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夏が嫌いになった人

作者: 針金細工

今が夏なのを思い出して

夏が嫌い。

昔は好きだったと思う。


海を最後に見たのは何年前だったろうか。

幼い頃は実家の近くの海で潮干狩りや海水浴を楽しんでいた。

今は実家に顔を出すことも無ければ、海を見に行くことすらない。


花火が騒音にしか聞こえなくなったのは何時からだろうか。

覚えてもいない。

それでも幼い頃は好きだったはずだ。

空に打ち上げられた花火を家族でベランダから見た記憶はあるのだから。


お祭りには昔から縁が無かった。

地元は有名な祭りがあったのに、幼い頃から参加した記憶がない。

参加しなかった理由も分からないし聞く相手も居ない。

地元から離れた今はこの地域の何処でお祭りがあるかも知らない。


かき氷は今でも好きだ。

幼い頃両親が買ってきてくれた色とりどりのシロップを好きなだけかき氷に掛けて食べた。

今、かき氷はお店で食べる物になったけれど、たまに幼い頃食べたかき氷の味を思い出す。


夏の暑さが分からなくなったのは何時からだろう

幼い頃は暑さも気にせず友達と遊んだ記憶がある

今は部屋に1人、気温は何時も一定、夏も冬も大差無い。


キャンプ、沢遊び、蝉の鳴き声、チューペット、宿題、お泊り会・・・・

幼い私が楽しかったこと、嫌いだったこと、やりたかったこと。

今の私には関係ないものになった。


たくさんの夏の思い出が私にはある。

幼い私が出来たことが今の私には出来ない

幼い私が出来なかったことを今の私はやろうとしない


きっと私は大人になって夏が嫌いになったのだろう。

幼い私を裏切ったようで


幼い自分を満足させる自分でいるのは難しいことです

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