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教室の窓を割ってみたくなったんだ。
俺はそういう奴だった。
読書感想文は最低5枚書かなきゃならないとしたら、4枚半は埋めて出した。
通学のために使う電車は、常に一本早いやつに乗ってた。
学校で掃除しなきゃならない時は、全ての箇所を掃除し終えたあと
、時間が余っていても、とりあえず箒でそこらを掃いてた。
長期休みの宿題は最終日に夜通しやって、翌日無理矢理出してた。
号令の時、自分だけ大きくありがとうございますとかおはようございますって言ってた。
誰も手をあげない授業で率先して手を挙げてた。
授業中、寝ないし話さないし話をちゃんと頷きつつ聞いてた。
しんどいけど、ハキハキ喋ってた。
とにかく、笑ってやり過ごしてた。
つまり、俺はそういう奴だった。
席に座ってる時、ふと目に入った窓ガラスを叩き割るまでは。