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資金をゲットしました。更に増やします。

 とりあえず、今からすべきは奴隷購入のため資金を稼ぐこと。逃亡後、当面の生活費も必要だから最低でも金貨五千枚は稼がないとかな。

 増やすにしても、元手がいる。壺のへそくりでは到底足りない。どうしたものかと考えていたら、天井から賢者が来た。このおじいちゃん、侍じゃなくて忍者だったの??


「勇者殿、時計を借りた礼だ」


 驚く私に袋を寄越してきた。中を確認すると、宝石がたくさん入っている。ありがたいが、貸しただけだ。いいのだろうか。


「貸しただけ、ですよ?」


 仮に壊れたとしても、元の世界なら修理できる可能性がある。売ったつもりはない。


「もちろんだ。この革を見ても、この時計がいかに大切なものかがわかる。こっちにはないものだからな。借りるだけでもそれだけの価値があるということよ。しかし、これだけ細かい部品となると、鍛冶師であっても難しいな。まあ、老い先短いじじいだ。使う宛もない金を溜め込むより、同郷の後輩に分けた方が有意義というものよ」


「……ありがたく、いただきます」


 賢者からの心遣いということか。それならばありがたく受け取ろう。かさばらないよう宝石を持ってきてくれたのもありがたい。

 賢者はそれだけ渡すとまた天井裏に……。


「いやいや、ドアから出ていきませんか?」


「……嬢ちゃんに金を渡したのがバレるとまずい」


 おい。内緒で来たのかよ!そう言うと、賢者はまた天井裏から出ていった。彼は表立って味方することはできないのだろう。なにせ、あの賢者は王の曽祖父だかなんだかなのだ。だからこそ、味方候補にはしなかった。

 恐らく、私の気持ちもわかるからと中立でいてくれるつもりなのだろう。大変ありがたい。


 さて、充分な元手が手に入ったわけだし、さらに増やすとしよう。短期間に大儲けしようとなれば……。





 そう、カジノ!!





 ゲームにおいても初期の乏しい資金から奴隷を買おうと思ったら、カジノで増やすしかなかった。夜にこっそり隠し通路から抜け出して夜な夜なギャンブルする勇者。微妙だわ。

 ただ、ゲームと現実は違う。セーブ&ロードはできない。なら、どうするのか。



 イカサマである。



 正確にはイカサマというよりも、ゲーム知識によるもの。知識チートってやつかしら?かなり周回をこなしたので、大当たりが来るときのパターンを覚えているのだ。何回か試せば使えるかわかるだろう。だめだった場合は奥の手……ガチでイカサマするしかないな。

 念の為持っていた渡瀬の裏仕事時に使う能面を被り、髪の毛はここに来る前に購入したローブのフードで隠しておいた。黒髪は珍しいからだ。能面をしていると、とてつもなく目立つが仕方ない。ちなみに能面はお気に入りのキュートな小面さんである。


 能面効果か人が避けてくれるので大変快適。ディーラーもビビりまくり。そんなに怖がらなくてもと思わんでもない。私は可愛いと思うよ、小面さん。





 そして、ゲーム知識のおかげか勝ちまくり、目標金額を軽く超えてしまった。やべぇな。稼ぎすぎて目立っておるわ……。高性能な小面さんには能面以外印象に残らなくなるという素敵な認識阻害がついてるけど、あまり長居はしないほうがいいな。

 とりあえず、当面の生活資金と奴隷を買うお金は工面できた。もうこのまま逃げるべき?そもそも、ゲームの時、あのキャラ達が買える時間帯はいつだったかな……?


「ごきげんよう、レディ」


「げ」


 隠しキャラの賭博師ギャンブラーが出てきた。こいつはカジノに通い、かつカジノによる収益金が一定を超えると出てくる。初回だから出てこないだろうって油断してた!カジノに通わなければ会うこともなく、それゆえに除外していたキャラでもある。もちろん周回キャラなのでとてもお強い。

 強いが、こやつ危険を楽しむヤバいやつで、副業が暗殺者なのだ。認識阻害もどこまで通用するかわからん。


「レディはなかなかの強運のようだ。どうです?俺と一勝負」


「……オーナー様に勝てるとは思えませんから、遠慮しますわ」


 なるべく意識して声を普段より高く出す。


「……へえ?レディ…」


 賭博師が距離を詰める。断ったのに近寄るな!


「……何故、俺がオーナーだと……?」


 しまった!それ、公にしてないんだったわ!こっわ!!賭博師の目が!こっわ!!ヤバいヤバいヤバい!!


「カンです!カン!野生のカン!!」





 気がつけば、一目散に逃げていた。めちゃくちゃ走ったから、ここがどこだかすらもわからん。


 あれ、ここって……。どれだけ走りまわっただろうか。少し開けた通りに出た。


 目の前には、見覚えがある建物。何故か看板が読めた。明らかに日本語ではないのに、異世界転移特典ってやつ?看板には『奴隷の館』と書いてある。そしてどうやら営業中であるらしく、客引きが働いている。そうか、ここだったのか。ゲームで見た奴隷商館に来てしまったらしい。


 今夜、私はこのまま城を出よう。このチャンスを逃すわけにはいかない。私は覚悟を決めて、店へと歩きだした。

4話目にして勇者脱走。

そして出てきた小面さん。異世界能面女子高生、誕生の瞬間であります。

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