【箱詰め】
【箱詰め】初出20111204
なんの脈絡もなくルダーとミハルを箱に詰めてみた。
箱に閉じ込められた。
まず疑ったのはあの阿呆どもだ。
クソ忌々しい奴らの仕業なら、十中八九カメラと盗聴器が仕掛けられていると思って間違いない。
怪しげな穴がないか壁をチェックしたが、針の先ほどの小さなものを、ざっと眺めただけで見つけられるわけがねえ。
盗聴器も、おそらくは壁の向こう側だ。
それらを精査するより、今は俺の脚の間でパニックに陥っている彼女をどうにかしたほうがよさそうだった。
「ご、ごめ、ごめんなさいっ」
自分がどんな状況に置かれているのか理解できないんだろう。
「いい今っ、退きます、退きますから!」
彼女は自分が持つパーソナルスペースをあきらかに超えた接近に、どうにかして空間を取り戻そうとしているようだが、 …どうやっても無理だと思うぞ。
「落ち着け」
乗っているのは俺の右脚、折り曲げられた彼女の両脚の上には俺の左脚。
俺が背中を伸ばせるほど高さもない。それ故に前傾しそうになるんだが、そうすると彼女の方へ頭を突っ込むことになる。回避するために突っ張った腕が彼女の背中側。
「だ、だってあの、わた…ひゃあっ」
うん、そこ俺の腹な、あとあんまり太腿の内側を触らんでもらいたい。
「ごごごめんなさいいいい」
「立つなっ」
ごっ、と酷い音がした。
己の頭を抱えた彼女は弱々しく俺の左脚に顔を伏せ、そのままずるずると滑って、脚と胴体の隙間に倒れるように嵌まりこんだ。
「……大丈夫か」
「いっ、痛、いたい…です…」
か細い涙声がかえってくる。
───いい音がしたからな。相当痛むだろう。
気の毒だとは思うが、流石に、これは、ちょっと。
「…笑うなんてヒドイです…」
声は抑えても、腹の上に横たわっている彼女には、腹筋の揺れはしっかり伝わったらしい。
「───、すまない」
早くここから抜け出して、打った頭を冷やしてやるべきだが。
身体の上に乗った柔らかな重みが心地よくて、少し、惜しくなってきた。
(´∀`*)ほのぼのルート、ルダー編でした。




