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第4話 黄泉の国の姫と今泉の一族の行くさきは……

第4話 黄泉の国の姫と今泉の一族の行くさきは……


 俺は朝妹に起こされた。 そして妹は昨日の夕方に死んだはずの両親を喰らっていた。 昨日俺が見たのは何だったんだ……。 もう美咲も死んでいるはずなのに……。


 昨日話した通り近くの駅で凪沙さんと俺は待ち合わせをして、対魔の神社と有名な神社に向かうことにしたのだ。

神社に向かう途中の電車で

 「それにしても護道君ひどい顔色だけど大丈夫? 何かあったの?」

「昨日家に帰ったら美咲が死んだはずの両親を喰らっていた。 今日も美咲に起こされたけど生きた心地がしなかったんだ」


 そして俺と凪沙さんは電車とバスを乗り継ぎ神社の境内に足を踏み入れたのであった。「いい空気だね凪沙さん」

「それはここが神域だからよ。 護道君は呪われていたからここの空気が新鮮に感じるのよ」

 ふたりは境内の階段を上り、神社の本堂の裏に通されたのだった。

 凪沙さんが予約を入れていてくれたので、 神社の神主さんが応対してくれて、御神木を囲う形に祭壇が用意され、小忌衣おみごろもを付けるように言われ、しばらく待つと神主さんが祝詞のりとを奏上しました。 

 神主さんが鎮魂詞いのりのことばを奏上し始めると、神主さんから突然「がふっ」と声が聞こえ血を吐いて倒れてしまったのでした。

 そして、御神木の注連縄が『ブチッ』ッと音と共に引きちぎれ、いつの間にか御神木の葉がすべて腐り落ちドシンッと音と共に倒れて炎上したのでした。

 

どこからもなく声が聞こえ

「そんなんじゃわたくしを祓うことなんてできないですよ」

 音もなく妹の美咲の姿が現われたのでした。そして美咲は倒れた神主さんを抜き手で背中を貫き心臓を取り出し貪り喰い始めたのでした。

「妾を祓うつもりだったのか……無駄なことを妾の呪いは末代まで祟ると申したとおり今泉の血が絶えるまで続くものじゃぞ、そして沙羅の末裔の貴方もね」


 気がつくと境内全体に火が回り厄払いの神社と呼ばれている社は燃え尽きつつあったのでした。

美咲の姿をしたモノが護道と凪沙の元にゆっくりと歩み始めたのだ。

「凪沙さん逃げてください」

 俺は凪沙さんをかばう形で前に出るが足がガクガク震えているのは隠しようがなかった。 美咲の姿をしたモノが突然もだえ始めたのだ。

「お前は妾の邪魔をするのか……美咲よ」

「お兄ちゃん。最後のお願い、咲姫の遺体を弔ってあげて」

  気がつくと美咲の姿をしたモノの姿はなくなっていた。


しばらくの間ふたりは倒れて意識を失っていたのでした。


ふと俺は闇の中でふたりの武者が話しているのを聞いたのだ

「俺はいつ成仏できるのだ……」

「源氏の血を根絶やしにするまでだ」

「義経公。 頼朝公は貴方が亡くなってすぐに一族は滅びてしまったのです」

「政輝お前はいつ俺に口出しできるようになったのだ!」


 

 闇の中でいつの間にか義経公の怨念はいなくなっていた。。

「お前は護之の末裔か? 咲姫と義経公の怨念が融合して手が付けられなくなっているんだ。 先祖として頼む。咲姫を成仏させてやってくれ」

   

 

「美咲? 咲姫の遺体って……。 凪沙さん今泉に戻りましょう」 

「わかったわ」

 そして電車で戻り今泉の郷を、護道の記憶をたどって、かつて今泉氏が納めていた集落の崖下に今もな姫装束の白骨死体があったのだ。

「これが咲姫の遺体……」

 ふたりはなんとかそれを運び出し近くで火葬して墓を作り弔ったのでした。


 それから美咲も咲姫も出てこなくなったのでした。


 15年後 

 護道と凪沙は結婚して双子の小学生の兄と妹が生まれたのでした。

 小さな幸せの中護道と凪沙が寝た夜。

「お兄ちゃん起きて……」どこからもなく声が聞こえたのでした。


 そして次の日、護道と凪沙は包丁が100以上刺された遺体として発見されたのでした

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