第十一話
「ただいま帰りました」
放課後先輩の家でのんびりさせてもらい六時半を過ぎた頃、リビングのドアが開き家主、四季先輩が帰ってきた。
「お帰りなさい、あ、ありがとうございました」
先輩達に最終戦の許可を貰ってから数日、今週の日曜日、今日から三日後に行くことを決めた。それまでは個々のトレーニング、からだこころのモチベーション調整、自由行動をどうぞとのことで襲来は先輩達が担当くれている。地球防衛のあと現地解散して帰ってきた四季先輩がソファーに座ると同時にアイスティーを机に置くリセ先輩。妻だった。
「ご飯、もう少し後でいいよね?」
「皆さんどうします?まだお腹すいていませんか?」
リセさんがたまには食べていってと逆にお願いしてきたので今日はお言葉に甘えようとなっている。沢山作るから食べてねとなんだかあどけない感じだった。
「もう食えるけど、先輩帰ってきたばっかだろ?」
「いえ、気にしなくて大丈夫ですよ。そうですね、そろそろ準備しましょうか。リセ」
「うん」
アイスティーを飲み干し立ち上がる四季先輩。戦闘後のはずだが疲れた様子は特に見えない。
「ゆっくり休んでいてくださいね」
普段はどちらが作っているのだろうか。お菓子や軽くつまめるものに関してはリセ先輩が良く作ってくれるが。やはり妻の方だろうか。
「ナギ……?」
「あっ、ごめん考え事してた」
「何……?」
「なんだろ、つ、妻?」
「妻ぁ?」
「なんですのナギさん嫁ぐんですの?」
これだけ言うと変なとられてしまう。全部言っても変だが。
「そういや好きな奴がいるとか知らねえな。いんの?」
「んー、いない。誰が格好いいとかそういうのはあるけど、好きかどうかってなると。皆は?」
まったりとした時間。普通の女子中学生みたいだった。
「あたしもいねえな。こんな性格だしな」
「あら、チカさん結構整った顔してますわよ。私ほどではありませんが」
コメディちゃんがわざわざ立ち上がり手を腰にやる。何て曲だろうか、リセ先輩が適当に消していいからねとかけたBGM、聞き入ってしまいそうになる。別に悪いことじゃないか。
「キョウは?お前は自分大好きだもんな」
「私を超える殿方が現れない限りお慕いはありませんわね。故にノーですわ」
「サラちゃんは?好きな人」
「……皆が、好き」
わたしが男だったらこれまでで十回くらい好きになっていることだろう。目線を落とし少しだけ照れた顔をするサラちゃん。ふんと笑うチカちゃんもわたしと似たような気持ちなんだろうか。
「戦いが終わって、普通の中学生になって、恋だなんだするのか?あたしら」
「今後は、どうなんだろ。先輩達は敵の総大将?倒してもちょこちょこ残存勢力とか、戦ってきたとかそんなこと言ってなかったっけ?」
「じゃあ普通の中学生には戻らねえのな。頻度は減るか」
なんとなくだけど、そんな気がする。
「ナナ、どうだったの?」
リセ先輩が焼いたシュークリームを忙しく食べているナナを呼ぶ。
「ん?ごめん聞いてたよ?何?」
「先輩達は、当時の敵を全部倒して、それからどうしてたの?」
「大きな敵対勢力が消滅したから、ワタシは帰ったんだ。その後もたまに襲来があったけど、四季達が撃退したよ。一ヶ月に一回くらいかな。幹部もいないから、統率も取れていないし普段の敵に比べたら弱いものだったみたいだけどね」
部活引退したOBがたまに母校の練習に来るみたいなものだろうか。先輩達でいうわたし達、後輩ができるまで自分達のペースで地球を救う必要があるようだ。
「終わっても引退ってわけにはいかないわけだ」
「大切な日とかぶってしまったらどうするんですの?」
「そん時はそん時だろ。先輩達に頼もうぜ」
やはり頼ってしまうことにはなる。今までもずっとお世話になっているのに、恩返ししたいのに。きっと先輩達は笑ってくれるんだろう。気にしないでください、何かあったらいつでも言ってくださいね、わたし達は仲間なんですから。わたしはそんな出来た人間じゃない。いやいや、何悲観になってんんだか。恩返ししたいって思ってるのに。
