宝石の島
不幸せの尾を追い 迷い込んだ迷路には
厄介な問題を抱えた 聾唖の男たちがいた
彼らは僕らを睨みつけ 時には唾を吐きかけた
僕は泥のついた頬を ぬぐって前を見据える
街灯には蝶が止まり 妖しげな光をまき散らすけど
心の奥底に眠る少年が 僕の未来を変えていくのさ
ここを離れ 今向かう
手の届きそうな宝石の島 そこには限りない時間があり
あらゆる夢が叶えられて その人がいるべき場所に立つ
君と二人で出掛けようか 箪笥にしまった秘密も投げ捨てて
手に手を取って駆け出して 未来行きの船に飛び乗ろう
誰もが二人を祝福しない 時には呪詛の言葉も浴びせられ
投げられた石で足は傷つき 君は僕の腕を握りしめた
エンディングフィナーレは遠いけど ハッピーエンドかも分からない
だけど駆り立てる気持ちは止められない 聾唖の男も目を見開く
かぶった帽子は泥まみれ それでも礼を尽くしてさよならを
不幸せの尻尾はいつの間にか 僕らの目の前から消えていく
そう 見えてきて 今向かう
消えては現る宝石の島 僕らを惑わし 導くけど
そこには無限の力があり 水も光も途絶えることはない
二人で視線を合わせあって 目配せしてみたその未来
僕らを手招き 誘って 幸せ行きの船に運ぶ
遠くから響いてくる呼び声 誰のものともつかない呼び声
僕らを捉えて離さず 奇跡の雫が頬から
雫は肌を濡らして 泥だらけの顔を洗った
ウェディングテーマも霞むほどの 輝く旋律が届いてくる
僕らを初めて祝ってくれた 宝石の島はもうすぐさ
目の前で光る宝石の島 ようやくここまでたどり着いた
バッドエンディングはあり得ない 幸せだけが天上に木霊する
魂と呼べるものがあるのならば そこで浄化されるのだろう
すべての罪もあやまちも すり抜ける過去と消えていく
初めから決められてたこと 初めから見えていたことも
それは 揺るがない 山のようにそびえてた
初めから知っていたこと 初めから分かっていたことも
それは 流れゆく 雲のように美しかった
足を踏みだした宝石の島で