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終結


ようやく念願の…


鳥一族の協力を得て、空から高台へ向かった。ググが時間を稼いでいる間にみなで協力し合わせ技を成功させることを第一とし。

ググがおとりを失敗したときは協力者と共に時間を稼ぐ作戦であった。


無事にタイガ達は高台へたどり着いた。


「では始めますよ。リラ出てきて下さい」


イトが持っていた図鑑が光輝きリラが現れた。


「重役出勤のリラちゃん登場で~す。さてさて順調ですかね?」


「相変わらずの出方だぜ、今の所順調だ。さっさとけりをつけるぞ。」


「私の言った順番に並んで下さい、リラ、エレン、ルーグ、ラック、私イト、タイガ、イル。

円になり能力を限界まであげて下さい。次こそは…次こそは…」

「次はないぜ、これで最後だ。」


円に並んだ能力持ちが能力を全開にした、円の回りが光輝き始めた。

「今の所順調だね、後はドラゴンがこなければ。」


ググは異変に気付いた、さっきまでとは明らかにドラゴンの動きが変わったからだ。

ドラゴンはググを追いかけるのをやめ停止し、遠くを見ていた。突如方向をかえると凄まじい速度で進み始めた。


そっちの方向は…気付かれましたか…


ググ王子もドラゴンを追いかけ、追いついた時に気付いた。


ドラゴンは大きな口をあけ雄叫びをあげると、口の中にどす黒い塊が溜めていた。

ググ王子はあれを放たれてはまずいとすぐに認識し、ドラゴンに向け、死を覚悟して突撃した。

黒い塊は高台にむけ一直線に放れた。


「みっみっみってぇ~。あれぇ~」


モッグンがあわてて指をさし叫んだ。

その声に反応して指の方向を見ると黒い塊がこっちに向かっていた。


「大丈夫のはずです。モッグンあなたは私たちの後ろへ。」


その瞬間、黒い塊は高台をえぐりとり、足場が消えつつあったがなんとか持ちこたえた。


「ググはどうなったのです?」

「わからねぇ、だがまだ距離はある。きっとググが機転をきかせたんだろ。」

「あとどれだけかかるんです?」

「まだです、この輝きがすべてを包むまでは…」


まだ光の輝きは高台を包み込む程度しかなかった。


「すまねぇ、おっさん。時間稼いでくれるか?」

「おい、おっさん?聞いてんだろ。」

「すっすまん、さすがのワシもあれにはびびった。楽しい狩りをしようか。」


「タイガ後は砂と空の協力者にも連絡をお願いします。」

「砂の長老、すみませんがお願いします。」

「うぬ、任しておけ。」

「王よ、鳥一族の力もおかし下さい。」

「よかろう、鳥達よ続け。」


数々の動物達の叫び声があがった。


「よし、ぼっ僕はここで足場を戻すよ」

モッグンは能力を使い、地面からいくつもの壁と柱を建てた。


「頼むぜ~みんな~もう少しだけでいい~時間をくれ~」


ググは目の中に埋まって身動きが取れなかった。ドラゴンは片目が潰され、手当たり次第に炎を吐き、空と地を黒く染め上げていた。


そこへ一致団結した動物達が襲いかかった。

空からは鳥に乗った黒ゴリマッチョ部隊の攻撃と蠍の雨が続いた。

そこにイーグが現れ、目に突き刺さったググを引き抜いた。


「なにしておる?大丈夫か?」

「はい、父上…いえ、なんとか大丈夫です。」

「無事でなによりだ、飛べるか?一旦離れるぞ。」


ドラゴンはだんだん高度が落ちていき、地面に着地した。体中をゆすり、手で払い、火を吐き、動物達を殺していった。


だが翼にひっついて離れようとしない姿があった、そう黒ゴリマッチョのことゴリマだ。

なんとか翼を引きちぎろうとするもあまりの強度にびくともしなかった。

ドラゴンは気にする素振りもみせず、また黒の塊を溜め放った、それは無数に別れ次々に動物達を串刺しにした、しばらくして動物達に変化があった。


串刺しにされた動物達が仲間の動物を襲い始めたのだ。

これはヴァンパの能力?