「はあ」
「……ナギ?」
「これからも続く戦闘漬けの日々を嘆いておられるんですの?」
「ってほど戦わないと思うけどね、これからは。いや違う、別に気にしないで」
「たまにストレス発散だと思えばいいんじゃねーの?スカっとすんじゃん?」
「圧倒的戦力で蹂躙するのは確かに快の感ですわね」
そんな気持ちで戦ったことなかった。きっちり倒すことができたらよしとは思うけど。
「何にせよ、みんな、頑張ってね。ワタシはシュークリームに戻るね」
シュークリームに戻るの言葉は普通に使ったら伝わらないものだろうがナナのそれは確かにシュークリームに戻っていた。
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後輩達の出陣を明後日に控えた金曜の夜、わたしは鳴る携帯電話を取った。ナギちゃんから。
「もしもし」
『すみません、今大丈夫ですか?』
「はい、どうしました?」
『少しお話したいことが、いや、忙しいようなら大丈夫なんですけど』
彼女も色々考えて不安を感じているのだろう。責任感のある子だし、死んでしまうかもしれないと考えると眠れなくなってしまったのかもしれない。
「いえ大丈夫ですよ」
『あっ、すみません。えっと』
「直接お話しますか?今から車で迎えに行きますよ」
『ご迷惑じゃないですか?』
「ナギちゃんがご無理でなければ。この時間に出るとおうちの方に心配かけてしまいますので」
『それは大丈夫ですけど、甘えちゃっていいんですか』
「大丈夫ですよ。今から向かいますので、少し待っていてくださいね」
電話を切り部屋を出る。リセがテレビを見ていた。わたしの髪で寝るナナを静かにリセの横ソファーに。
「少し出かけてきます」
「行ってらっしゃい」
夜八時。親戚でもない中学生を連れまわしているわたしは逮捕でもされてしまうのだろうか。
「すみませんお待たせして!」
ドアを開けるナギちゃん。頭を下げながら助手席に乗る。
「大丈夫ですよ。行きましょうか」
車を走らせる。どこに行こうか。
「どこかいきたいところありますか?お店とかは補導対象時間になっていますから厳しいですけど」
「いえ、大丈夫です。どこでも」
「そしたら、適当に流しますから」
一分ほど沈黙。ナギちゃんは外を眺めている。
「飲み物でも買いますか」
自販機の前に止めて車を降りる。
「はいどうぞ」
「あ、ご馳走様です」
それぞれ飲み物を買って車に乗る。静かな夜だ。また沈黙。
「不安、ですか」
「え、っと」
「そのことですよね?わたし達は勝てるだろうか。もし負けたらどうなるだろうか。自分はリーダーで、全員の命を背負っている。自分の指示が間違ってしまったら、指示によって皆に危険が及んだら」
返事の無い間隔が答えだった。ちらと見ると右の手を握るナギちゃん。
「わかりますよ。わたしも五年前そうでしたから」
「そっか、そう、ですよね。はい」
喉が鳴った。
「怖いです。そりゃ、最初に比べたら強くなった。今ならあの幹部も倒せると思います。姫巫女様の協力で能力は底上げされて、それもしっかりコントロールできるようになりました。でも、それまでなんです。勝てるって確信はなくて。あの、その、ずっとこのまま、ってわけにはいかないんでしょうか?敵のボスを倒さなくても、雑魚を倒し続けていれば、そのうち向こうもやめる。もし新しい幹部が生まれても、そのときに倒せばいい。無理に行く必要は、その」
だんだんと言葉がしぼんでいった。
「その気持ちもわかります。防衛を続けていけば死ぬ可能性は低いですし。ですがね、ナギちゃん。倒さなくてはいけないんですよ」
赤信号で止まる。わかってはいますと言いたげな顔が横にあった。
