19.電話の向こうの声
白色のニットの腹部の位置に穴が一つあり、小さな一片の肌が見えた。綺麗で、まったく傷を負ったようには見えず、微かに膨らんだ、柔らかな微胖で、白さの中に少し肉色を帯びている。
さらに下、その破れた穴の最下縁――毛糸の断口がかろうじて引っかけている位置――には、濃い灰色の、極細の白いパイピングが付いたゴムバンドがある。
そう、ゴムバンド、下着のゴムバンドだ。
そのゴムバンドはおよそ一指――
「おい、どこを見てるんだ?」
「いや、ただ、こんなに便利な魔法があるならなぜもっと早く使わなかったのかと思って」
「条件がとても厳しいんだ、バカ。使いたいときに使えると思うなよ?」
「今のところ観察した限りでは、使いたいときに使えるように見えるけど」
「ありえない……だから異世界人は……本当に……」
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私たちは農務省に入れなかった。廊下に人がいるからだ、たくさん。
農務省の職員が二列に並び、壁際に立って、手を体側に垂らし、頭を微かに下げている。御門前は二列の職員の間に立ち、農民と向き合っている。彼女の狐の耳は後ろに押し付けられ、尻尾は後ろに垂れてほとんど地面につき、尾の先が時折ぴくりと動く。
向かいに立つのは金腔原の農民たち――カックリーの父親が一番前に立ち、パイプは火をつけずに口に咥え、両腕を組んでいる。彼の後ろには四、五十人の農民、作業服、狩猟服、寝巻きの上に革ジャケットを羽織った者、様々だが、今回誰一人として手に銃を持っていない。
「……金腔原事務所の代表として、皆様にお詫び申し上げます。種子すり替え事件について、事前の通知もなく、公開説明もなく、皆様の同意も得なかったことは農務省の失態です。月光銀穂の栽培は全面的に停止されました。全ての銀穂は本日中に収穫され、集中処理されます。農務省は皆様の種子費用、人件費、そして銀穂の根系がもたらした土壌修復費用を全額賠償いたします。」
カックリーの父親はパイプを口から外し、掌でトントンと叩いた。
「それから?」
「それから……老金じいさんの医療費、そして今後のリハビリ費用は、農務省が負担します。」
「これも」カックリーがこっそり近づき、私にプラスチックの密封袋に入った全長約二十八センチ、浅灰色の刃、表面に極細の縦方向のヘアライン模様のあるもの、そして一枚の紙を手渡した。私は認めた、これは私が追いかけたあの活体銃の銃刃だ。
「追いかけてるときに落ちたのに気づかなかっただろ? なんか不機嫌そうだったから、今回は独り占めしないでおいてやったんだよ、ちゃんと感謝しろよ」
「はは、それはどうもありがとう?」
私は近づき、紙に書かれた鑑定情報を見た。
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Name request
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【類型】折り畳み式銃剣
【産地】地牢(GT-134-DG-077)
【材料】暗灰色銃鋼+黄銅関節部品
【星級】★★☆☆☆
【耐久】54/70
【攻撃力】ATK+20
【重量】300g
【魔素親和】高(75%)
【特殊機構】権重+13
【詞条】「同用」「未知」「銃刃」「近接」「権重関連」
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「これで終わり?」
「不然は? 他に何を望むんだ?」
「もっと刺激的なのかと思ってた、爆発とか……そういえば、チェーホフの銃って知ってる? 金腔原を初めて見たときに、熊熊と燃え上がって一帯を焼き尽くすと思ったんだ。」
「何を言って……」
「俺たちはいったい何の役に立ったんだ? ただの通過点じゃないか」
「俺たちの仕事は通過点なんだよ、まさか本当に大きな騒ぎを起こすと思ったのか?」
「それにまだ色々分かってないことがあるし、まだ結案しないでくれ、例えば鍵のかかったトイレのドアとか」
