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 いよいよ今日は"巡回神官の護衛"任務、出立の日。



 待ち合わせは、ニルシェ王都の東門前。


 護衛は、俺とリルシェさんのふたりだけ。


 護衛対象は、神官様おひとり。



 えーと、こう言っちゃ何ですが、


 正直、思っていたのと違いますね。


 もっと普段のふたり旅とは違う感じの何かが……



「いけませんよ、ウェイトさん」

「護衛の旅は、ぶらり旅とは全くの別物」

「安全を守りきるのは当たり前、護衛対象の方に良き旅であったとご満足していただけることこそが、完璧な依頼完遂の証しなのですよっ」



 なるほど、ごもっともです。


 ただ今回は護衛すべき方もおられますし、


 旅のクオリティアップのためにも徒歩では無く、馬車が必要だったのでは、と。



「すまんのう、歳を取ってから乗り物酔いが酷くなる一方での」




 ---




 ヨレングラルバ神官様。


 かなりお歳を召した方でした。



 ってか、神官様って言うよりも、普通にご近所のお爺ちゃんですね。


 気さくでひょうひょうとした感じの。



 でも、本当に大丈夫なのかな、このお爺ちゃん。


 目的地のペットリモ村って、コレイカよりもずっと遠い場所なんですけど。




「ヨレンでええよ」

「長旅じゃろうし、呼びやすい方がええ」

「歩きになってしもうて、すまんの」



 いえいえ、こちらこそよろしくお願いします。


 それと出立直前ですが、何かご要望とかございますか。


 特別に入り用な物とか、厳守すべき決まり事とか。


 リルシェさんはともかく、俺の方は神官様の護衛任務は初めてでして。



「そんな気を遣わんでもええよ」

「言葉使いもいちゃつきも普段通りでええから、嬢ちゃんとのらぶらぶ旅行を楽しめばええ」

「わしはおじゃま虫せんようおとなしくしとるつもりじゃが、道中でぽっくり逝ったら流石に迷惑掛けるかもしれんの」



 ……勘弁してくださいよぅ。



「じょーくじゃよ、老神官じょーく」

「どれ、お天道さまが高いうちに少しでも進まんとな」

「行きますぞい、皆の衆」



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