「こちらが防衛に徹している間にこちらが対処できない幹部が生まれたら。こちら以上に力を蓄えられ冥界を襲われたら。こちらが詰んでしまうことも考えられるんですよ。そうなる前に、やはり、倒す必要があるんですよ」
つらい話なのもわかっているんですけどねと付けたしナギちゃんの頭を撫でる。少し驚いた顔をされたが、そういえばこんなことをするのは初めてだ。青。
「もう戦えるレベルだという話はしましたが、すぐにいってらっしゃいというわけではありません。本当に心の準備が出来たら」
「敵の幹部が生まれるまで、何日くらいかかります?」
「そればっかりは敵に聞いてみないとわかりませんが」
「もう生まれてるってことは」
「その生産性だとわたし達の戦いはもっとシビアになっていたでしょうね。そんなに早いことはありませんが、見えてはきません」
「そうです、か」
目線を落とすナギちゃん。組んだ指を二度動かした。
「ごめんなさいね」
はと顔をあげるナギちゃん。
「わたし達が倒しにいければよかったんですが。って、これは会ったその日に言いましたね」
「い、いえ、そんな」
「危険な決戦だとは思います。ですが」
左折。
「巫女姫様から仰ったんですよ、大丈夫だって。わたし達もそう思っています」
「四人で、大丈夫ですかね?わたし達は五人じゃなくて」
五人じゃない。針のように頭をよぎるが口になんて出来ない。ここで言ってもマイナスでしかなくて、あれはわたしとリセだけが知っていればいいことだ。
「今の皆さんは、増幅する霊力を制御する力は当時のわたし達より上です。総合的な戦闘能力は、あくまでわたしの見解ですよ?わたし達の方が上ですが、百点の戦いをしたわけではありませんでした。今の皆さんなら百点の戦いが可能でしょう」
鼓舞したり引き止めたり、ナギちゃんを混乱させているだけではないだろうか。どちらもわたしの意見だが。
「ですから」
「四季さん」
運転中は運転中なのできっちり彼女の顔を見ることはできなかったが目の端でわたしを見ていることを認識する。
「行く、行きます。一度決めた日だし、ここでやっぱってなったらいつまでもだらだらとやってしまいそうなので」
こくこくと自分に頷いている。彼女の覚悟が確かにそこにはあった。
「はい」
「もう迷いません。絶対に勝って帰ってきます。うん、そうだよね。わたしの憧れる先輩達が、うん、言ってくれてるんですもんね」
ナギちゃんの状況において先駆者であるわたし達に憧れるのは半ば当然のことかもしれないが、それでもやはり嬉しかった。
「頑張ります」
「帰ってきたら、何でもわがまま言ってください。わがままって言い方悪いですね、お願い、言ってくださいね」
「お願い……んー」
「旅行でも欲しいものでも、皆さんで話し合って決めてください」
「いえそんな」
「皆さんが頑張ってこの世界を救っても、それはほとんどの人間に認知されません。だからそれを知るわたし達だけは、皆さんに感謝と、わたし達が出来る恩返しをしたいんです」
「恩返しだなんて」
「わたし達はありがとうございますの気持ちでいっぱいなんですよ。本当は痛いと言われるまで抱きしめたいくらいです」
「だ、抱き……」
「頑張ってくださる皆さんに、感銘とはこのことを言うんですね、そんな気分なんですよ。ごめんなさいね、変なことばっかり言っちゃって」
「いえ、その、そんなこと言ってくれて、嬉しいです」
ハザードランプを焚き車を止める。わたしに怖がっている様子は見えない。
「わたしも、嬉しいです。ねえナギちゃん」
わたしの方を向くナギちゃん。そのまま彼女を抱きしめる。車内、少し窮屈な体制だった。無理矢理わたしを剥がすこともできただろうがきょとんとしているのかそうしないナギちゃん。
「頑張ってください」
「痛くは、ない、です」
「本当に痛くしたら嫌じゃないですか」
「あ、はは、そうですね」
「練習、キツかったですか」
「大変は大変でしたけど」
