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とりあえずお買い物しましょう。買い物って楽しいのですね

 とりあえず、食事が済んだら買い出しに行くこととなった。


「ご主人様、その……申し訳ないが武器を買ってもらえないだろうか」


 カイが本当に申し訳無さそうに言ってきた。


「いいよ。元冒険者なんだっけ。オススメの店ある?」


「あるけどぉ、値が張るけど値段相応にいいモノがある店と安いけどそこそこのモノがある店だとどっち?」

「値が張る方」


「わお、即答☆」


 カイに聞いたのだが、何故かゲルダが答えた。武器は命を預けるものと言っても過言ではない。値が張ってもいいモノをチョイスするのは当たり前だと思うが……私の懐事情を考慮してくれたのだろう。


「武器や防具は命に直結するから、値が張ってもいいモノを選んで」


「「ご主人様……」」


 なんでカイとゲルダはウルウルしているの?いや、当たり前のことだよね??


「ご主人様、好き!」

「心からの感謝を」


「大袈裟すぎやしませんかね……」


「大袈裟じゃない。人間は、俺達獣人奴隷を使い捨てにするのがここの『普通』なんだ」


 ジャンがそう教えてくれた。それが『普通』なのだとしたら、私がそれはもういい人に見えるだろうね。とりあえず、これだけは言っておきたい。


「控えめに言ってもこの世界の人間、クソだな」


 吐き捨てるようにそう言うと、皆してキョトンとしていた。いや、どう考えてもクソとしか言いようがない。


「ふっ……ふふ……クソ、クソか!」

「あはははは!やだー!ご主人様ってば最高!!」

「ぐふっ……ぶひゅっ……」

「………?くそ……排泄物??」


 スノウだけがわかってないなぁ。三人は爆笑している。


「この世界の人間は、最低で排泄物並みだって言ったのよ」


「……なるほど。ご主人様以外は、排泄物」

「それは違うから!!」


「「「あはははははははは!!」」」


 三人は楽しそうで何よりだな。私の説明も悪かった。どう言えば伝わるだろうか。


「ええとつまり……自分の努力ではどうしようもないこと……種族だったり生まれつきのことで他者を蔑んだりするやつは、排泄物並みに最低……いや、排泄物は肥料になるからクソ以下の輩だわ!」


「なるほどー」


 スノウは納得したようだ。よかった。スノウは本気で他者を排泄物扱いしかねないから、説明大事!


「……うちの主は、本当に大当たりだな」


 ジャンの呟きは、私には聞こえなかった。






 異世界初の武器屋に到着。私は自作武器があるので不要だが、せっかくだから見てみたいとついてきた。いいお値段というだけあって、しっかりとした作りであるようだ。これなんか、魔力を帯びてる。


「……嬢ちゃん」


「はい?」


 あ、お高そうな短剣だし勝手にお触りしたらあかんやつ!?たしかにこの中だと一番いいやつっぽいし!


「それ、今抜いてたよな」


「え、はい」


 短剣は簡単に鞘から抜ける。美しい刀身は、宝石のよう。深い海の色をしていた。ん?これ……見た事ある……?水系最強武器では!?なんでこんなとこにあるんだよ!!イベント進めなきゃ出てこないやつじゃん!!


「うお……この剣、こんな色だったのか」


「ご主人様すごーい!誰も抜けなかったやつじゃない!」


「いや、普通に抜けたし……」


 別に何か特別なことをしたわけでもない。これの入手条件って確か……魔力が一定以上ないと駄目なんだよね。


「嬢ちゃんは迷わずそいつを選んでいたが、それに呼ばれたか?」


「呼ばれてはいませんが、この店の中で一番強い魔力を感じたので見てみただけです」


「……なるほど。金はいらねぇ。それ持ってけ」


「え」


 どう見てもお高そうな短剣。ただでもらうわけには……。オロオロしているのがわかったのだろう。無愛想な店主が説明してくれた。


「そいつは師匠の作品でな。俺は俺のやり方で師匠を超えるつもりだから、本当は手元に置いておきたくなかった。しかし、使えねぇやつに渡したくない。剣は使ってナンボ。飾るもんじゃねえ。今まで何人もの人間が挑戦したが誰も抜けなかった。だから、お前さんにしか渡せないんだ」


「わかりました」


 そういうことならありがたく受け取ることにしよう。弓は近距離に弱いから、短剣はあってもいいだろう。重たくないし、術の媒体にもなりそう。お代は支払いたいが、これほどのものとなると多分有り金全部支払っても所持金が足りない。ここでたくさんお買い物して、お金に余裕があったら払うとしようかな。


「ご主人様ってばすごーい。ねぇねぇ、ご主人様ぁ、私この斧が欲しいのぉ!」


「……マジか」 


 ゲルダは身の丈を超える超重量級の斧を軽々片手でぶん回した。やべぇ。いや、でも熊さんスタイルの大きさを考えたら丁度いいのかな…?


「ゲルダ、駄目だ」


「ええ?大きさも重さも丁度いいのにぃ!」


「宿の床が抜ける」


 否定できねぇ。よく見たらゲルダの足元、地面にめり込んでるし。


「森とかでは向かないでしょ。平野とかなら使えるけど、持ち運び不便すぎ。馬車とか乗れないよ?まさかご主人様を歩かせる気?」


「……めだちすぎる。ムダがおおい」


 全員から反対され、ゲルダはしょんぼりしていた。とりあえず小さめの戦斧と手斧を購入。カイはバスターソードと短剣を数本。ジャンは細剣。スノウはなんか色々買っていた。短剣に投擲武器多数、マキビシみたいなものも。

 とりあえず武器は買えたけど、少しだけ心残りがあった。まあ、お金をためてからまた来るとしよう。

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