『ギルドって響き、ワクワクするよね』
『ギルド』
「すいません、冒険者になりたいのですが…。」
「はい。登録手続きですね。少々お待ち下さい。」
お姉さんを待つ少しの間、ギルド内を見回して気付く。
「(アレが掲示板か!!あれよね、依頼内容が貼り出されてるやつ!あとは…おお!何か奥のカウンターで買い取り?みたいなことをしてる!)」
ギルドのお兄さん?おじさん?が「全部で5000リトになりましたが~」とか言っているから間違いないだろう。
リトはこの世界のお金の単位だ。
「お待たせしました。」
「あっ、はい!」
「この上に手をのせて下さい。」
そう言ってお姉さんが出してきたのは、箱形の機械の上に人の顔ほどある水晶玉が乗ったものだった。
「これで、識別を行います。」
「へぇー。」
「では、どうぞ。」
「はいっ!」
お姉さんのにっこり笑顔にやられて、勢いでのせてしまった…。
すると、手をのせていた水晶がボウッと淡い光を放ち始める。その光は私の手から腕に、肩に、体、頭、足と全てを包み込む。
「あああああの、おねーさん?」
「大丈夫ですよ、そのままで。」
いやぁ、実に良い笑顔ですね、お姉さん。
「大丈夫なのか?これ。」と、色々いっぱいいっぱいになったその時、スゥーッと体の中を何かが通り抜けるような感覚がした。
「(ナニコレ!?気持ち悪いっ!)」
「はい、お疲れさまでした。」
「へ?」
お姉さんの言葉に我に返ると、体を包んでいた光は消えていた。
まだ光り続けている水晶に目を向けると、下の箱の部分から厚さ2ミリ程のカードが出てきた。
「こちらがギルドカードとなります。」
お姉さんに手渡されたカードを、意味もなく透かしてみたり、裏返してみたりしてみる。
「(すっごい!流石ファンタジー!!ギルドカードってこうやって作ってるんだ。)」
どんな仕組みになっているかは知らないけど、とにかく初めて手にしたファンタジー要素に胸の高鳴りが止まらない。
「まずは表側の…えっと、こっちね。銀色の丸い所に、指を乗せてみて下さい。」
お姉さんの言う通りに人差し指を乗せると、カードの絵柄が変わり、私の名前から性別、年齢…レベル?等々、たくさんの情報が表示された。
途中ですがぶった切ります。