「あの時はお腹撃っちゃってごめんなさい」
「だ、大丈夫、です」
「わたしはね、ナギちゃん」
体を離す。かすかに見えるナギちゃんの顔は戸惑いつつ、よかった嫌な顔はしていなかった。今の姿を警察にでも見られたらアウトだったのだろうか。
「ごめんなさいね急に。嬉しくてたまらないんですよ。あんなに頑張ってくれるナギちゃん達が。本当に」
「それは、はい、先輩達が、優しくしてくれたから」
「巫女の後輩としても、ひとりの人間としても、可愛くて仕方が無いです。妹のように思っています」
「妹」
「勝手でごめんなさい。でもね、ああ、いい子だなあと健気にがんばってくれるナギちゃん達は、とりわけわたしはナギちゃんとよく一緒にいましたから、可愛く思えてしまうんですよ」
「そ、それを言ったら」
わたしを見るナギちゃんの目。
「わたしとしても、四季さんは、お姉さんみたいな存在です」
「これからも、公私共に頼ってくださいね、お姉ちゃんを」
「はは。巫女としての戦闘が公って面白いですね」
「私でもないですしね、巫私共に」
もう一度撫でる。今度は驚かれなかった。
「無事に帰ってきてください。お姉ちゃんはそれだけが願いです」
「なんか、お姉ちゃんって言っちゃいそうですね」
「言っちゃえばいいんですよ」
「チカちゃんキョウちゃんに馬鹿にされちゃいます」
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今日を迎えた。日曜日ではあるが朝八時に起床。休日はできるかぎり家事したくないというお母さんに従ってトーストを焼いて食べる。お風呂を準備、チカちゃんから起きてるかのメール。今からお風呂と送るとリッチだなと返された。
「リッチじゃないでしょ」
考え事をしながらだらだらと入っていたら十時半を過ぎていた。キョウちゃんから着信があった。電話を返すが出ない。
「なんだろ」
髪を乾かし軽く化粧する。時間が近づいてくる。部屋の掃除をしてから準備体操をした。
「そろそろかな」
家を出る。四季先輩の家へ。先輩達は四季先輩を除き既に全員、それとサラちゃんが来ていた。四季先輩とナナは敵の世界に行くためのゲートを作る河川敷の下見に行っているらしい。
「二人は?」
「チカちゃん……もうすぐ来るって……」
「そ。よく眠れた?」
「……うん」
昨日は先輩と会わず夕方まで全員で遊んでいた。はしゃいで疲れない程度にという予定だったが結果家に帰って夕食とお風呂を済ませたらすぐ寝てしまった。
「あそっか」
「……ナギ?」
「いや、帰ったら宿題やんなきゃって」
「……宿題」
「昨日やるの忘れちゃってさ。でも帰ったらクタクタだよね。わー昨日やっときゃよかった」
「……私も」
「あれ、珍しいね」
リセ先輩が緑茶を出してくれる。呼び鈴が鳴った。
「お待たせ」
「私達が最後ですわね。真打は遅れてとはまさにこのことですわ」
「おはよ。ね、二人とも宿題ってやった」
チカちゃんがため息をつきわたしの肩に手を置く。
「おいナギちゃんよう。そういう問題じゃねーんだ。今は目の前に大きなヤマがあんだろ?」
「そうだけどさ」
「そうですわ。地球を救うのと宿題。天秤にかけることすら恥ですわよ」
「いや、わたしもやって無いんだよね。月曜の朝やろっか」
「なーんだお前もかよ!じゃ、いいじゃん別にー」
ばんばん肩を叩かれる。赤信号理論じゃないんだから。
「大体、怪我とかしたら一日じゃ復活できねえだろ。学校なんて休みゃいいんだ」
「それくらいのサービスはして欲しいですわよね。バカンスの時間が」
「わかんないでもないけど、先生は知らないんだから無理だよ」
「まぁな。冗談だ。準備は?」
「大丈夫、かな。おかげさまで。先輩達。ありがとうございました」
立ち上がり頭を下げる。ほら皆もと促し全員で改めて御礼を言った。
「頑張っておいで。特訓の成果を」
