2話
「それって...つまりどういうことだ?」
僕は突然言われた「絶対契約」の意味がわからず、何故か不安になった。
「そのままの意味、あなたには私のパートナーになってもらうの」
黒道は焦っているこちらとは対照的に落ち着いた口調で話す。
「だからそのパートナーっていうのを...説明してくれよ」
「...わかったわ」
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歴史上には、触れてはいけない「タブー」がある。
そしてその「タブー」は、とても恐ろしいモノだった。
今から1000年程前。
10××年に事件は起きた。
町に突然得体のしれない生物が出現、町の人間たちを食い散らかした。
人々はその圧倒的な力に絶望したが、なんとか退治するものが生き残り、絶滅させることに成功した。
この得体のしれない生物は、『神の遊び』によって作られた生物だとされている。
この世界でいう神はとてもいい加減なもので、気まぐれで世界を滅ぼそうとしている。
そして今年、またその『神の遊び』がやってくるのだ。
よりにもよって、この町の、しかも学校を拠点に――
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「ってこと」
「それと僕のパートナー契約がどう関係あるんだ」
「だから、その生物を退治してもらう手伝いをあなたにしてもらうの」
「いやいきなりそんなこと言われても...」
「ちなみに武器は剣しかないわ」
「ダメダメじゃねえか...」
とりあえず剣!と叫ぶ。すると普通の日本刀が落ちてきた。
「って空から落ちてくるのかよ!危ないな」
「仕方がないじゃない...この星だって予算がないの」
「それはわかるけどよ...ってか学校に出るんだろ?」
「今回はね」
「それって生徒巻き込んでやばいんじゃないの?」
「得体のしれない生物が出現するのは夜なの、だから大丈夫」
「そうか...それならいいな」
「先生達もわかってるわ」
「それはそれで怖い」
非現実的だが一通り説明してもらったところで、一番聞きたかったことを聞くことにする。
「なんで僕がパートナーなんだ?」
「イケメンだから」
「...それだけ?」
「あとリア充で人生楽しんでて腹が立ったから」
「...そうですか」
「何がこれが青春だですか気持ち悪い」
「なんで僕の心の声知ってんだよ!!」
...とにかく、と黒道は呆れたように言う。
「出現したときは連絡するから」
「わかった...僕は大事な星を守る人になったって事だな」
「あなたがいなかったらみんな死ぬわよ」
「...怖いよ」
今日は眠れなさそうだ。