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 かくのごとく異世界ちっくな日常イベントに巻き込まれたりもしておりますが、


 冒険者活動だってちゃんと頑張ってますよ。



 はい、今日は何事も無く冒険者ギルドに到着。




「おはようございます、ウェイトさん、リルシェさん」



 おはようございます、ユリージュナさん。


 今日もお綺麗ですね、お花。



「ありがとうございます、ウェイトさん」

「でも、朝からジゴロ召喚者活動していたらリルシェさんに叱られますよ」



 いえいえ、お気遣いなく。


 素敵に咲いている花々を愛でる気持ちに、野郎も乙女も無いのです。



「今日もお上手ですこと」




 ユリージュナさんは、アルラウネ系の異種族さん。


 容姿端麗眉目秀麗、スラリと着こなしたギルド制服もお似合いな受付嬢さん。


 いえ、体型の方はご覧の通りスラリどころじゃないご立派な……



 えーと、もちろん見目麗しいだけでは無く、


 お仕事の際の人当たりの良さと頭の回転の速さは、


 まさに冒険者ギルド受付嬢が天職ってな感じの、


 素敵で優秀なインテリセクシー系お姉さま。



 いろいろと厄介ごとを持ち込んでくる俺たちにいつも笑顔で対応してくれる、


 大変に頼りになる担当者さまなのです。



 植物系ということで、髪飾りのように咲いている花々がチャームポイント。


 素敵なアクセサリーっぽくてとてもよくお似合いなのですが、


 どうやら、体調や機嫌によってお花の咲き加減が微妙に変わるようなのです。



 俺なんかの目にはいつもお綺麗だなとしか見えないのですが、


 リルシェさんのような乙女には一目瞭然なのだそうですよ。




「視線、不躾ですよっ」



 すみません、リルシェさん。


 何だか来るたびにお花に見惚れちゃって。



「視線、もっと下の方ですよねっ」



 すみません、だっていつもお綺麗ですもん、ユリージュナさん。



「視線、もっともっと下の方ですっ」



 大変申し訳ございません……




 でも、その制服、ちょっとズルいですよ。


 ユリージュナさんの素敵なスタイルを、より素敵に魅せてくれるそのデザイン。



 確か、プロの服飾デザイナーさんが魔族領のギルド職員さんのためにって、


 個性を引き立たせるための個別カスタムデザインされた特注品なんですよね。



「ニルシェ王都の各ギルド職員の制服が特注なのは昔からですよ」

「元々、種族間の違いが大き過ぎて、個人個人に合わせて手直しする必要がありましたので」



 なるほど、まさにニルシェ王国らしさ、ですね。



「エルサニア王国在住の著名なデザイナーさんがこのニルシェ王都を訪れた際に、以前の制服の個性の無さに憤慨されてギルド長と評議会に直談判したそうです」

「『どんな素敵な宝石でも、原石のままでは輝きを魅せることは出来ませんよ』と」



 素晴らしい名言です。


 流石はリヴァイスを代表する文化国家で活躍されているデザイナーさんですね。



「それで、制服としての統一感はそのままに、より個性を引き立たせる今のオーダーメイドスタイルに」

「ただ、私たち現場の職員としましては、嬉しさだけではなく少々戸惑いも……」



 はて、何か問題でも?



「"完璧にフィットさせるには完璧な採寸が必須"とのことで……」



「あー、ネルコさん理論ですよね、それ」

「ということは、エルサニアのデザイナーとやらは間違い無くネルコさん本人」

「つまり、採寸とか言って、やたらと念入りに身体中を……」



 身体中を念入りに……



 ごくり




 この後、おふたりから念入りにお説教されました……



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