僕の部屋には迷子の羊女の部屋がある
部屋に部屋があるなんて言葉破綻してると思う。だけど僕の部屋にはそれを体現していると言わざるを得ない理由があった。
「ねぇ、利光くん。ここは私のおうちですか?」
「自分のものだと主張するのは辛うじて理解出来るが、疑問形なのはまじで意味わからんぞ? あと違うので、ぜひ出ていってくれ」
親の仕事の関係で1人。田舎のある高校に通うために一人暮らしをすることになった利光雫(かがみしずく)。そんな雫の一人暮らしは初日で幕を下ろした。今、僕の目の前にはおそらく羊であろう帽子を被った少女がいた。
「利光くん? 良かったらこの部屋から出ていってくれないかな?」
「・・・却下だ。あとこの部屋の所有者は僕だ。君が誰だか知らないが、出ていくとしたら君だ」
「あの、私が言うのもどうかと思うけど、状況の飲み込み早くない?」
「世の中には色んなことがあるしな。朝起きて知らないお…んな?が膝枕をしつつ退去を迫ってきても僕には特に問題はない」
「わーお、正答を探す方が難しそうだね?」
「ていうのは建前で、実際はビビりすぎて腰が抜けて起き上がれないだけだ。・・・とりあえず手を貸してくれ」
こうしてぬるっと始まってしまった半別半同居生活を終わらせるために雫は今日も目の前の羊女に向けて笑顔で告げる。
「ほーれ今日は絶好のお散歩日和ですよぉ」
「雨ザーザーだけど!?」
現住民と先住羊(?)による意味不明の少し不思議な居候ラブコメ。
「ねぇ、利光くん。ここは私のおうちですか?」
「自分のものだと主張するのは辛うじて理解出来るが、疑問形なのはまじで意味わからんぞ? あと違うので、ぜひ出ていってくれ」
親の仕事の関係で1人。田舎のある高校に通うために一人暮らしをすることになった利光雫(かがみしずく)。そんな雫の一人暮らしは初日で幕を下ろした。今、僕の目の前にはおそらく羊であろう帽子を被った少女がいた。
「利光くん? 良かったらこの部屋から出ていってくれないかな?」
「・・・却下だ。あとこの部屋の所有者は僕だ。君が誰だか知らないが、出ていくとしたら君だ」
「あの、私が言うのもどうかと思うけど、状況の飲み込み早くない?」
「世の中には色んなことがあるしな。朝起きて知らないお…んな?が膝枕をしつつ退去を迫ってきても僕には特に問題はない」
「わーお、正答を探す方が難しそうだね?」
「ていうのは建前で、実際はビビりすぎて腰が抜けて起き上がれないだけだ。・・・とりあえず手を貸してくれ」
こうしてぬるっと始まってしまった半別半同居生活を終わらせるために雫は今日も目の前の羊女に向けて笑顔で告げる。
「ほーれ今日は絶好のお散歩日和ですよぉ」
「雨ザーザーだけど!?」
現住民と先住羊(?)による意味不明の少し不思議な居候ラブコメ。
公認入居者と自認入居羊。
2024/06/18 21:02
(改)