桐子先輩。怖かったときもあったけどそれもわたし達を思ってのことで、あなたのためを思って言っているとはこういうことを言うんだとわたしは考えていた。
「皆なら出来るよ!帰ってきたらまたボードゲームして遊ぼうね!」
楯先輩。いつでも勇気付けてくれて、いつでも元気で、年上にこういうことを言うのは失礼だけどその笑顔に救ってもらったことは何度もあった。
「応援してるよ。いつも通りにね」
ひかり先輩。初めての幹部戦でわたし達を守ってくれた。特訓においてはサラちゃんに特に気を使ってくれたおかげでしっかりと受けられたと思う。
「無事に帰ってきてね。そうしたら好きなだけご飯、作るから」
リセ先輩。優しく母性に包まれた先輩の言動で気付かず救われたことだって一度二度じゃないだろう。細かい配慮、優しさ、四季先輩とは別の形で憧れていた。
「皆さん、戻りました。準備もできました。皆さん揃っていますね」
四季さんが帰ってきた。頭にはナナ。わたしの元へ飛んでくる。
「はい」
「準備はいいですか?」
「おう!」
「ですわ!」
「……うん」
「お願いします」
「では、いきましょうか」
車に乗りいつもの河川敷へ。適度な緊張はあるが固まって動けないというわけではない。圧倒されちゃ駄目だ。でも気負いしちゃいけない。四季先輩ならどうするか。いつも通りにいきましょう。いつも通りだ。
「皆、姫巫女様から通信入ってる」
ドアにかけた手を離す。
『聞こえておるか、巫女の子らよ』
姫巫女様の声。
『修行を見させてもらったよ。十二分に勝機はある。あせらず気張れよ。その世界のために。終わったら、一度冥界に来ると良いぞ』
短い言葉だった。きっと先輩達にも同じ言葉を伝えているんだろう。それでもあの人に、一度しか会っていないけどあんな人に勝てるといわれたら。心が少し震えた。緊張じゃない。
「行こう、みんな」
今度こそドアを開ける。別の車で来た四季先輩達に続く。
「ここです。いつも敵が来ていた場所にゲートを開き、あちらの世界に飛べます」
ふわと飛び立つナナ。冥界に行った時のように準備を始めた。
「先ほど下準備をしておいたので、すぐに繋がります。皆さん。わたしからはひとつだけ。無事に帰ってきてください」
四季先輩。お姉ちゃんと思ってくれていいですなんて、そんなことを言ってくれた。強くて優しくて。これからもずっとお世話になるんだろう。
「皆、いつでも行けるよ」
ナナがわたしの髪に戻ってくる。なるほどわかりやすい異次元的なゲートが作られていた。
「行くか」
「……うん」
「ですわね」
「みんな、頑張ろ。行ってきます」
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「みんなごめんね、ワタシの勘違いだったよ」
「あら」
桐子が返事する。
「誰でも間違いはあるよー、気にしないでナナ」
「そうだよね、中々そんな簡単には見つからないよ」
フォローする楯とひかり。
「新しい巫女の反応、かあ」
リセ。ナナにそう言われてついてやってきたここが河川敷。霊力による巫女の反応と考えるとこの前の戦闘での霊力がどこかに残っていてそれを勘違いしたのかもしれない。
「戻る?」
「ね、もうお昼の時間だしご飯食べてこーよ」
「そろそろ混んじゃうね。どこにする?」
「ウチで食べるか、でも外食のがいいよね」
「リセちゃんのご飯もいいけど、今日はお外の気分だよー」
「この前行った和食のお店、あそこにする?」
「意義なーし!」
「私もいいよ」
「私も、っと、四季?」
「ああ、ごめんなさい。食事ですよね。そこにしましょうか」
「よし、じゃ、行こっか」
「みんな」
ナナがわたしの髪に乗る。
「勘違いしてごめんね。見つかるといいね、みんなの後輩」
ナナを軽く撫でる。
「そうですね」
第十一話 巡る四季の光射す朝君の歓喜な産声が おわり
to be continued……(?)




