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 長い旅路もそろそろ終わり。


 目的地ペットリモ村はもうすぐ。




「ええ旅じゃったのう」

「まさに冥土の旅の一里塚、じゃの」



 ちょっと、やめてくださいよ、師匠。


 そんだけ健脚でお元気ですし、まだまだこれからですって。


 神官のお仕事が終わったら必ず迎えに来ますからね。



「いや、流石にもうええじゃろ」

「今回の旅は、あの村に骨を埋める覚悟で来たんじゃよ」

「それに、最後の最後に自慢の弟子の成長を見届けることも出来たからの」



 師匠……



 そういえば、ご家族はどちらに。


 確か、お孫さんもいらっしゃったはず。



「……嫁が亡くなってから疎遠になってのう、もう何年も会っとらん」

「元々、娘一家とは折り合いが悪かったし、今さら会いに行こうとは思わんよ」



 それでも……



「いや、わしには旅先で懐いてくれる教え子の子供たちが孫のようなもんじゃよ」

「疎遠な家族よりも、よっぽど便りを出したいくらいにの」



 ……はい、言質いただきました。


 ペットリモ村に着いたら、いっぱい子供たちへの手紙を書いてくださいね。


 何を隠そう俺の前職は"速達鳥"配達員。


 郵便配達はお手のもの、ですから。



「……すまんのう、歳を取ると人様に世話を掛けることばかりじゃよ」



 いえいえ、俺の方こそお世話になりっぱなしですから。



 あー、リルシェさん、


 勝手に決めちゃってごめんなさい。



 って、また泣いてますね。



「またも脇の下も無いのですっ」

「グッとくる話しに弱いって以前も言いましたよねっ」

「乙女を何度も涙させるなんて、生涯許しませんから責任取ってください!」



「この子たちの行く末が気になって、死んでも死に切れん……」



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