「ああ、それか。農務省の職員は石墨鼠より臆病なんだ。廊下で銃声を聞いて、最初は逃げようとしたけど、誰かが間に合わないと言って、みんなをトイレや物置に鍵をかけて閉じ込めるよう動員したんだ。御門前は目が覚めなかったから誰も彼女のことを思い出さなかった」
「わあ……可哀想……あの穴は?」
「施諾娃が調べた。月光銀穂の根系が土壌の魔素値を変えて、だからあの銀穂田の真下に、地牢に似た構造が形成されたんだ」
「そ……そうなの?」
「証拠があの活体銃だ――活体銃は地牢にしか出現しない、野外種はない」
「あ? そうなの?」
「……さんざんやってて知らなかったのか???」
「あの日はちらっと見ただけだし、マグシンさんはまだその授業をやってなかったんだ」
「とにかくそういうことだ、今は残り一つやることがある」
「何?」
「結案語だ! さあ! 弾丸より速く!」
私は周りを見回した。周囲の人々はまだ完全に散っていない。
「いや」
「なぜ?」
「ここにはまだ数人の農民と数人の農務省の職員がいて、彼らは私たちをこっそり見ている。彼らの前で――」
「そうだな、少なくとも三十対の目が君を見つめている――でも彼らが今一番見たいものは何だと思う?」
「いや」
「君が格好いいポーズを決めてあの台詞を言うところだ。」
「いや」
「一度だけ」
「いや」
「尋夢――」
「いや」
「私がやる! 私がやる!」
施諾娃が私たちの前に飛び出し、つま先でブレーキをかけ、右手人差し指を上に、左手を腰に当て、かなり誇張されたポーズを決めた――「真実に命中!」
カックリーはうつむいて施諾娃を見た。赤い同心円の瞳孔が額から、鼻梁へ、顎へと、一通り走査した。そして彼女は施諾娃の頭頂に手を置き、時計回りに九十度回した。
「戻れ。」
「え――?」
「戻、れ。お前は私の相棒じゃない。」
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トリガーフィールド夫人が一番前に立ち、ずんぐりとした体を洗いざらしの青いエプロンに包み、エプロンのポケットから麺棒の木の柄が半分覗いている。目は赤く、列車の窓の下から一つ目の油紙包みを差し込んだ。四角くきちんと畳まれ、外側は麻紐で十字に結ばれている。
「道中で食べな。黄銅麦の、お父さんが昼に焼いたばかりのだ。」
そして彼女は二つ目、三つ目を差し込み、カックリーの膝の上に積み上げた。父親は母親の後ろに立ち、片手を彼女の肩に置き、もう片方の手――彼はあんなに高く、腕はあんなに細い――はトレンチコートのポケットからパイプを取り出し、また戻した。おそらくプラットホームでは火をつけられないと思ったのだろう。
施諾娃が母親の後ろから半分頭を出した。
白髪の妹頭が風に少し乱れている。彼女は今日、あの黄色いニットのベストを着ておらず、濃い灰色のパーカーに着替え、帽子を頭にかぶり、何も言わず、ただ右手を挙げて「電話」のジェスチャーをし、それから自分のスマホの画面を指さした――画面には一枚の写真、尋夢が農務省の廊下でしゃがみ、手にあの銀穂検測報告書を捏ねている横顔。
御門前は一番遠くに立っていた。彼女はあの薄い緑色の作業服に着替え、左胸ポケットの摩耗した徽章は新しいものに替わり、少し目に痛いほど輝いている。狐の耳は前に曲がり、尻尾の揺れの頻度は一秒に一回で安定している――駅に迎えに来たときよりまるまる倍遅い。彼女は尋夢の方向に微かにうなずいた。その幅度は、ずっと彼女を見ていなければ気づかないほど小さかった。
そして列車が動いた。
尋夢が前に言った通り、ガントピアの列車の起動方法はとても馬鹿げている――まず雷管を装填し、撃鉄が撃発し、列車全体が火薬の爆発でプラットホームから押し出される。
尋夢の後頭部が慣性で背もたれにぶつかり、カックリーの膝の上の三つの油紙包みが同時に跳ね上がり、彼女は左右の手でそれぞれ一つずつ押さえ、三つ目を顎で挟んだ。
プラットホームが後退する、まず遅く、そして速く。
