8話【後半別視点】うまああい!!
『100レベルのモンスターの討伐を確認しました。大量の経験値を獲得しました。LV3からLV20にレベルアップしました』
「しかも大幅レベルアップかよ……。帰り……たくなってきたかもしれんねえ!!」
「うーんそもそもダンジョン以外はいけないようになっているようだぞ、旦那様」
「へ?」
またまたいつの間にか俺の視界から消えて、施設の出入口にいたインドラ。
こいつの移動力ってやっぱおかしい。
戦った時は向こうから突っ込んできてくれていたからよかったけど、普通に回避回避でストライクとられまくってたら真っ黒こげだったぜ。
というか出られないって、ま……?
「ほらほら、この扉開かないぞ。扉が重い……というだけではないな。濃い魔力を感じる。それにここから見える景色……やけに暗いぞ」
「……マジだ。俺たち締め出されたってこと? あれ? そういえば受付のお姉さんすらいないじゃん!」
周りを見渡すと俺達以外は誰もいなくて、やけに静か。
これ……売店のもの盗みまくりってこと? いや、そこまで良心に欠けてはいないけどね。
「さっきの人間の言いようからして一先ず10階層を突破しない限りはここに閉じ込める、と……。それにしても迅速な対応、連携……奴らからはないか深い繋がりが感じられるな」
「うーん、知り合いってのはわかったけど……そこまでなのかね?」
「我の、女の感は鋭いのだ。とにかく、だ。さっさと10階層を突破して奴らに文句を言ってやろうじゃないか。ま、その必要はないかもしれんが」
インドラは上をちらちらと見ながら微笑んだ。
文句を言いたい気持ち、それは俺もあるけど……冷静に考えたらインドラが階層上がってきたのが原因でこんなやばい状況になってんだよな。
こいつが文句言うのはおかしくない? 多分逃げてきたモンスター対策で閉めているってのがほとんどだと思うし。
……じーっ。
「どうした旦那様、そんな熱い目で見つめてくるとは……。ま、まさか接吻を所望というのか? その、あのだな……それは違う場所で――」
「違うわ!! さっさと1階層いくぞ!! あ……ドロップ品の確認したらだけど!!」
少し強めにいっちゃったからか、ぷくっとほほを膨らませてムスッとしたインドラ。
でもその手は素直に電気アンマウスの身体をまさぐっていた。
モンスターだけど、剥ぎ取りの知識もドロップ品の概念もあるっぽいな。
「レアドロップとかも知ってたりして……ってこのアイテムは――」
『複数……膨大な敵の気配を察知しました。巣トラックアウトモードに切り替わります』
膨大……さっきみたいな暑苦しいのばっかりなのかな? でも、経験値もこのアイテムも……。
「うまいな。これが探索者のやりがいってやつか。初めて知っちまったよこの味を」
◇
「……。……。……。ぷっはぁぁぁぁあああああぁぁぁぁあああああぁぁああぁあぁぁっ!! 疲れたぁあっ!!」
魔道具移動のスクロールで自宅に帰還。
鎧を脱いでいつもの部屋着に着替える。ふわふわな触り心地、最高っ! 兜なしの空気うんまあい。
「っていうかっていうかっていうかぁ……飯田君今日もまじカッコよかったんですけど!! ぐへへへへ……鮮血の殺戮者続けてよかっちゃあ!!」




