『人生、思い通りにいかない事の方が多い』
『思い通り』
そんなこんなで、できることなら是非編集したいのですが!
「カードの個人的な書き換えはできない決まりとなっています。というかできません。」
デスヨネー。
「これは事実と違う事柄を書き、それが犯罪に繋がる事を防止するためです。」
うわー、そこまでは考えていませんでした。
なら、極力人に見せない様にするしかないのか。
「その代わり、見せたくないと思った事柄を非表記にすることはできます。」
「え?」
「便利なスキル持ちや特殊な加護持ちの人は意外と居るものよ。」
パチンと器用にウインクしながらお姉さんは言った。
「消したい部分に触れながらその上をなぞるの。この時消そう、見えなくしようと考えながらすること!」
「あ!できた。」
よかった。でも、そういうことならもっと早くに言ってくれれば良いのに。
とりあえずの心配事は何とかなった。
「他には何かある?」
「いえ、他は特には。」
後は、冒険者がどんなものなのか体験してみないと分からないし、その中で分からない事が出てきたら、それはその時に聞けばいいや。
まだ、何が分からないかも分からない状態だし。
「じゃあ、私から一つだけ。」
「はい。」
「装備品はあるわよね?他の仕事をしているなら別だけど、冒険者を主にしようとするならいつ何が有るか分からないから、常に装備は身に付けておく方が良いわよ。」
「装備、ですか。」
「無いの?なら、初期装備を揃えるのに良いお店を紹介しましょうか?」
「あ、はい。ありがとうございます。あの、採取とかならこのままで大丈夫ですか?」
おばさんのお手伝いをしているといっても、部屋代の代わりが主なので、お小遣いは貰っているが、装備を揃える程はない。できれば初めは薬草採取など軽いものを済ませながら、装備を整えるだけのお金を稼ごうと思ったのだが。
「採取といっても、弱くてもモンスターの居る森や草原に行ってもらうわけだから、せめて防具くらいは身に付けないと危ないわよ。」
「そうですか。」
どうしよう、行き詰ってしまった。いっその事このまま行くか。モンスターに遭いそうになったら逃げるとかすれば何とかなるかもしれない。
「何か事情でも?」
「いえ、ただお金が無いんです。私、この国に来たばかりで。」
「そう…。良かったら、私のお古をあげようか?」
私ががっくり肩を落として居ると、あまりにも不憫に見えたのだろう、様子を見ていたお姉さんの素晴らしいお言葉が聞こえて来た。
「本当ですか!?」
「ええ。私が駆け出しの頃着ていたやつなのだけど、捨てるに捨てられなくて取っておいてあるの。少し大きいかもしれないけど、それでも良いなら。」
「ありがとうございます!…でも大切なものなんじゃ?」
「良いのよ。ただ仕舞っておくより、着て、使ってもらった方が防具のためにはね。よし!明日持って来るわね。何処に宿を取っているの?時間が空いたら知らせを遣るわ。」
「あ、えっと、今下宿してて。場所は…。」
このまま普通に冒険をさせてあげたいけれど…。
どうでも良いことまで設定を考えてみたものの、この先それが反映されるかは不明。