ドラゴンの周りは混乱し味方の区別がつかなくなった。

黒ゴリマッチョは大声で叫んだ。


「ここから放れて、敵になった動物をまずは駆逐するぞぃ。」


ドラゴンの周りから逃げる動物達の背後からドラゴンは強靭な爪を伸ばし追い討ちをかけると、大きな翼をばたつかせ、空へ飛び、高台へ向かい始めた。


黒ゴリマッチョ達はドラゴンから引き離され、敵となった動物を駆逐するのに手がいっぱいとなった。


「あ~おしい、もうちょっとだったよね。」

「あ~おっさん達は十分稼いでくれたぜ」


なんとか湖周辺を光で包み込ませた。しかし、すべてを包むにはまだまだ時間が足りなかった。


そこに第二陣が現れた。空から大量の鳥にのった、砂の動物達が尖った木を片手に空から飛び降りドラゴンの背にそのまま特攻した。

無数に刺さる木にドラゴンはうめき声をあげ速度が落ちた。

砂の動物達は自らの命を犠牲にしてドラゴンの足を少しとめることに成功した。


「長老…無茶なことを…皆の犠牲を無駄にしてはいけません。もっともっと能力をあげますよ。」


円を中心に輝きは徐々に暗闇を照らしこの世界の半分を包み込んだが、ドラゴン周辺はいまだまがまがしさを放ち暗闇に覆われていた。


「後少しです。何とか持ちこたえますよ」


またドラゴンが大きな口をあけ、黒い塊を溜始めた、今までより桁にならない黒い塊はタイガ達にむけ放たれた。


モッグンが作った柱や壁を壊すと、円の中心くらいの足場のみとなった。

「まだまだ作るよ、僕にできることをするんだ。 」

モッグンはまた無数の壁と柱を建てた。


第三陣イーグ、ググ率いる鳥達がドラゴンめがけ特攻した。

そこへドラゴンが叫び声をあげると、鳥達の動きが止まり地面に墜落していった。

なんとか生き延びた鳥達が再度ドラゴンにむけ特攻したがすべて炎で焼き尽くされた。


徐々に輝きで包み込むタイガ達にドラゴンは迫り、炎を吐き出した、タイガ達は包み込む光で炎はかき消されたがもう後戻りはできない状況となった。


「俺達に後はねぇ、命を燃やし尽くすまで能力を解放するぞ。モッグンは守られている範囲からでるなよ。」


イーグとググが上空からドラゴンの目にむけ突撃した。

放たれる炎を避けながら、イーグはもう片方の目に突き刺さったが、ググは手ではじかれ、タイガ達の所まで吹っ飛んできた。

ググはうなり声をあげくるしんだ。


「ググ、大丈夫ですか?無茶しないで下さい。」

「いま…やらなくて…どうするのですか…」

「ググはまた飛び立とうとするが、体が動かなかった。」

「もうここから動かないで下さい。ここなら安全です。」

「皆が戦いでなくなった…自分だけ安全な所にいるなんってできるわけないです。」

「その身体では無駄死にです。」

「王だってまだ戦ってます。 私もまだ…まだ戦えます。ルーグは自分のなすべきことを…」


フラフラの体を無理やり動かし、ドラゴンの元へ飛んでいた。


「あの…バカ…私にできることを…必ず成功させますよ。うぉぁ~」

「随分気合い入ったな、俺も負けてらんねぇぜ。うぉぁ~」

「ついでに私もうぉぁ~」

「わっわっわたすも、うぉぁ~」

「うぉぁ~さ、うぉぁ~さ。」

「ちょっとラックさん真面目にうぉぁ~さ」


ますます輝きが包み込んでいった。


残りは約30%のところまできた。それを阻止しようとドラゴンは目の前まできていた。


イーグは目に埋まったまま気絶しているようだった。

ググは何度もドラゴンの体に突撃するが、全く聞かず、見向きもされなかった。

このタイミングでドラゴンは今までとは桁違いのすべてを飲み込む程の黒い塊を溜始めた。モッグンは覚悟した。


