『ますたぁべいべー』 作者:あき
「ンゴンゴン~ゴ~♪ンゴンーゴ~ンゴンゴっ♪」
俺はお気に入りの『ンゴンゴ音頭』を口ずさみながら帰路についていた。
買い物は昨日済ませたばかりだし前話の予告通りに今晩はとんかつだ。
「...お?」
なんか俺のいつもの帰宅道に怪しげな黒いコートを着て黒い帽子をかぶってマスクをつけた明らかにヤッベぇ奴がいるんだが...!
「べっべべべべべべつにぃっ?べつにボクびびってなんかないけどぉ??ほ、ほら、あ、アレだよアレ。忘れ物しちゃったからいったん引き返そうかなぁなんてぇ~?」
と、次の瞬間、怪しい黒ずくめがこっちに近づいてきやがった!!
「ぎゃああああああああああっ!!!!」
目が覚めた俺は子供の姿になっちまっていやがった!
見た目は子供!頭脳は大人!その名も名探偵こn...
「とか言ってる場合じゃねぇーーーー!!」
一目散に逃げ出すもその怪しい黒づくめも走って追いかけてきやがった!
ちくしょー!なんなんだあの野郎!!アタマにくるぜ!
俺は急ブレーキをかけ振り向き野郎に面を合わせる。
ちなみにだが、すでに俺の魔法は発動している。
「おうおうおう!どこの誰だか知らねーが!俺に喧嘩売るたァ何事だ!」
「.....。」
シュイン、みたいな鋭い音が響いたかと思うと野郎の右側の空間がグネグネと歪み、やがて人の腕が余裕で入るくらいの黒い渦のようなものが出来上がる。
ありゃあ確か、異空間に何かしらの物をしまっておける便利魔法...名前は忘れた。
何を取り出しやがる気だ...?
野郎が黒い渦に右腕を入れ何かを抜き出す...何か....何かって、ありゃあ!
「剣じゃねーかぁぁぁぁっ!!」
さすがの俺様もピンチング。殺傷能力絶大な武器に勝てる訳ありましぇん。
【悲報】ワイ早くもゲームオーバーw w w w w wちな今晩はとんかつだった模様w w w w w w w w w w
「とか言ってる場合じゃねぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!」
剣を振り上げこちらへ容赦なく殺しにかかってくる野郎!!
「だがしかぁぁぁぁし!ここで俺様の魔法が炸裂ぅぅぅっ!!」
野郎が踏み出した足は地面に着くことなく目に見えない何かによって弾き飛ばされる。
弾き飛ばされ地面に着地する前にまた見えない何かに弾き飛ばされる、というのが2、3回繰り返し行われる。
「かかったな、俺様の必殺『エアロ・ボム』になぁっ!」
そう。俺の使う魔法は風。自由自在に風を操ることが出来る。
『は?風?え、パッとしねーw w w』
とか思ったそこのお前!!いまからお前ん家にハリケーン送りつけてやるからな!!
お、どうやら野郎が気絶したようだな。
どれどれ...。
俺は恐る恐る倒れこんでいる野郎に近づき、黒いコートは破れ帽子はどこかへ行きマスクも外れたそいつの顔を覗き込んだ。
すると....。
「お、女じゃあねーか...。」
あ。やばい。どうしよう。かあちゃん、俺しらない女の人ぶっ飛ばしちゃった。
いやでも待て。俺は襲われたから反撃しただけだ。正当防衛だ。俺は悪くない。
よし。そうとなれば早速!
「おーまわr...。」
おまわりすぁぁぁぁぁぁっんっっっ!!!!!!
って心の中で叫んどきます。
なんでかって?この謎の女が俺の首元に剣を突き付けてるからだよ!!
「ふふ...素人の癖に大したものね。でもその油断が命取りよ?
あなたの風は強力だけど、この距離なら私の方が速い。」
長い黒髪。燃えるように紅いツリ目。スレンダーなボディにしゅっと色白で綺麗な脚がコートからちらりとこんにちわ。
「あ、どうも、こんにちわ...えへへ。」
「っ!?どっ、どこを見ているのよ!」
剣でグサ!は無かったが盛大にあの白くてすべすべしてそうな綺麗な脚で蹴り飛ばされた。
「いってぇぇぇ!!」
無防備に背中を地面にぶつけた衝撃で内臓に痛みが響く。
くっそいてぇ...。
「まずは合格よ。」
「は?」
「合格っていっているのよ。何回も同じことをいわせないでくれる?」
ほええぇ、絵に描いたような女王キャラ。あと間違いなくツンデレ。うん、間違いない。
「いやいやいや待て待て。合格って何に?」
「?」
いやいやいやいやそんな首を傾げられても!それしたいのボクぅ!!
「とりあえずお腹が空いたから何か食べさせなさい。」
「は?ナニソレ、イミワカンナイ。」
「食べさせなさい、と言ったの。おわかりかしら?」
剣をちらつかせ脅しをかけてきやがった!
なんだこのチンピラ紛いの女は!!
だが俺は逃げも隠れもしねぇっ!真正面から正々堂々と行くのが男よ!!
だから俺の選択肢は....!
「俺ん家、くる?」
「...は?」
今夜はパァァァリナァイッ!!




