表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/13

第5話「月光の覚醒」


「はぁ...はぁ...」


さくらは、汗だくになりながら、自分の両手を見つめていた。


あれから3日。巨大モンスターとの戦いで目覚めた「ムーンライトパワー」。しかし、その力を自在に操ることはまだできない。


「もう一度だ、さくら!」


ダイナマイト☆けんじの声が、特訓場に響く。


「はい!」


さくらは深呼吸をし、両手を前に突き出す。

目の前には、等身大の人形が立っている。


(来い...!)


集中する。

体の中心から、あの時感じた温かいものを引き出そうとする。


すると—


「わっ!」


さくらの体が、うっすらと青白い光に包まれた。


「よし、その調子だ!」


けんじの声に、さくらは顔を上げる。

その瞬間、光が消えた。


「あれ?」


「大丈夫、焦るな。一歩一歩だ」


けんじが優しく声をかける。


「そうだね。ありがとうございます」


さくらは小さく頷いた。


(でも、このままじゃダメだ。みんなに追いつかなきゃ...)


そう思った瞬間、突然体が宙に浮いた。


「きゃっ!」


「おっと!」


けんじが慌ててさくらを支える。


「大丈夫か?」


「は、はい...」


さくらは、少し困惑した表情を浮かべる。


「どうやら、お前の能力は感情と連動しているようだな」


「感情と...?」


「そうだ。さっきは『上達したい』という気持ちが強くなった瞬間に浮いただろう?」


「確かに...」


さくらは、けんじの言葉を噛みしめる。


(感情と連動...か)


「よし、ならこれを使おう」


そう言って、けんじは壁に掛かっていた大きな鏡を持ってきた。


「鏡...?」


「ああ。お前の表情を見ながら練習するんだ。感情のコントロールが、能力のコントロールにつながる」


「なるほど...!」


さくらは、鏡の前に立つ。


(よし、やってみよう)


深呼吸をし、鏡に映る自分の目を見つめる。


(上に...上に行け!)


すると、さくらの体が少しずつ浮き始めた。


「すごい...!」


興奮する気持ちを抑え、さくらは集中を保つ。

徐々に、体が天井に近づいていく。


「その調子だ!」


けんじの声が聞こえる。

しかし、さくらの頭の中は、自分の感情のコントロールで手一杯だった。


(落ち着いて...落ち着いて...)


そう思った瞬間、急に体が落下し始めた。


「きゃあああ!」


「さくら!」


けんじが駆け寄ろうとした瞬間—


「大丈夫、私にまかせて!」


突然、さくらの横から小さな影が飛び出した。


「りんごちゃん!?」


妖精のりんごが、さくらの下に滑り込む。

そして、小さな体で精一杯さくらを支えた。


「ふんっ!」


りんごの羽が激しく震え、二人の落下速度が緩やかになる。


「りんごちゃん、ありがとう!」


さくらは、何とか着地に成功した。


「ふう、危なかったね」


りんごが、額の汗を拭う。


「本当にありがとう。でも、どうしてここに?」


「えへへ、さくらちゃんの特訓、気になってね♪」


りんごが、にっこりと笑う。


「そういえば、」


けんじが口を開く。


「りんご、お前もさくらと組んで特訓してみないか?」


「え?」


さくらとりんごが、同時に声を上げる。


「そうだな...タッグを組むんだ」


「タッグ...ですか?」


さくらが、首を傾げる。


「ああ。さくらのムーンライトパワーと、りんごの飛行能力。それを合わせれば、面白い技が生まれるかもしれん」


「わぁ! それ、楽しそう!」


りんごが、目を輝かせる。


「どうだ、さくら?」


さくらは、少し考え込む。

しかし、すぐに顔を上げた。


「はい、やってみます!」


こうして、さくらとりんごのタッグ特訓が始まった。

二人の息が合うまでには時間がかかったが、徐々にコンビネーションが形になっていく。


そして、特訓開始から一週間後—


「よーし、新技の完成だ!」


けんじが、満足げに頷く。


「これで、次の試合は勝てるはずだ」


「試合...?」


さくらが、驚いた表情を浮かべる。


「ああ」


けんじは、にやりと笑った。


「来週、お前たちの初試合が決まったぞ」


「えええええ!?」


さくらとりんごの驚きの声が、特訓場に響き渡った。


そう、彼女たちの本当の挑戦は、ここから始まるのだ—

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