母親が右手を挙げ、父親がついに煙草に火をつけ、施諾娃の帽子が風に飛ばされた。御門前は始終そこに立ち、手を振りもせず、去りもしなかった。
麦田が窓の両側から流れ込んでくる。金腔原の金色と銀白色が引き裂かれた布のように後退し、分界線は朝光の中でまっすぐな、次第に狭まる線に引き伸ばされ、最後に地平線のある一点で消えた。
カックリーはもう最初の油紙包みを開けていた。
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「何を食べてるんだ?」
「見て分からないのか?」
「君には分かると思うか?」
「黄銅麦酥。父ちゃんの得意技だ」
「一つくれ」
「いや! これは俺のだ、お前のじゃない!」
「本当にケチだな」
「この黄銅麦酥を侮るなよ:表面の層は黄銅麦で煮詰めた糖漿、三回塗り、一塗りごとに炉に戻して一回焼き、糖漿がパンの全ての気孔に染み込むまで焼くんだ。しかも父ちゃんが昼に焼いたばかりだ。」
「だから一つくれよ?」
「いや! これは俺のだ、お前のじゃない!」
「……ところで、どのくらい家に帰ってないんだ?」
「三ヶ月前、お前が来る前に帰ったばかりだ。どうして急にそんなこと聞くんだ?」
「別に……ただ……」
「帰りたいのか?」
「家族がいるっていいなと思っただけだ。俺には父も母もいない」
「……」
「……」
「……ルシフィット様は?」
「カウントしない」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
「今日の夕食はどうする?」
「弾倉ママ。」
「うんふん、考えるまでもないな」
「マグシンに電話して、先に行って席を取っておくように言ってくれ。」
「電話……そうだ、俺はスマホを持っている。」
「どうした? 充電切れか?」
「ある。98%。」
「じゃあ何をじっと見てるんだ?」
「考えてたんだ……最後にマグシンと連絡したのはいつだったか。」
カックリーは咀嚼を止め、横を向いた。赤い同心円の瞳孔は夕日が車窓から差し込む光の中で二つの暗金色の環になり、口にはまだ黄銅麦酥が半分咥えられている。
通話ボタンを押し、スマホを耳に当てた。プルルルルルルルルル――
七回鳴った。
普段マグシンは電話に出るのに三回を超えない。
彼女はいつもスマホを手に握っているか、視界の中で一番手に取りやすい位置に置いているようで、ベルが鳴ればすぐに出て、最初の言葉はいつも「尋夢さん?」で、その声には突然点灯したような明るさがあった。
八回目。
「もしもし……?」
おかしい。
声は確かにマグシンのものだが、語尾が震えている。まるで極限まで高く調弦されたバイオリンの弦のように、あと少し締めれば切れてしまいそうだ。呼吸も浅く、ほとんど聞こえないほどだ。
「マグシンさん? 俺だ、尋夢。」
「うん……分かってる……あなた……あなた、帰ってきたの?」
「今列車の中だ。夜は弾倉ママで食事、カックリーが先に行って席を取っておくように言って――」
「うん……うん、わ……分かった……」
彼女の声は「分かった」という二文字で突然一段跳ね上がり、そして何かに塞がれたように、喉の奥から絞り出された極めて軽い、くぐもった呻きになった。
「そっちは……忙しいのか?」
「ううん……違う……私はただ……あの……物を探してて……」
極めて軽い、規則的な、プラスチックと織物の間で繰り返し擦れるような音。そしてもう一つ、マグシンの呼吸よりも低い、より重い、彼女のものではない……
「マグシン。」
「うん……」
「君のそばに誰かいるのか?」
沈黙。三秒。四秒。五秒。
「……い……いない。私は図書館に……本棚の……一番上の段……届かなくて……ちょっと……今はダメ……!」
「じゃあ切る。夜、弾倉ママ、六時半。」
「うん……うん……私……必ず行く……」
「マグシン。」
「うん?」
「気をつけて。」
「…………うん。」
私は力尽きた。私の探偵能力が、知るべきでないこと、知りたくないことを知らせてくれた。
私は力なく椅子に倒れ込み、冷たい風が顔を撫でた。
「彼女、何て言ってた……どうして泣いてるんだ???」




