットの上で
コハクは床に寝っ転がって
部屋でダラダラとしていた
私 (契約できるっちゃできるけど思ったより面倒くさいな)
想定ではできないと思っていた
しかし調べると契約はできる
ただ、手続きが面倒くさかった
私 (幸い私の名義で良かったからまだいいや)
アンナとコハクの名義が必要ならと思うとゾッとする
私 (ただ、アンナとコハクの戸籍とか諸々も考えなきゃなんだよな)
コハク 「調子どうー?」
後ろからコハクがのしかかる
私 「一応契約できそう」
私 (重い)
コハク 「なら良かった」
後ろから抱きつかれる
あすなろ抱きみたいな構図になる
コハク 「ねー」
私 「んー?」
コハク 「バイトとかしないの?」
私 「したくないなーと思うけどしないとなーとも思うよ」
パソコンを見ながら答える
コハク 「そうだよね」
頬を引っ張られる
私 「いひゃい」
コハク 「いや、お兄さんあんま構ってくれないから」
私 「いまやることやっへるからまっへ」
頬を引っ張られてるからか
上手く話せない
コハク 「むー」
コハクは不満そうな声を出す
私 (眠いな)
時計を見る
既に12時を回っていた
私 (スマホ関係だけ終わらせて寝ようかな)
コハク 「お兄さん少し椅子後ろに下げて?」
私「ん?」
言われた通り2歩ほど下げる
コハク 「あ、そのくらいでいいよ」
コハクは私の膝の上に座る
私 「ちょ」
コハク 「んー?これまでよくお兄さんの膝の上乗ってたじゃん」
私 「前見えないんだけど」
私 (それに匂いとか感触とかやばい)
コハク 「あー そうか見えないのか」
声はどこかウキウキとしたような
楽しんでいる声がする
私 「からかってる?」
コハク 「いやー?」
ワクワクとした弾むような
楽しんでいる声
私 「そっか」
後ろからコハクを抱きしめる
コハク 「ぇ?」
さらに強く後ろから抱きしめる
コハク 「ぁぇ?お兄さん?」
コハクは動揺をした声で話す
私 「んー?」
コハク 「な?へ?」
私 (コハク意外に動揺してるな)
後ろからしばらく抱き続ける
最初は動揺した声でコハクはこちらに話していた
しかし徐々に身を捩らせて抜け出そうとしていた
コハク 「お兄さんやりすぎたのは認めるから」
だんだん声に力が入らなくなる
それでも後ろから抱きしめ続ける
私 (コハクいい匂いだな)
コハクの両手は私の手を掴む
抵抗をしているようで
しかし力は入っていなかった
私 (もっといじめたくなるな)
コハク 「ちょ、ごめんってギブギブ」
焦った声をする
私 「あんなにからかっておいて?」
コハク 「いや、ごめんじゃん」
コハクは耳を赤く染めていた
よく見ると顔も赤くなっている
アンナ 「ご主人そこそこにしてくださいねー?」
後ろを見る
アンナは漫画をうつ伏せで読んでいた
足をプラプラとしている
コハク 「ちょ、アンナお兄さん止めてよ」
コハクは助けをアンナに求める
アンナ 「いや、ご主人からかったのはコハクでしょう?諦めてご主人に揉まれてください」
コハク 「揉まっ!?」
私 「揉むまではしないよ!?」
コハクと私は焦ったように声を出す
アンナ 「あ、揉まないんですね」
アンナは漫画に目を落とす
私はパソコンに向き直る
しかしコハクが私の膝に座っていて画面は見えなかった
コハクは今も力無く腕を掴んでくる
私 「コハク」
コハク 「お兄さんなに?」
私 「もう少しだけ抱きついててもいい?」
コハク 「っ」
数秒コハクは黙る
コハク 「お兄さんならいいですよ」
声は小さく
それでもコハクは許す
私 「抱きつかれるの嫌?」
コハク 「嫌じゃないよ」
はっきり否定する
コハク 「恥ずかしいだけだから」
私 「なら良かった」
私 (本当に嫌ならすぐ離れなきゃだし)
コハクやアンナが抱きつくことはあった
しかしこちらから抱きついたり
ボディーランゲージを嫌うなら話は違っていた
しかしコハクは嫌ではないと言った
私 (あったかい)
しばらくコハクを後ろから抱く
最初は腕を手で掴んで抵抗していたが
コハクの手がだらりと下りる
コハク 「ハァ…ハァ」
コハクからは呼吸音だけがする
それと心臓の音
トクントクンと
少し早い心臓の音
私 (コハクって妖怪だけどこうして心臓の音聞くと人間にしか思えなくなるな)
心臓の音を意識する
私 (アンナと眠った時も落ち着いてたけどコハクと居てもなんか落ち着くな)
ぼーっとする
意識を心臓の音に向けたからか
徐々にコハクの心臓の音が早くなる
コハク 「お兄さんまだ?」
か細い声で
コハクは問いかける
私 「まだかな」
私 (もう少しハグしてたい)
コハク 「ぅぁー」
小さくうめき声を上げる
私 「だめ?」
小さく囁く
コハク 「いや、ダメじゃない」
私 「ならもう少し」
コハク 「ぅー」
コハクの心臓の音が早くなる
もう少しこの感覚を楽しんでいたかった
私 (安心する)
これまで味わったことの無い間隔
警戒して諦めていたからか
家族から受け取るべきものを受け取ってこなかったからか
今はコハクに甘えていたかった
私 (けど甘えすぎたら嫌われるかな」
コハク 「ならないよ」
私 「え?」
コハクはこちらの方を向いていた
コハク 「甘やかすから」
コハクは体の向きをこちらに帰る
いつに座っている私に女の子座りで座る
私 (声に出てたか)
目の前にコハクの首がある
コハク 「お兄さんのこと嫌いにならないからね」
そう言って私を抱きしめる
普通のハグよりくっつく距離が近く
互いの心臓の音がより聞こえる
私 「うん」
コハクを抱きしめ返す
私 (あったか)
コハクの体温はやはり高い
私 (落ち着くな)
しばらく抱き合う
コハク 「よしよし」
頭を撫でられる
私 「っ」
抱きしめる力が強くなる
慣れていないからか
反射でなのか
アンナ 「ご主人撫でられ慣れてないですね」
後ろからアンナが声をかける
私 「あんまりね」
コハク 「ならいっぱいするね」
コハクに撫でられる
耳元でのコハクの声がよく響く
コハク 「よしよし」
体を抱きしめられて
頭を撫でられる
アンナ 「私も一緒にしていいです?」
コハク 「えー、今日一緒に寝てたじゃん」
アンナ 「っ」
悔しそうな声を出す
意識がぼーっとしてくる
何回覚醒と安堵を繰り返したか分からない
私 (寝ちゃいそうでやば)
頑張って意識を覚ます
しかしウトウトとしてしまう
目を閉じる
そしてあっさりと意識が落ちる