「みんなすごいね、僕もがんばらなくちゃだね。みんな今までありがとう。うぉぁ~さ~」


モッグンはドラゴンの口にむけ、尖った土の塊をねじ込んだ。それは口下から上に貫通したと同時に黒い塊も貫いていた。

そして…黒い塊は口の中で暴発した。ドラゴンの口はさけ、異様な声で叫んでいた。


暴発に巻き込まれタイガ達の足下にはそれぞれのたつ場所しかなく、7本の柱のみが浮いていた。

モッグンの姿は確認する事は出来なかった


「モッモッグン…びびりのくせに無理しやがって…」

「ほんと、モッグンにはいつもびっくりさせられてるよ…」


皆はモッグンの死を悲しむ余裕はなかったが、時間を作ってくれたことに感謝した。


涙をこらへ、みな前をむいた。

輝きはあと10%ですべてを包み込むまできた。


ドラゴンはもがき苦しみながら何度も何度もタイガ達を殴り、切り裂いた。

響く衝撃音は凄まじく、タイガ達のいる円内にまで響いた。


するとドラゴンは殴るのをやめて、両手で握りつぶし始めた。力に合わせて軋む円内、所々円が歪み始めた。


「まずいですね、まさかここまでとは…」

「イト、諦めたわけじゃねぇよな?」

「諦めてませんよ、ここまできたら成功しか考えてません。」


ドラゴンの手から黒い糸のようなものが円内に少しずつ侵入し始めた。


「きゃ、なっなんです?」

「あれに触れてはだめです、敵になった動物達と同類になりますよ。」

「でっでももうここまで…」


体が一番大きいエレンにはもう紙一重の所まできていた。


「いや、いや、いや、いや~やだ~」


突然ドラゴンの動きが止まった。そこにはドラゴンの裂けた口を更に引きさこうとしている姿がみえた。


「ぎゃはははは。こんな楽しいことしてるなら混ぜろや~。」

「ラッライオネル?生きてたのか?」

「あぁ~あんなもんで死ぬわけねぇだろ。ははは、いてぇか?俺の能力返せや、でかぶつ。」


ライオネルは口を引き裂き、噛みつき、ドラゴンを苦しめていたが、攻撃に夢中になりすぎて背後から迫る手には気付かなかった。

ライオネルは手の中で握り潰されていた。

ライオネルは叫びながら抵抗するもミシミシとつぶされる音が聞こえた。


残り5%…


その時、下から何かが突き上げてきた。尖った土の塊だ。

握り潰す手にぶつかった衝撃の間にライオネルはにげ、みなは下をみたが、そこには誰もおらず上から声がした。


残り4%…


「やっぱり僕がいないとだめだね~」


皆は声がする方を見た。そこには羽の生えたモッグンとルーグがいた。皆は声を揃えて叫んだ。


残り3%…


「モッグン!てめぇびびらせやがって。なんだよその羽。」

「へへっ、すごいでしょ。僕も爆発に巻き込まれて死んだと思ったよ。」

「そうか、ググが助けてくれたのか?」

「違います、吹っ飛んできました。」

「違うよ、ライオネルだよ。急に現れて僕を投げ飛ばしたんだ。ライオネル~これでチャラだからね。」

「ほざけ、ときたまだ。くそいてぇな。」


残り2%…


「後少し時間を稼いで下さい。」


ライオネルは腕がおれ、動けるのは口と足のみ、迷わず噛みついた。

モッグンは手当たり次第に尖った土の塊を突き出した。

ドラゴンは苦しみながら最後の手段にでた。

全身から黒い霧のようなものが噴出し始め、膨らみはじめた。


残り1%…


「まさか、自爆するつもりか。」

「くそ後少し後少し。間に合え。」


残り……


ドラゴンはけたたましい音と共に爆発した。吹き飛ばされるタイガ達はそれでも能力を発動し続けた。眩い光が爆発をも包み込んだ……


0%……





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