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フロウラの末裔(構想)  作者: みっつっつ
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第2章 チューブ列車 6


 コォーーーー

 右手から音が近づいて来る。

 光が接近して来るの見えた。どんどん近付く。

 ヴヴヴゥーーー。

 速度がグッと落ちたな、と思ったら目の前に長い筒が滑り込んで来て止まった。

 あたい達の前の間仕切りと筒の壁が、左右に引き込まれるように3メル幅で開いた。

 アリスが両手を広げてとうせんぼをしている。乗ると連れていかれるのかな?


 筒の中は明るく広い。高さも3メル近くあって馬車も余裕で入れるねー。

 おっとあたいの口が開けっぱだ。見るとガルツも、あれパックもだ。


「口に虫が飛び込むよー」


「「虫なんかいないだろ」」


 いいツッコミが返ってきたーっと頬が緩むころ、(あきら)めたのか壁がニューっと閉じた。なんでかどこにも継ぎ目が見えない。

 ヴヴゥーーーーー

 筒が左へ動き出しあっという間に見えなくなった。遠ざかる音もすぐに消え、かすかな風の音が残った。


 さっきアリスが触った壁を照らしてみるが周りと区別がつかない。上に四角い蓋が開いてるからここかなーって感じだ。あたいが触ると同じようにボーッと丸い絵が出て来る。

 これ、ポチッとやったらまたすぐ来るのかなー?

 しないけどー。


 1メル右へ行って同じように壁に触ってみるがここには出ないねー。何箇所かやってみたけどやっぱりあそこだけだー。曲がり角から1メル。曲がり角は向こうにもあるねー。やってみよー。

 こっちはダメだったー。ふーん?

 戻ると上の蓋は閉まってたけど、ここも継ぎ目が見えないねー。

 とっても変なとこだってのはよく分かったよー。

「アリスー、どうやってあの蓋見つけたのー」


「マノさんの目だよ。デンジーバー?を見て、スイソクガゾ?を目に描いてくれるみたい」


「「「なんだそりゃ?」」」


「あたしも分かんなーい」


「アリスが見えるんならいいだろう。さて、呼び方は分かったな。あとはこの絵の11個のどこへ行こうか、だな。なんかヒントみたいなのはないのか?パックは何かしらないか?」


「僕が来た時は、どこにも止まらずに2ハワーかかったと思う」


「どこから乗ったのかは?」


「全然分からない。この記号も見たことがないし」


「アリスはどうだ?」


「2ハワーだと3つか4つだって。パック、どっちから来たか覚えてる?」


「確か………左かな……こう走って来て、右の方が開いたと思う」


「ふーん。ぐるっと一周出来るとして、6から8ハワーかかるってか。退屈で死ぬな。広いったって100メルしかないんじゃ見るとこもない」


「「ソレハソーカモー」」


「アリス、他に何か分かることがあるか、もう少し調べてくれ」


「分かった」


 それから2ハワーもの間、アリスはあちこちうろついた。結果薄暗い灯りが洞穴全体に点くことが分かった。それともう一つ。


 入るときに調べていた通路の壁の反対側に、何かの扉を見つけたようだ。


「ここにねドアがあるみたい。むーー、マノさん、開けられる?………ケンゲン?無いって?………ダメなんだ。このあいだみたいに穴、開くかな?………むーー、こっちの壁は?………!」


 アリスが壁を撫で始める。撫でたところが少しずつへこんでいく。30メニかけて40セロを貫通した。


「開いたー。………中は真っ暗だね、灯りを入れるよ」


「穴が小さくてろくに見えんな」


「………カガミー?作れるのー?鉄にメッキー?

 ふーん、やってみよう………ガルツさん、これで見てみて」


「お、おう?鉄で鏡作ったのか?これはこれは。

 ようし。

 お、中は結構広いな。危ないものはいないようだ。奥に棚と机かな、何かごちゃごちゃ載ってるな。このドアは見たことないが中からなら開くのか?

 いやおまえ達ならちょっと広げれば入れるのか。アリス、自分が通れるだけ穴を広げてみろ」


「分かった」


 アリスは穴の下側を念入りに撫で始めた。

 あたいが近寄って覗き込むとアリスが身体を右に寄せて見せてくれる。

 あれー。正面は横の壁の中かー。左が部屋だねー。


「ここ、部屋の間仕切りー?」


「そうだよ。こっち側の壁を壊すとケッカイみたいのが騒ぐみたいだよ」


「アリスが頑張っている間に干し肉でも(かじ)るか」


 ガルツがリュックからクマの干し肉を出し、ナイフで薄く削いで行く。


「ほれ、取って食え。アリスにもやれよ」


「あいあいー」「どうも」「アリス、あーん」


「クマは薄くしないと硬くてな。うん、美味いな」


 その間もアリスは穴を横にも広げようと撫で続ける。下はさっき塗りつけたのが頑張ってくれるんだねー。あたいもリュックから水入れを出してカップに注ぐ。脇に置いてあるアリスのリュックからもカップを取った。


「水あげるからー、あんた達もカップだしなー」


 パックがベルトから下げたカップを取って出したので注いであげる。


「もっと体力が着いたらパックもリュックが要るねー」


こんにちはー、ミットだよー。

アリスでーす。


ア:ドアだよ。ドア!

ミ:えー、ドアって、アリスが言ってるだけで穴じゃん。

ア:何言ってんのー。ドアが開かないから部屋の端っこに穴を開けたんでしょー?

ミ:そーなのー?またアリスが変なこといーだしたと思ってたー。

ア:ひっどーい。もう遊でんであげない!

ミ:わっ、わわっ!ごめん。わるかった!アリス、勘弁ー、お願いー。

ア:ふんっ。よーく反省することね。


ア:しょんぼりミットはほっとく。まった見ってねー。





ねー、ミットー、串肉買いに行こうよー……

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