『コ○ンの気持ちがよーく分かった』
『コナ○の気持ち』
町の隣にある今回の採取場所『深緑の森』は、町のお店が並ぶ通りを突っ切った先になる。
「(ちょうど良いから、薬系を揃えながら行こうっと。薬~薬は…。)」
他の店から比べると大分小さな、お店を見つけた。
スッキリとした店構えとは対照的に、店内は様々な薬や薬草で溢れかえっている。
「すいません、傷に効く薬は有りますか?」
呼びかけた私の声を聞いて、店の奥から出て来たのは、壮年の男の人だった。
「(おばあさんじゃなかった。)」
勝手なイメージかもしれないが、大鍋でぐつぐつと薬草煮ているのって、魔女のおばあさんな気がして。
「傷ですと回復薬ですね。小さな切り傷や引っ掻き傷ですとこちらの回復薬Cで大丈夫かと思われますが、モンスターとの戦闘や剣での刺し傷等はこちらの回復薬Bをおすすめしています。どの位のお怪我で?」
「あ、いえ、予備の買い足しなんです。ちょっと見せて貰っても良いですか?」
「ええ、どうぞ。」
危ない危ない、値段を見たらびっくりですよ。
回復薬Cが700リト、回復薬Bが1000リトって、ランチよりも高い!
とてもじゃないが、所持金お小遣いの1000リトしか持ってない私には買えません。
「(どうしよう、調合スキルで作れないかな?)」
でもおばさんに聞いた感じだと、調合スキル持っていても、色々混ぜ合わせてぐつぐつ煮て、って作業をしないと駄目そうなのです。
ちなみに、おばさんは料理スキル持ちでしたが、普通に料理していました。
「う~ん。(とりあえず材料を鑑定スキルで……って、ああ!)」
そういえば私には、スキル『ゲーム脳』が有るじゃありませんか。
早速『ゲーム脳』発動!…………あった!有りました、調合のボタンが!
これで何とかなるかもしれません。
次に鑑定スキルでと、「回復薬C」は「小さな怪我に効く、HP小回復。」で「回復薬B」は「怪我に効く、HP中回復。」か。
材料は両方とも「薬草」と「水」のみで、回復の程度は使う水が綺麗か否かで違う様でした。
「お譲ちゃん、どうするんだい?」
じっと見ているだけの私に、店主はやきもきしたのか問いかけました。
「お母さんはどっちって言ってたんだい?忘れてしまったのかな?」
ええ!?私そんな小さな子供に見えますかね、心外な!
でも、良い事を聞きました。
年頃の乙女としては悔しいですけど、それでいきます。
「あー、ごめんなさい。」
目を潤ませ、上目づかいに。
「…お母さんに、もう一度聞いてきます。」
そうして、私は薬屋を後にしたのでした。
何か疲れました、特に最後のが。HPがごっそり削られた気がします。
でも、それ以上に収穫が有ったので、よしとしますか。
順調に冒険者してます…。良いのかなぁ。