02
うん、エンジョイ異世界冒険者ライフ、ちゃんと出来ているよね、俺。
こじらせひねくれ野郎より、能天気なりに楽しく生きてるやつの方がマシ。
そういう前向き姿勢って、周りの人たちにも影響するのです。
冒険者ギルドの担当受付嬢ユリージュナさんや、
お宿の看板娘キュルミィさんとも、
何だか最近は親しさアップってな感じなのですよ。
ほら、こんな風に。
zzz……
……キュルミィさんが俺のひざまくらで気持ち良さそうにお昼寝中。
場所は、宿の屋上にある休憩場、
屋上テラスとでも言うのかな。
ここは日当たり良好で一服休憩にぴったりな、最近お気に入りの場所。
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今日はリルシェさんが、何やら重要なご用事とやらで終日お出かけ中。
あの様子だとチームモノカへの相談が必要な案件、
俺抜きのソロで動いているということは乙女関係のデリケートな問題でしょう。
そう、リルシェさんは今日も『乙女の守り神』ノルシェさんとして活躍中。
もちろん俺みたいな鈍感野郎は、そういう場合は絶対にアンタッチャブル。
手助け出来ないことを気に病むよりも、信じて待つのがパートナーの務め。
ってことで、本来はソロ活動日和なのですが、
ルスイさんのようなイケてるソロ冒険者ムーブは流石にまだ無理。
結局、臨時の休養日となった次第。
サボりではありませんよ、
強いて言うなら、気配り上手なイケてる男の自発的休日。
ってなわけで、宿の屋上でひなたぼっこちっくにごろごろしていた俺に、
午後のお茶を用意しに来てくれた働き者のキュルミィさん。
一緒にお茶でもと誘ったら、ぽかぽかお天気に誘われておねむになったようで、
そのままころんと。
「zzz……」
とても愛らしい寝顔ですね。
でも、いかにキュルミィさんが可愛さ全振りな短耳うさぎ系獣人さんでも、
お触り厳禁の誓いを破っちゃいけないことくらい分かってますから。
今はこの勤労看板娘さんの安らかなお昼寝を静かに見守るのが、
デキる男の今日一番の大仕事。
「zzz……」
何だか、うさぎは寂しいと死んじゃうっていう有名なアレ、
ちょっと思い出しちゃいます。
まあ、キュルミィさんが寂しがり屋さんかどうかはともかく、
安心してひざまくらお昼寝してくれる程度には信用されているわけで、
今はそれが嬉しいのです……
「……」
おや、お目覚めですか。
カプリ
とてとてとて
行っちゃいました。
ってか、太ももかじられちゃったよ……




