提案1ー評価点の平均を求める
私の一つ目の提案は、小説につけられた評価点の平均を求めて、この平均点を基準としたランキングを新たに設置する事です。
まず、メリットについて説明します。
今まではただ合計値が出ているだけで、漠然とした印象しか与えなかった評価ポイントですが、平均点が表示されるのであれば、作品のクオリティを示す基準として機能させることができます。従来は読者数がポイントと評価に直結していたので、読者数の少ないジャンルの作品が読者数の多いジャンルの作品に評価で勝つことは、かなり難しいことでした。しかし、平均点を出した時に比べるのは読者数ではなく、作品のクオリティなので、良い作品であれば正しく評価される環境を作り出すことができます。
また、この平均点の概念は、読者が作品を評価しようと思うモチベーションにも繋がると考えます。例えば、読者が評価点を吟味し適切な数値を振り分けた場合に、比べるものが平均点であれば、ある程度近しい値同士で比較することが可能です。なので、評価する際に一と五以外の数字を考慮する意味が出てきます。さらに、今まで問題であった「最低評価が評価をしないことである」と言った問題も解決されます。評価を一、一にして付けた作品は、程度の差はあれ確実に評価を落とすからです。評価をすることが、巨大な数値に数をたすだけでなく、上下に変化を与えるようになることで、評価を入れてみようと思う人も増えるのではないでしょうか。
より多くの人が評価を付けるようになれば、既存のランキングの、ブックマークに比重が置かれすぎている問題も緩和するでしょう。
デメリットもいくつかあります。
少人数で高い評価を付けた場合、平均点を求めると、それがたとえ一人であっても高評価になってしまいます。評価人数一人で評価点が十点の作品が溢れてしまうと、ランキングが機能しません。
ただこれに関しては、最低でも何人の評価が無くてはランキングに上がらない、などの処置を施せば、ある程度対処できると思われます。作品を検索する際に、何人以上の評価がついている作品か選択できるようにするのも良いかもしれません。
また、小説の評価を下げられる事をメリットとして挙げていましたが、これはデメリットにもなり得ます。過小評価をしても過大評価をしても、平均点に影響を及ぼしてしまうからです。加えて、評価の基準は人によって異なるので、その数値が正確に作品を判定できているか疑問が出てきてしまいます。
平均点を導入するにしても、その概念が存在しなかった作品に付けられていた点数をどうするかなども考えなくてはならないでしょう。
メリット、デメリットはありますが、平均点を出すことは私が個人的に導入してみてほしいシステムです。検索でそういった選択肢があるだけでも面白いとは思うのですが……。まぁ、メリットデメリット以前に、できるできないの問題もあるのかもしれません。