3話
それから数日、いつも通りの日々を送っていた。
「それでね...聞いてる?明人くん」
「聞いてる聞いてる、めっちゃ聞きすぎて耳痛いよ」
「...ふざけてるの?」
笑っているのに怖いオーラが出てますよ僕の彼女。
「ごめんごめん...」
「ま、いいけどね。黒道さんのことがそんな気になるのなら」
...え?
「なんで?」
「だってさっきからずっと見てるじゃない、黒道さんのこと」
そうか...無意識だった。
というか黒道は隣だからそんな声量で言われると聞かれるんだが...
「あの...あんまり困るから見つめないで」
少し照れながら言う黒道の姿はヒャッホーイ!
って例のアレを知ってなければなったんだけどな...
彼女はあっちのモードと話し方を変えてるらしい。
こっちのほうが可愛くて好きだな、僕は。
「ごめんごめん、無意識でさ」
「ふーん?別れる?」
「そんなこと言うなよ!」
「冗談冗談。私から告白したんだしね」
そう、彼女から告白してきたのだ。
でも実際かなり顔もタイプだったし、なにより声がいい。
告白されて付き合わない理由がなかった。
だけど最近は...
少し、黒道に心を奪われてるかもしれない。
こんなこと口に出すなんて、恐ろしくて言えないけど。
「おーい明人ー カラオケ行こーぜー」
友達がカラオケに誘ってくる。楽しそうだし行くか
「オーケー。それじゃ行くか、またね」
彼女と黒道に別れを告げて、放課後の廊下を友人たちと共に歩いた。
「それじゃーなー」
「おう」
熱唱したため非常に喉が痛い。
まあ仕方がないだろう。
一応携帯を見てみると、黒道から連絡があった。
【今日の夜7時から学校で出現の可能性がある。絶対に来て】
...えー
突然ですか。
そりゃ今両親出張で家にいないからいいにしろ、これでもし親がいる家だったらどう言い訳してたんだ。
まさかそれもわかって俺をパートナーにしたのかもしれないな...恐ろしい
今はちょうど6時30分、ここから学校もそこまで遠くない
まあ家からもそんなに遠くないのだが、家にいたら寝てたかもしれないな...助かった。
学校に着くとすぐ門のところに黒道がいた。
「よう黒道、その得体の知れないやつってのはもう出たのか?」
「ちょうど今から...来て」
黒道は体育館の方に進んでいった。
「ここに来るってことか?」
「そう...来たわ」
見ると天井には、ブラックホールのようなものがあり、怪獣のような格好の生物が1体だけ落ちてきている。
「なんで体育館なんだよこれ!」
「出現場所は基本屋内なのよ...神は外を嫌うから」
「でもいつかデカいのが来るんじゃねえの」
「だったら外に来るでしょ」
「いい加減だな...」
なんか気持ち悪い、大きいイカみたいな生物だった。
「...それじゃ行くわよ、神々の翼!」
黒道の背中に突然白い翼が生えた。
「神々の翼って...神々は遊んでるんだけど!?」
「こまけぇこたぁいいの!!」
「投げやりか!」
「それより早く剣出しなさいよ剣!この健太!」
「僕は明人だ!剣!」
剣は勢いよく天井から落ちてきて、そして...
グサッ。
イカのような生物に刺さった。
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!
イカもどきの声うるさっ!?
「ナイス明人君!」
「僕なにもしてないけどね!?」
黒道が翼を広げてイカのような生物に近づいていき...
「当たれ!」
バサッと翼を使い攻撃をした。
「このやろおおおおおおおおおお!!」
「このイカ喋れんのかよ!!」
予想外だった。
「必殺・触手遊び!」
黒道の体に触手が絡んだ。
おいおい、これってエロい展開じゃ...
「いいわイカちゃん、そのまま一緒に...」
「お前はどんな性癖してんだ!!」
ちょうど刺さっている剣が取れたので
「おらさっさと消えろ!」
グサッと刺すと
「ギャアアアアアアアアアア!」
だからこいつ声うるさい!
「必殺・触手遊び!」
それさっきもやったよね!?
ってなんか僕に触手が近づいて...
「なんで僕まで捕まってんだよ!」
やべえヌルヌルしてて気持ち悪い!
触手を切ろうと思ったらうっかり、持っていた剣を落としてしまった。
「ちょ、これやばいんじゃねえの!?」
そして落ちていった剣は...
ちょうどイカもどきの目に刺さった。
「クソがああああああああああああああああ!」
突然触手が消え、そしてイカのような生物もいなくなった。
「やっと解放された...」
「ヌルヌルしてて気持ち悪かったね」
「あんたさっき発情してなかったか?」
やっと帰れると安心して、体育館を出た。
「なあ」
「どうしたの?」
「目が弱点なのか?あいつらって」
「知らなかったの?」
こいつは...
「教えてくれなかっただろ!」
「ごめんなさい、本当は私も知らなかったハッハッハ」
「...知らなかったのかよ」
「私はただ国に頼まれただけだしね」
「なんで頼まれたんだ?よりによってお前が」
「父がソレ関係なんだよ」
「そうなのか...」
じゃあこの魔法みたいなモンも、国の開発した物って事だな。
「ちなみに普通に剣!って叫んでも剣出ちゃうから叫ばないでね」
「...大丈夫だろ多分」
もしバレたら大変なことになりそうだしな。