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第2話

個性的な教師との邂逅を果たした慎太郎と透太は昼休みになり、大して離れていない席を近づけて昼食を食べていた。



「お前ぜってー今度からケンカしてても止めねー。つーか向こう側に回ってお前とケンカしてやる・・・。」



慎太郎はこれから我が身に起こるであろう学級委員としての雑務にどんよりしながら目の前で弁当を頬張る透太に恨み節をぶつけた。



「いやいや、あんときはあれが最善だと思ったんだって。お前何だかんだ面倒見良いっつーの?放って置けないタチじゃんだからお前しかいないそうに違いない!だからケンカで敵に回るのはやめてくださいお願いします。」



透太が矢面にたってケンカしているからあまり目立たないが、慎太郎は昔祖父から古武術の指導を受けており、ケンカ慣れしている透太と比較しても同じくらいなのだ。



なので透太としては普段使わない頭をフル回転させてでも慎太郎の暴挙を止めなければならなかったが端から見ると自業自得感が否めないのは仕方がない。



(こいつケンカに入ったときも大して本気だしてる風じゃなかったもんな~。本気出したらどんだけ強いんだろ・・・。あれ?少し楽しそう?)



そんなことを考えてしまうあたり水野透太という男がどれだけ残念かが分かってしまう。



「仕方ねぇな。昼飯3回分で手を打とう。」


「げっ!?・・・まぁ良いよ分かった。高いのは止めろよ?」



慎太郎の言葉で現実に戻された透太はこれまた現実的な妥協案に金銭的に悩んだあげく了承した。



「分かってるって。せいぜいヤキソバパンくらいしかねだらねーよ。」


「ちなみに買いに行くのは・・・?」


「ん?」



「いや、俺弁当だし金渡すから・・・」


「ん?」



「俺に行かせて下さい。」



心の中で涙を流しながら答える透太。これ以上ごねると慎太郎がキレるラインを見極めるスキルは中学生のときにカンストしている。まぁ、透太も引かないときは引かないため、似た者同士である。


「分かれば良いよ。ところで透太は何か部活入るの?」



「うーん、入りたいと言えば入りたいけど俺ら一応特進クラスじゃんか?だからあんまり部活に行く時間無いんじゃないかなーとも思ってる。」



彼らの所属するクラスは特進クラスであり、主に国立大学もしくは有名私立への進学を目的にしている。よって、部活>勉強の生徒が少なく、クラス全体に部活に入るのをためらう雰囲気が漂っているのだ。


「まぁ、確かに入りにくいってのもあるけど別に透太はそんな雰囲気なんか気にしないだろ?」



「おいおい、粉雪のごとくセンスィティブな神経を持つこの俺様は入学式のときから借りてきた猫ちゃんの羽毛布団だぜ?少しは雰囲気だって気するっての。」



「つまり、まだそんなに考えてないんだな。」



「あ、お前俺の渾身のボケをスルーするなよ!そんなんじゃこの先コンビとしてやっていけねーぞ!! 」



「ワケわからんこと言うな!お前とコンビを組んだ覚えはない!」



ギャーギャー騒ぐ二人は入学当日からかなり目立っていたが、当人達は全く気づくことなく夫婦漫才のような掛け合いを続け昼休みを消化していった。


ようやく更新です。まだ就活中なので長い目で見てあげて下さいm(__)m

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