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絶対契約  作者: 水蘭
10/10

10話

そのあとの一週間は、あっという間だった。

黒道とゲームしたり、一人で勉強したり。

あまり外には出れなかったけどな。

だけどいい休みにもなっただろ。

と思って投稿していたら...

「おはよう明人君」

由理が、僕の後をついてきた。

「ああ、おはよう」

「しっかり休めた?」

「おかげさまでな」

久しぶりの恋人との会話は、楽しかった。


「おい黒道...」

学校に入ると、親しかった友人たちがみんな僕に話しかけて、頭を下げてきた。

「いいよいいよ、僕たちも悪かった」

やっぱり相手側と自分側が素直になれば、許せないことなんてないよな。

黒道は何か、素直になれてないんだと思う。

「それとさ、明人」

委員長が僕に話しかけてくるのは珍しいな。

「なんだよ」

「お前......死ねよ」

いきなり包丁を出してきた。

「な...お前!」

警察沙汰じゃないのか?

あたりを見渡すと、何故か近くに先生もいる。

おい!助けろよ...

こいつら...グルか!

「やめろ!お前...真実を聞いたんじゃないのか?」

「ああ聞いたさ!偽りの真実と...本当の真実を!!」

な、なんだよ...

本当の真実って...

「教えてやろうか!?本当はなぁ...神なんていないんだよ!」

なんだって!?

「神が......いない...?」

「そしてあの生物を作ったのは、教頭...お前の後ろにいる人さ」

言われてバッと後ろを見ると、校長がスーツ姿で突っ立っていた。

「校長...あなた、何が目的なんですか」

「この際だから言おう...私は、国に任されてあんな生物を作っているだけだ」

国に任されて?待てよ...

「僕らの方だって、国から任されて...」

「残念ながらそれは嘘だ、実際この国...いや星は、人類を殺す計画を作ってる」

「自分で自分を殺す計画を誰が立てるってんだ!」

「死なないよ」

...え?

「誰も......死なない」

なんだって?

「さっき言ったのは嘘。本当は、国の技術発展のために展開されてるだけだ。そして、君たちもその技術発展のために任務を任されてきた」

技術発展...?

つまり、どっちも同じやつらが作ってた物ってことか...!

「だがその計画も失敗だ、お前らのせいで」

「なんで...だって」

「本来明らかにされるものは生物側の技術だけだったのだよ。

お前らの使っている魔法側は本当は明かしちゃいけない、この国の秘密だったんだ。

だけどお前らは、全校生徒の前で堂々とやらかしたじゃないか。今の時代インターネットで全世界にバレちまう...

だから、図書室に呼んで生徒達に真実を話し、そして、お前らにはあたかも本当に神の遊びが行われているかのように思い込ませた」

......もうイヤだ。

話すら聞きたくない。

由理だって、嘘ついてたのかよ。

なんだよ、これから恐ろしくなってくって。

恐ろしくなったのは、真実だけじゃねえか......

「うわあああああああああああああああああああああああ!!」

もう終わりだ!何もかも!

二度と来るか、こんなクソ高校は!!

「......それとね、黒道さんに今朝電話で同じ話をしたんだ」

......なんだと?

「彼女、泣いてたよ。親も。慰めに行ったらどうだい?慰めてくれるかもよ、性的な意味で」

「...このクソジジイがああああああああああ!!剣ッ!!」

いつも通り、空から剣が落ちてくる。

そしてそれを、教頭の顔に突きつける。

「......殺すぞ」

「いいよ、どうせお前には無理だ」

...本当に、殺してやりたい。

「今俺の事、殺したいって思ってるだろ?

だけど殺せないんだよなぁ?何故なら後が怖いから!

そんなことだからお前らいつも国から舐められてんだよ!!

この高校やめたあともどっかまともな職ついて安定した生活してそんでそのまま死んでけバーカ!!」

「......クソがぁ!」

僕は、剣を投げ捨てた。


そのあと僕は、僕と黒道の全ての荷物を持って、教室を出ようとする。

「ねえ明人君...」

「話しかけるな、クズが...」

由理、もうお前はダメだ。

「ごめんね、私は...」

「もう何言われても信用できねえよ」

謝られても、許せなかった。黒道の言ってたのはこういう気持ちだったらしい。

非常に腹立つ気持ちだな...

この教室、クズしかいないからだろうか。

もういいや、さっさと出よう...


家に帰ると、そこには黒道がいた。

「明人君...話聞いた?」

落ち着いているだった。

「ああ...僕たちはこれからどうなるんだろうな」

「何したい?」

「僕は自分の好きなことしたいよ。さっき教頭から言われたことあるんだけどさ、僕はその教頭の言った生活でも良いと思ったけど、あいつにあんな言い方されたのが悔しくて。もう、そんな人生にしたくはないんだ」

「そうなんだ...」

「まあ、まずは高校だな。入り直さないと、職すらつけん」

「それが、どっかの公立に入れてくれるらしいよ?」

...こうなるのも国は全て予想済みだったってことか。

「それはそれで腑に落ちねぇけど...またよろしくな、黒道」

「うん」


そのあとは衝撃の連続だった。

僕らの魔法が使えなくなってたりとか、教頭が実験に失敗して死亡しただとか。

あとついに口止めされてた魔法の技術がどっからか漏れて、僕らの行ってた昔の高校は大変な事になったとか。

まあそんな感じで、僕も今の生活を続けている。

世の中の汚れを知らなかった僕には良い経験だったのか...わからないが、未だにあれは許せない。

黒道とはあれ以来普通の友達だ。進展はあるかわからないが、地道に過ごしていこうと思う。



――――――――――――――――――――――――――――

「これでまた、一人の人を成長させましたね、神様」

「ああ...次は誰を成長させようか」

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