第1話
夢を見た。つかの間の居眠りに見るような夢で内容は覚えていない。でも、なんとなく面倒な、そんな夢だった。
慎太郎は教師の声で目が覚めた。いや、起こされた。
「と。いうわけで男子の学級委員は上月君に決定しました!みんな拍手!」
まばらに聞こえる拍手をよそに、いまだ覚醒しきっってないない慎太郎は隣に座る透太に声をかける。
「・・・透太?これはどういうことだ?簡潔に説明してくれ」
「お前 学級委員決定 拍手」
「はあ!?ふざけんな!なんで俺がそんなめんどくさい委員になんなくちゃいけないんだよ!?」
「だあって~~、お前寝てたし。起こすのもなんか面倒だったんだよ。」
そこでようやく慎太郎は気がついた。この悪友は自分が学級委員になりたくない一心で自分を売ったことに
。
「お前、俺を売りやがったな!」
「ずっと寝てた寝てたお前が悪いんだよ。諦めろ。」
この悪友をどうして殺ろうか考えを巡らせる慎太郎。しかし、時間と教師。主に教師は待ってはくれなかった。
「はい、上月君!きみ学級委員になったんだから前に来て自己紹介くらいしなさい。」
とりあえず教師の言うことに従う慎太郎は教卓へと向かう。
「えーーっと。いつのまにか学級委員になった上月慎太郎です。よろしくお願いします。」
なんともおざなりな自己紹介をすませ、そういえばまだクラスの自己紹介さえみんなしてなかったのでは?と思いつつ席に戻る慎太郎。ちょうどいいタイミングで教師が自己紹介をする。
「そういえばまだ先生の自己紹介してなかったわね。私の名前は田中邦枝です。これから1年間皆さんと一緒に楽しく過ごせたらなと思います!」
(おおう、某ドラマのおっちゃんと名前が近いぞ。これはみんなからいじられるんじゃないか?)
案の定周りの男子からは忍び笑いが漏れ聞こえている。その笑いも徐々に周りに電波していき、ついには我慢しきれなくなった男子生徒がニヤニヤしながら
「先生!きたのく「ちなみに私の前でとあるワードを言うと皆さんの評定が1になるので皆さん気を付けてくださいね?」
一瞬で静かになった・・・
どうやらこの教師、この名前で過去に色々あったようだ。ともかく慎太郎が気づいたことは身を削ってまっで神秘を探求するものはこの中にはいないということだった。