【箱詰め】
【箱詰め】初出20111204
何の脈絡もなくギィとミオを箱に詰めてみた。
箱に閉じ込められてしまった。
おっきなギィが入るくらいのスペースはあるから、わたしにとっては全然余裕なんだけど。
ギィは身体をありこち折り曲げて、かなりぎゅうぎゅうみたい。
わたしがおなかの上に乗っかっちゃってるし、ろくに動けない状態になってる。
「ギィ、大丈夫?」
「問題ない」
返事はすぐにかえってきたけれど、なんだか、呆れてるというか、めんどくさそうというか、ものすごーく不本意そうな空気を感じる。
意味のない行為とか、あんまり好きじゃないヒトだからなあ。
「これ、いつになったら出られるのかな」
私の周りを囲むようになってるギィの手足を掻い潜って、腕を伸ばした。箱の壁に触れてみる。拳をつくって叩くと、ごつごつ、と詰まった音がした。反響があまりなくて、すごく分厚そうだ。
ちょっとした壁くらいならギィは蹴破れるし、それをしないということは、ギィでも壊せそうにないということなんだろう。
「…困ったねえ」
「ああ」
返事はかえってくるけれど、ギィの動きはまったくない。 ───動けない、っていうのが正しいかな。
…正直な話、たいくつです。
ふあ、と欠伸がもれて、慌てて口を閉じた。いけない、ギィはぎゅうぎゅうで大変そうなのに。
「眠いのか」
「…ハイ」
ごめんなさい。
申し訳なくて俯いたら、その動作の流れを利用するように背中を押されて、ギィの上でぺったりと腹這いのかたちになってしまった。背中におっきなギィの手が乗っかってて起き上がれない。
「寝ておけ。いずれにせよ暫らくはこのままだろう」
宥めるように、指先だけでとんとんと背中を叩かれて、じゃあしょうがないかと目を閉じた。
ギィがいればどうにかなるだろうし、今は眠いから、寝ちゃおう。
…枕が硬くてごつごつしてるのも、もう慣れちゃったしね。
ちょっぴり未来のふたりでした。




