第7話「灼熱の試練!炎と月光の激突」
ゴングが鳴り響く瞬間、バーニング・シスターズの一人が突如、炎に包まれて飛び出してきた。
「うわっ!」
さくらは咄嗟に身を翻す。かろうじて攻撃をかわしたが、髪の毛が少し焦げた。
(す、すごいスピード...!)
「さくらちゃん、大丈夫!?」
りんごが心配そうに声をかける。
「う、うん...なんとか」
さくらが答える間もなく、今度はもう一人のシスターが攻撃を仕掛けてきた。
「焼き尽くしてあげる! バーニング・トルネード!」
赤い髪の少女が回転しながら近づいてくる。その周りには、炎の竜巻が巻き起こっていた。
「きゃあっ!」
さくらは慌てて後ろに跳んだが、足を火傷しそうになる。
(これじゃダメだ...攻めないと!)
「りんごちゃん、作戦A!」
「了解!」
さくらの掛け声と共に、りんごが飛び上がる。
さくらは両手を前に突き出し、集中する。
(来い...ムーンライトパワー!)
かすかな青白い光がさくらの体を包む。
そして—
「せいっ!」
さくらの手から放たれた光が、バーニング・シスターズの足元を襲う。
突然の重力の変化に、二人はバランスを崩す。
「なっ...!?」
「体が...重い...!」
その隙を突いて、りんごが上空から襲いかかる。
「フェアリー・ダストアタック!」
りんごの羽から、きらめく粉が降り注ぐ。
それを浴びたバーニング・シスターズの動きが、さらに鈍くなる。
「よし、これで...」
さくらが攻めようとした瞬間、突如として赤い髪の少女が叫んだ。
「お前らの相手は私たちじゃない!」
「え?」
困惑するさくら。
その時、会場が真っ赤に染まる。
「なに...これ!?」
目を凝らすと、リングの周りが炎の壁で囲まれていた。
「さくらちゃん、あれ!」
りんごが指さす先には、巨大な炎の獣が立っていた。
「こ、これは...」
「私たちの究極奥義...『バーニング・ビースト』!」
バーニング・シスターズが、不敵な笑みを浮かべる。
「さぁ、焼き尽くされるがいい!」
炎の獣が、さくらたちに襲いかかる。
「きゃあああっ!」
あまりの熱さに、さくらは思わず目を閉じる。
(こんなの...どうすれば...)
絶体絶命のピンチ。
その時、さくらの耳にかすかな声が聞こえた。
「さくら...さくら...!」
(え...? この声は...)
目を開けると、観客席にいるはずの美咲が、炎の向こうでこちらを見つめている。
「諦めるな! お前にしか見えていないものがあるはずだ!」
(美咲さん...)
その言葉で、さくらの中で何かが覚醒する。
「そうだ...私には...!」
さくらは、炎の獣を見つめ直す。
すると、炎の中に青白い光の粒子が混ざっているのが見えた。
(あれは...月の光!?)
「りんごちゃん! 最後の賭けだ!」
「うん、分かった!」
りんごがさくらの背中に乗る。
さくらは両手を大きく広げ、全身に力を込める。
「行くよ...ムーンライト・メテオ・クラッシュ!」
さくらの体が、まるで月のように輝き始める。
そして、りんごと共に宙に舞い上がる。
「な...何!?」
バーニング・シスターズが驚きの声を上げる。
光に包まれたさくらとりんごは、そのまま炎の獣に突っ込んでいく。
「はああああっ!」
衝突の瞬間、会場が眩い光に包まれた。
「うっ...!」
観客たちが目を背ける中、リング上では信じられない光景が広がっていた。
炎の獣が、月光に包まれて消えていく。
そして、バーニング・シスターズは気絶していた。
「信じられない...! ムーンライト☆フェアリーズの大逆転勝利です!」
場内アナウンスが響く中、さくらとりんごは息を切らしながら立っていた。
「や...やった...の?」
「うん...やったよ、さくらちゃん!」
二人は抱き合って喜ぶ。
観客席からは大歓声が沸き起こる。
その中で、美咲はわずかに微笑んでいた。
「面白くなってきたじゃないか...さくら」
さくらとりんごの初陣は、まさかの大逆転勝利で幕を閉じた。
しかし、これは彼女たちの物語の、ほんの序章に過ぎない—